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  • カテゴリ:一般
  • 販売開始日: 2016/04/22
  • 出版社: 新潮社
  • レーベル: 新潮文庫
  • ISBN:978-4-10-210004-2

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老人と海(新潮文庫)

著者 ヘミングウェイ , 福田恆存/訳

キューバの老漁夫サンチャゴは、長い不漁にもめげず、小舟に乗り、たった一人で出漁する。残りわずかな餌に想像を絶する巨大なカジキマグロがかかった。4日にわたる死闘ののち老人は...

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老人と海(新潮文庫)

税込 473 4pt

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老人と海 改版 (新潮文庫)

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商品説明

キューバの老漁夫サンチャゴは、長い不漁にもめげず、小舟に乗り、たった一人で出漁する。残りわずかな餌に想像を絶する巨大なカジキマグロがかかった。4日にわたる死闘ののち老人は勝ったが、帰途サメに襲われ、舟にくくりつけた獲物はみるみる食いちぎられてゆく……。徹底した外面描写を用い、大魚を相手に雄々しく闘う老人の姿を通して自然の厳粛さと人間の勇気を謳う名作。

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みんなのレビュー563件

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評価内訳

紙の本

自然のすごさ

2015/08/22 18:35

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:supermikan - この投稿者のレビュー一覧を見る

老人と海を友人が読んだことを知り、手に取りました。
読んだ後しばらくは、瞼に浮かぶ映像が離れずにいました。
自然と共に生きることに対して考えさせられました。

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紙の本

私にはわからない…。

2002/07/03 20:11

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:某亜 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 アメリカ文学の代表と称され、若者に読ませたい本の上位にも食い込む名著ですが、残念ながら私にはこの本から何かを感じ取ることはできませんでした。私に感受性や経験が少ないからでしょう。これを読んで「?」と思った皆さん。安心してください。あなただけではありません。あなたの心を打つ本は他にいくらでもあります。それがあなたにとっての「名著」。それでいいではありませんか(自分に言い聞かせてる)。

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紙の本

経済学部は,どうしてもそれからの生活の可能性に思いを致してしまうのである。

2006/12/03 04:17

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:BCKT - この投稿者のレビュー一覧を見る

 Ernest HEMINGWAY(1899-1961)は言わずと知れた米国のノーベル文学賞受賞作家(本書(29年作者30歳)にて54年,作者55歳)。スペイン内戦に参加して作品のネタにしている(『誰がために鐘は鳴る』と『武器よさらば』)。これがまたハリウッド映画のネタともなった。ハードボイルド文学の原点ともされているらしい。キューバに住みキューバをこよなく愛したが,カストロ政権に追い出された。釣りとかも好きだったみたい。猟銃で自殺したとされる。
 本書は,老人が出漁して大物を釣るが,帰路,その大物をサメに食われて苦労するという話。なんてことはない。訳者の福田は,自分の苦痛を他人事のように振舞う老人サンチャゴの姿に「一種のストイシズム」を見出している。ヘミングウェイの立場について,本作以前は,「人生は強い者勝ち,負けるのは最大の悪徳だ」という立場で「否定のあとに空けられた空洞を,もっぱら肉体的情念で埋めていた」のが,それを本書では,「たとえ自分は悪人でも,自分の情念を誰も認めなくても,自分はなんとしてでも生きてみせる」という「積極的」「肯定」という方向に「転換」していると言っている。Highも「戦いにおける勇気と敗北における禁欲」を見出している(_An Outline of American Literature_、 1986、 p.130)。
 しかし,冷たく言い放ってしまうと,本作は,世間から外れもの(制外者)になってしまったどうしようもない老人の惨めな話ではないだろうか? 「老人はライオンの夢を見ていた」(116頁)で本書は終わるが,この「ライオン」に勇気や(百獣の)王の象徴を読みとれば福田やHighの読解も妥当性を得ようが,所詮「夢」のなかで見る「勇気」や「王」は,無力な敗北者の憧れ(妄想?)に過ぎないとは言えないだろうか? ヘミングウェイは,作中でこの老人を殺さなかった。逆に言うと,この老人はこれからも無力な制外者として生きていかねばならないのだ。妻の存在もよくわからない,孤独な老人にどんなヒロイズムがあるのだろうか? どこに彼の希望があるのだろうか? リストラされて妻から離婚されて,それでも生きていかざるをえないしょぼくれ高齢労働者にどんな未来を見出せというのだ?!
 敢えてだが,文学的無知(文痴)を省みず,福田のような超弩級の翻訳者・研究者の権威に逆らってみた。文学部はそれでいいのだ。カッコいいヒロイズム。そこで立ち止まってよい。しかし,経済学部は,どうしてもそれからの生活の可能性に思いを致してしまうのである。
 訳者(1912-94年)は東京帝大英文科卒。平和論への批判など保守派の論客として,またシェイクスピアの翻訳で知られる偉〜い人。(1059字)

