虚実相まみえる12編
2018/05/11 05:41
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
優し気な親友の言葉から思わぬ事態に巻き込まれる、表題作が心に残りました。人間の心の奥底に眠っている、悪意が浮かび上がっていました。
浮気ばかりで疲れた
2017/07/26 23:07
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投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
「浮気」がテーマの短編集。男と女の騙し合い。第1話はちょっと面白かったけれど、だんだん飽きてきてしまった。浮気の原因なんてだいたい一緒。そこにちょっとしたトリックがあったところで、ええ!びっくり!ってすることもない。奥行きがないんだな。ミステリーとは言いづらいな。物騒だけれど殺人など犯罪が絡んだ方が、読みものとしてはぐっと面白くなる。ハラハラドキドキもあるし。浮気がばれる、ばれないなんて瑣末すぎちゃって。各話のタイトルがしりとりになっているのはお洒落。軽く書いたのかなー連城さん。やっぱ花葬シリーズが一番。
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短編集です。ミステリーではないけどミステリアスな男女の機微がうまく描かれています。夫婦の日常を舞台にまきおこる浮気という風をミステリーにしたという感じ。「夏の最後の薔薇」「嘘は罪」が好きですが、それ以外もあっと驚く仕掛けがあるので面白いです。女達の言葉の裏に縫いこめられた本当の意味が読み取れるでしょうか?浮気という点で連作短編ですが、題名のほうもしりとりでつながっていて最後にはまた頭へ戻るあたりが、夫婦間における浮気というものの存在を表しているようで面白いです。
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いつもタイトルが感じ潔いなぁ、と思う。話は1篇目と表題作、最終話が好きだ。ところで不倫で相手や奥さんのことを考えて女が身を引くのはちょっと。女性ってもっとしたたかなもんじゃないのかしら?
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嘘は罪。
といいながら、嘘でかためられた夫婦の物語が続く。
罪といいながら夫の嘘が、妻の嘘がゆるされる。
嘘といいながら、自分達以外の人の気持ちを退屈混じりにもてあそぶ夫婦の物語に終始して、
極めて嫌な読後感だった。
文章はさすがの連城節ではあるが・・
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初めての連城三紀彦作品でしたが1発目から良い作品に出会えて嬉しかったです。表題作の「嘘は罪」は久しぶりに唸りました。。話の中盤から「ほほー」→「はっ、なるほど」→「あ、そうかっ!」と来て終いには「良く出来てるなー」と感心しまくりました。12の物語からなる短編集ですが「嘘は罪」を読み終わった時点で久々にヒット作に出会い取り敢えず書いてしまいました。その他では「仮橋」も良かったと思います。
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「嘘は罪」というタイトル通り、嘘&浮気がテーマの短編集。
最初の「夏の最後の薔薇」が良かったです!
こういう感じ好きですね~。
全体的に「女は怖い」って感じのものが多いです。
後味も悪目かな?
嘘の応酬で「これは嘘で、あれも嘘。それも嘘??もう何が何やら!」ってなるほど嘘に嘘が重ねられているお話もあったりして、面白いです。
どれも、どんでん返しが鮮やかです。
ただ、テーマが浮気・不倫なので、不倫話を続けて12編も読むとちょっとお腹いっぱいです・・・
テーマと言い、作中に流れる雰囲気と言い、大人の恋愛ミステリーって感じでしょうか。
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以前に読んだ「恋文」が印象的だったので再び手に取ってみた次第。
この本は、嘘をテーマにしながら、人間の内面、いいかえれば自分自身でさえ気づかないような裏の部分を描き出した作品といえるのではないでしょうか。
全体としては、人物間の駆け引き、そして、読んでいて「そうだったのか」と驚くようなトリックが仕掛けられている印象を受けました。これは「恋文」とも共通することですね。
ただし正直に言えば、「嘘は罪」の方は読み終わってもしばらくはモヤモヤしていました。僕などは「この人たち、こんなに嘘を張り巡らせながら生きていて楽しいのかなあ」などと思ってしまうわけです。お子様。
けれど、人は自分の知らないうちに自分に嘘をついているということもあって、そんな人間の難しさを考えさせられたような気もします。
よく分からなかったのは「鍵孔の光」と「仮橋」。特に後者は、最後の手紙がいかにも気取っているように思えてしまいました。切ない話の最後が台無しだとさえ思いました。ただし、これはあくまで個人的な印象。
さておき、一方で気に入ったのは「夏の最後の薔薇」と「くずれた鍵」。この2つの話も決して明るい訳ではないのですが、さわやかな読後感があると思います。
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以前から連城作品は好きで、何作品も読んでいるが、
つい先日、残念なことにご逝去されたのをきっかけに、
久々に読みたくなって購入。
12編の短編集で、一つ一つは独立した物語ではあるが、
12編のタイトルが、しりとり形式で繋がっていて、
最後は頭に戻るという心憎い演出が成されている。
全て不倫がテーマなので、好き嫌いは分かれるでしょうが、
どの男女の心理戦も、恐ろしくも面白かった。
ミステリアスなタッチにドキドキ出来た。
面白かったのに評価が★3つの理由は、
不倫ばかりで食傷気味になったから。(笑)
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からみあう愛と憎悪、そしてあなたもだまされてしまう。
予期せぬ結末が待つ12の物語。
■夏の最後の薔薇(1997.1)
■薔薇色の噓(1997.4)
■噓は罪(1997.6)
■罪な夫婦(1997.10)
■夫婦未満(1997.12)
■満天の星(1998.2)
■星くず(1998.11)
■くずれた鍵(1999.1)
■鍵孔の光(1999.3)
■仮橋(1996.9)
■走り雨(1999.11)
■雨だれを弾く夏(2000.8)
12編すべてが「浮気」をテーマに男女の様々な人間関係を描いている。
印象に残った作品は『噓は罪』だろうか。
三人称と一人称と織り交ぜながら、ラスト3ページは急転直下の結末に、一人取り残された女の虚ろな様子を描いてみせる。
ただやはりテーマを決めてしまう部分の弊害というか、1日1編と決めて読んだものの何かしら「飽き」の感覚を覚えてしまうのも事実だった。
ミステリ :☆☆☆☆
ストーリー :☆☆☆
人物 :☆☆☆
文章 :☆☆☆
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一編20頁ほどの短編。タイトルがしりとりになっている。(「薔薇色の嘘」→「嘘は罪」みたいに。)何れもほんの少しの擦れ違いから別々の道を歩むことになった男女のついての短編なんだけど、よくいう、女ってよくわからん、のわからんを素敵に解説してくれているような作品ばかり。怨念を募らせて惨酷な行為に至るというのはある意味で正常で、なんというかじっと押し黙って普通にしていて、何かが起こりそうでやっぱり起こらない、みたいな、そういう土壌では何が醸成されていくのだろうと思ったり。色気のある短編集でした。
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「浮気」がテーマの短編集。男と女の騙し合い。第1話はちょっと面白かったけれど、だんだん飽きてきてしまった。浮気の原因なんてだいたい一緒。そこにちょっとしたトリックがあったところで、ええ!びっくり!ってすることもない。奥行きがないんだな。ミステリーとは言いづらいな。物騒だけれど殺人など犯罪が絡んだ方が、読みものとしてはぐっと面白くなる。ハラハラドキドキもあるし。浮気がばれる、ばれないなんて瑣末すぎちゃって。各話のタイトルがしりとりになっているのはお洒落。軽く書いたのかなー連城さん。やっぱ花葬シリーズが一番。