紙の本
あり得ない世界を、とてもリアルに理詰めで描く三崎亜記の世界。
2022/06/26 06:21
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投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
あり得ない世界を、とてもリアルに理詰めで描く三崎亜記の世界。
ストーリーを描くことすら難しいが、異世界への旅に出た気分にさせてくれる。
紙の本
特殊能力者も大変です。
2015/12/26 20:59
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「表出」能力を持ってる柚月さん再登場です。
『廃墟建築士』に入ってる図書館の話に出てきます。動物園の話だったっけ?
その時ひと悶着あった奴も登場します。
動物を「表出」するためにはその動物の細部まで研究して覚えていなかればならないみたいです。
特殊能力者も大変です。
紙の本
作品世界の設定に疑問が湧いてしまう。
2015/09/23 16:26
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投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作者の、現実にはない変わったものや事実を設定し、それを軸にして話を進めるやり方は、はまるとおもしろいが外れるとさっぱりだ。今作では、動物を表出させる能力というのがメインテーマになっているが、この能力というのがよくわからない。一応どんなものかは読んでいればわかるが、この能力を設定した意味は?と考えるとよくわからない。奇想には、現実にないものだからこそ「なぜ」を感じさせる余地を与えないほどの説得力が必要だと思うが、この作品にはそれが欠けていた。
ただ、独特の雰囲気はやはりある。内容にはついていけなかったが、雰囲気を全否定することはできない。
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タイトル+新刊に惹かれて初めての作家さんに挑戦してみました。
超能力的な力「表出」を生まれ持った主人公が、同じような力を持つ者がその力を使って働いている会社に勤めながら孤独な生活を送っている。その会社の社長との関係、「表出者」と世界、またその国の情勢、ライバル会社、、、など色々なコトに巻き込まれながら、自分を振り返り、大切な人を支え続ける。
「表出」という力はイメージした物を現実世界に召喚するといった力。動物が多いみたいだけど。こういう話、慣れてないからか久々だったからかイメージしずらくてちょっと大変だった。「表出」「具現化」「天蓋」・・・空想の超能力の専門用語がバンバン出てくるからわかりにくいし、その言葉でイメージしやすいような、、、しにくいような、、、。。しかも、表出する動物も空想の動物とかもいて・・・なんとなーく、こんな感じかなー、みたいな感じでのイメージしながら読んでました。政治的なコトも関わってくるから難しくなる時もあるし、、、。
主人公の気持ちを考えてみても、わかるようなちょっと理解できないような、、、おもしろかったけど、イマイチつかみどころに困るお話だった。
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日本に似た国の、日本ではない国を描く三崎亜記の新刊、イメージを可視化する能力を持つ「表出者」の葛藤と戦いの中編二編を収めた。
「研究所」
この国の表出者の仕事と言えば、動物園で希少動物の展示を「表出」によって行うことくらいだ。すなわち、実際の動物ではなく表出者のイメージを観客に見せている。
日野原柚月は表出者の派遣会社の一社員だ。会社の社長は表出者の会合の代表者を務める。
その関係から表出者の能力向上のための新研究所に関わることになった柚月だが、その裏では非常に危険な実験が行われていた。
新研究所の披露会、その日に事件は起きた。
「遊園地」
あの事件から12年後、柚月は表出者のたくや君とコンビになり動物園での表出を続けていた。
事件以降、表出能力の使用には大幅な制限が課されるようになった。
しかし、かつてこの国が戦争をした相手、同盟国はこの国の表出者の扱いに対して圧力をかけるようになった。
いわく、表出者の国家管理が必要だと。
休日、柚月とたくや君は二人で遊園地にきたが、そこでたくや君が表出波をとらえた。誰かが僕を読んでいる、と。
久々の三崎亜記。文字を読んで頭の中でイメージを掴めないと全く面白みを感じないと思う作者筆頭。
後半の叙述トリックがずるいなぁ、そうきたかよ、と思う。
前編でのラストが提示されないまま、12年後の後篇が始まる。ただ、前編のその後はすべて開示されるのでご安心を。
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動物のイメージをあやつる異能力者の日野原柚月は、ある日、出来たばかりの新研究所を警備する業務を任される。しかしそこには、異能力者のパワーを増幅する禁断の存在が隠されていて…。『小説すばる』掲載を単行本化。
記憶を亡くした社長が禁止されている並列表出の実体と対決
少女の頃から面倒を見ていた表出者が助けてにきたので内部を抉られすに助かる。
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動物のイメージをあやつる異能力者の日野原柚月は、ある日、出来たばかりの新研究所を警備する業務を任される。しかしそこには、異能力者のパワーを増幅する禁断の存在が隠されていて…。
初期の短編集「バスジャック」に収録の「動物園」の続編で、確か「廃墟建築士」にも続編があった。ただ三崎亜記の作品に時々感じるけれど、彼が作った世界のルールについていけなくなるとキツい。本作がまさにそうだった。短編には適していた世界観が中篇になって拡がりすぎたためだろうか?