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紙の本

堀口の解説は面白い

2002/07/21 15:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:白井道也 - この投稿者のレビュー一覧を見る

(表4より)キューバの老漁夫サンチャゴは、長い不漁にもめげず、小舟に乗り、たった一人で出漁する。残りわずかな餌に想像を絶する巨大なカジキマグロがかかった。四日にわたる死闘ののち老人は勝ったが、帰途サメに襲われ、舟にくくりつけた獲物はみるみる食いちぎられてゆく……。

そういう話だったのか、と、これを読んで初めてわかった。ヘミングウェイはなにを書きたかったのだろうかと考えながら読んだけど、「大魚を相手に雄々しく闘う老人の姿を通して自然の厳粛さと人間の勇気を謳う」(表4より)とは読めなかった。

ただ、訳者・堀口大学の解説——自分はヨーロッパ文学に比べてアメリカ文学には興味を覚えなかったが、この『老人と海』は面白く読めたというもの——は、ヨーロッパ文学とアメリカ文学の違いを“時間”と“空間”という点から解き明かしており、面白い。

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紙の本

孤独を知るとき

2004/03/21 03:41

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:無風 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 他者とのつながりは不可避である。自分を知る者が、世界のどこかに必ず存在するからだ。だから、他者とのつながりなど、普段は意識しない。この意味では、自分が「孤独ではない」ことも意識していない。

 「孤独」は、一人になってみるまでわからない。否、それでもまだ不十分だ。老人のように、果てしない大海で、舟の上に身を委ね、命を賭けてみないと、わからないのかもしれない。「死」を連想してみないと、わからないのかもしれない。

 死に触れること、これが「つながり」の断絶、則ち「孤独」を感じる瞬間だとすると、人間が真先にとる行動は、「絆」を求めることである。絆ならば「何でも」構いはしない。それがたとえ、「命の取り合いをする相手」であっても。老人は「憎むべき相手」にまで、友情を見い出そうとする(七十頁——『いまはひとりだ。陸地も見えぬところで、かれは生れてはじめて見る大魚に、話に聞いたこともない大きな魚に、じっと食いさがっているのだ。しかも左手は依然として、鷲の爪のように硬くひきつっている。だがきっと癒ってくれるだろう。そして右手を助けてくれるだろう。そうだ三つは兄弟だ、魚とおれの両手とは。……』)。求める絆が「存在すれば」、その時点で既に「孤独ではない」はず。だから求める。すぐそこにあるから求める。これは普段私たちが「生への執着」と呼ぶものである。

 「生への執着」を醜いと評する人もいる。必死だからだ。何故、絆を求めることに必死になるのか。「つながり」は自然に発生する。けれど、「絆」は自然に発生しない。自分で求めるしかない。存在しないならば探し求める。当然の原理だ。老人は醜態を晒したかもしれない。けれど、彼を否定する気になれただろうか。

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紙の本

切なさが募る。

2019/11/12 16:05

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:しろもふ - この投稿者のレビュー一覧を見る

切ない。

死ぬ思いで乗り越え、死ぬ思いで手に入れたものなのに、目の前で壊されてゆく。
それが辛くて、申し訳なくて、こんなにも辛いのなら初めから無ければ良かったと思う。
乗り越えるべきじゃ無かったと思う。

必死に掴んだ光が眩しすぎて、今まで以上に影が暗く、重くなるのと同じだ。

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紙の本

さすがヘミングウェイ

2018/05/06 02:18

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まさお - この投稿者のレビュー一覧を見る

原書もあわせて読みましたが、こなれた翻訳だと思います。
内容の9割が小さな船の上での老人の独り言。
そこに熟練の漁師の世界観が現われる。
その姿は一生懸命に仕事に打ち込む人々に共通するものである。
ヘミングウェイトならではの簡潔な文体で綴られる。
「かもめのジョナサン」にもどこか似た雰囲気が感じられるのは私だけだろうか。

