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ファウスト(二)(新潮文庫)
追求の精神の権化ファウストは、行為の人として“大きな世界”での遍歴に入る。享楽と頽廃の宮廷から冥府に下った彼は美の象徴ヘレネーを得るが、美はたちまち消滅してしまう。種々の...
ファウスト(二)(新潮文庫)
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ファウスト 改版 2 (新潮文庫)
商品説明
追求の精神の権化ファウストは、行為の人として“大きな世界”での遍歴に入る。享楽と頽廃の宮廷から冥府に下った彼は美の象徴ヘレネーを得るが、美はたちまち消滅してしまう。種々の体験を経た後、ついに彼は、たゆまぬ努力と熱意によって、人間の真の生き方への解答を見いだし、メフィストーフェレスの手をのがれて、天上高く昇る。文豪ゲーテが、その思想を傾けつくした大作の完結編。
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紙の本
重い作品
2015/11/14 20:41
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けy - この投稿者のレビュー一覧を見る
一巻は分かりやすい悲劇だったが、こちらはとても分かりにくい。しかし、物語としては簡単だ。
いくつもの悲劇に見舞われたファウストが、幸福な時が訪れることを予感し、その瞬間に最高の幸せを感じる。最後には愛したグレートヒェンのおかげで魂が救われる。
簡単な物語が詩(特にワルプルギスの夜)のおかげでものすごく分かりにくくなっている。しかし、秘すれば花という言葉があるように、めちゃくちゃ分かりにくい中から見つけ出すことにも価値があると思う。ファウストさんも自分で手に入れるからこそ価値があるといっていることだし。
何よりゲーテが今際の際までかかって完成させた作品であることがこの作品の価値と説得力を高めている。最終章では年をとったファウストが自分の胸の内をさらけ出すが、これはゲーテの考えとぴったり一致しているのだと思う。
そんな重い想いが詰まった作品だった。
紙の本
広大な旅
2020/07/06 18:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:芋栗 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ファウストと共にギリシャ神話にまで旅をしたような読書体験でした。ファウストは地位や名誉を得ても満足を得られず、最後の人の為に尽くすことが幸せなのかと感じました。
紙の本
分かりづらい
2020/05/28 12:05
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のび太君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1巻に比べて分かりづらい。政治についての表現などがあるが、結局は1巻に登場したグレートヒェンとの物語が中心となっている。
紙の本
個人の悲劇から社会の悲劇へ
2011/08/15 22:37
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
グレートヒェンの死に嘆き悲しんだファウストは、その悲しみを乗り越え新たな世界に目を向ける。メフィストーフェレスの手引きにより宮廷へと入り込んだファウストは、架空の財を裏づけとした紙幣を発行し、古代の英雄・美女たちを呼び出して、この世の享楽を実現させる。
そして、ファウスト自身は、トロイア戦争の原因となった美女ヘレネーに一目惚れをし、彼女を追って、混沌の彼方、根の国へも出かけていくのだ。そしてついに、戦いの果てにヘレネーを自分のものとし、一子をもうけるものの、それはヘレネーと共に消え去ってしまう。
この世の享楽に狂った国は乱れ、反逆皇帝との間で戦争が起きる。ファウストは皇帝の軍に加担し、メフィストーフェレスの力を利用して勝利に導き、自らの領地を手に入れる。そしてそこに、自分の理想とする国を作ろうというのだ。
しかしその試みは、メフィストーフェレスの性質とは相反するものであり、現実は彼の理想とは異なる方向へと加速していく。その憂いから盲目となったファウストは、本来の自分が目指すもの、刹那の積み重ねである地上に永遠を残そうとする精神と、それを実現するシステムを取り戻し、そして死の言葉を口にするのだった。「とまれ、お前はいかにも美しい」と。
第一幕にある道化とメフィストーフェレスが紙幣の価値について話す部分が第二部の結論みたいなもので、そこに至るまでにファウストが彷徨う過程を描いている気がする。思索するだけではなく、それを現実にすることが重要なのだろう。
その真理に至ったため、ファウストの魂は悪魔の手を逃れ、天使に導かれてグレートヒェンと再会する。永遠への努力は、永遠へと至ったのだった。