(D)
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+++
動物のイメージをあやつる異能力者の日野原柚月は、同じ能力を持つ者たちが所属する会社に勤めて早10年。孤独ながら安定した日々を送っていた。そんなある日、出来たばかりの新研究所を警備する業務を任される。しかしそこには異能力者のパワーを増幅する禁断の存在が隠されていて…。近くて遠い並行世界を描き出す2つの中編を収録。
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『廃虚建築士』の中の『図書館』の流れを汲む表出者たちの物語である。冒頭には、実在しないものをあたかもそこに在るように表出させ、思い通りに操る能力の持ち主である表出者の日々の仕事がなんでもないことのように淡々と描かれているが、すでにそこからにして不思議世界である。ここで撥ねつけてしまったら三崎作品は先へ進めない。柚月たち表出者たちがそうやって日々の仕事をこなしている裏では、秘密裏に胡乱な計画が進められている。その一端が垣間見られた時、柚月たちは命さえかけて守ろうとするものがあるのだった。異能の持ち主であるということと、さまざまな感情を持つ普通の人間であることの狭間で、それでも仕事としての表出で自らの内側を削りながら生きなければならないというジレンマ。現実とは違う世界でありながら、それはとてもよく理解できることでもあるのだ。痛みを伴いつつも甘やかな一冊である。
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連作中編2編
「研究所」「遊園地」
動物を表出させるマニュアルなどいかにも科学的でありそうな風で、手堅く一つの世界を作り出している。この独特の世界は、三崎ワールドの面目躍如だ。だけど私は、この本の人間同士の不器用なそれでいてお互いを大切にする関係性、距離感に惹かれる。社長、卓也と柚月の幸せを祈りたい。
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表出という能力を持つ一部の人間による国家や企業をからめた攻防。
能力の説明が細かくて、さらに次々と新たな能力がでてきて説明があり…という繰り返しは読んでいて疲れる。
困難な状況になると都合の良い能力がでてくるなぁ…という印象。
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「表出」という異能を持つ人々がいて、それは自己の持つイメージを可視化できるということ。普段は動物園で調子の悪い動物の代わりにそのイメージをお客さんに見せて楽しんでもらう、というほのぼの系? でも、その割になんか殺伐とした空気が漂ってない? という派遣社員的な導入なのだけれど、その背景には国家の思惑が絡み、どんどん話が大きくなっていく。
異能を持つがゆえの苦しみや家族との葛藤、またその能力の個人差があったりもして、元々好きな三崎さんではあるし、面白く読んだのは確かながら、なんていうか、表出に関する“三崎さんルール”が多すぎる気がしたのは私の頭が大雑把だから??
前二作は短編だったので、それを膨らませて中編にしたのは創作過程としてよくわかるものの、今回もまた短編の方がよかったんじゃないかなぁ、なんてゴメンなさい! なんだけど。
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図書館。なんだか記憶にあるエピソードが入ってるなあと思っていたら、『廃墟建築士』の「図書館」や『バスジャック』の「動物園」の日野原柚月の物語。『海に沈んだ町』の「遊園地の幽霊」はのイメージも若干入ってる?とにかく三崎さんの小説はどこからその設定を思いつくのかと驚嘆することしきり。ぶっ飛び過ぎず、ギリギリついていける絶妙に現実離れしたところが好き。いつものように社会的な視点もあったが、大きな愛の物語になっているとは。三崎さんががっつり愛を描いたことに驚き。微笑ましいラストでした。
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読者の理解はおかまいなしで、表出なんていう自分の想像の世界に引きずり込んでくれる。なるほど、『研究所』のゆみちゃん、『遊園地』のたくや君は、各話でそのように連結しているんだね。とにかく、著者の創造する仕組みを理解するのに懸命で、国家的な陰謀、異能力者の悲哀といった物語の核を受け止めきれずに読み終わってしまった。感性が合わぬらしい。
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イメージした動物を実体化させる「表出者」のお話。「表出」についての設定が凝りすぎていて説明が多い。そして説明が難しい。
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う〜ん。既読ではないんだが、思い出せないが似たような設定のストーリーを読んだことあるかも?と思わせる内容(¯―¯٥)
よくあるパターンで力がなくなって幸せになりました、メデタシメデタシっぽい内容はちょっと芸がないなあ。