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紙の本

背筋の伸びた文章

2016/05/29 11:54

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:更夜 - この投稿者のレビュー一覧を見る

余計な寄り道描写、感傷的な物の見方、冗長な台詞などを一切排した太くて大きな柱が一本、のような小説。
短いながらも、「背景を背負わない」老人がひとり大きなカジキマグロと対峙する様を描きます。
老人の乗る小舟にクローズアップしていて迫力があります。
作家のその背筋には棒が一本入っているかのような、姿勢の良さが際立つ文章です。
学生時代にヘミングウェイは男性を描く作家と習った事があって、余計な恋愛もありません。
出漁する前と後での少年とのやりとりが、さりげなくてとても暖かいものを感じます。

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紙の本

自然と人間の対峙

2015/08/30 12:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Otto - この投稿者のレビュー一覧を見る

決して大部な作品ではありません。
しかし凝縮された物語の中で、自然と対峙する
老人の姿に惹きつけられ、心動かされます。

虚無感と達成感のないまぜとなった読後感は。
他の作品では味わえない奥深さです。

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紙の本

孤独という海で戦いながらも

2015/03/26 17:03

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:september - この投稿者のレビュー一覧を見る

「もうこれが最後の戦い」覚悟を決めカジキとの死闘を繰り広げるサンチャゴ。やっとのおもいで捕らえ帰路につくも、次々と襲いかかってくるサメ。 孤独という海で戦いながらも、老人は少年をことあるごとに思い出し港を目指す。

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紙の本

現実からの逃避本

2001/08/26 00:05

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:浅倉南 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 いつもこの本を読み返す時、2つ理由がある。1つは現実の狭い世界から逃げ出したいとき。想像しながら膨大に広がる本の中の『海』へ逃げる。2つ目は現実に物足りなくなった時。サンチャゴと巨大カジキマグロとの死闘に現実を忘れる。眠っている冒険心が揺り起こされます。
 この本のスゴイところは、なんといっても状況描写です。まるで、すぐそこで死闘の漁が行なわれてるかのような錯覚を覚えます。普段 接することのできない海の上の漁はこんなにもスゴイことなんだ、こんなにも恐くて興味があるものなのだ、と教えられました。
 繰り返される毎日に心がカスカスになったときにこの本を読むと、「よし!何かやろ!」と奮起させてくれる気がします。 




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紙の本

老人と海

2001/02/17 17:06

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:55555 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 カジキマグロとの死闘。肉体と精神の限界。孤独。後悔。不安。焦り。
 やっと、捕まえたカジキマグロはサメに食われていく。航海のあとに残ったのはカジキマグロの残骸だけ。いままでの苦労はいったいなんだったのか?
 どこかしら人生に似てはいないだろうか。
 乾いたような文体で書かれ何処かむなしさが残るような作品です。

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紙の本

単純な話と簡単な話とは 似ていて非なること

2008/01/06 20:13

13人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くにたち蟄居日記 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この作品の筋は実に単純だ。老漁師が一人でカジキを釣り上げるが 帰港の間に魚をサメに食べられてしまう。それだけだ。

 「単純」な話と「簡単」な話は似ていて非なるものだ。この作品が その良い例だと思う。

 この話は漁師の「敗北」を描いているのか、「勝利」を描いているのか。それすらはっきりと断言できない。それほど 難しい話なのである。

 カジキを持って帰れなかったという筋だけを見ると「敗北」の話だ。但し 老人はカジキを釣り上げた点を見ると これは紛れも無く「勝利」と言える。特に 老人は 既に漁師としての盛りを過ぎたと言われていた環境を考えると「大勝利」であると言ってよいと思う。

 但し、と思う。

 但し この話は やはり「敗北」の話なのではないか。そう読む方が 味わいにぐっとコクが出てくるような気がしてならない。

 「敗北」には ある種の甘美さがつきまとう。負けっぷりの良さ という言葉もあるが 僕らは どこか敗北の中に美を見る部分があると思う。「老人と海」という シンプルな話が美しく煌くとしたら その漁師の敗北の美学ではないだろうか。

 繰り返すが この話は単純で 難しい話なのだ。色々な読み方が出来る。そんな本は余り多くない。

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紙の本

夏休み不良少年読書日記8月2日

2004/08/01 22:59

8人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:脇博道 - この投稿者のレビュー一覧を見る

ぼくのおとうさんは高校生のとき、夏休みにこの本を読んで読書感想文
として提出したら全国なんとかコンクールで佳作をもらったそうです。
めずらしくぼくにそのはなしををしたあとで読んでみなさいといった
ので、読みました。おとうさんはどんな感想文を書いたのか聞いたら
もう遠い遠い昔のことでおぼえていないといいました。そしてたとえ
おぼえていたとしても読むまえに話さないほうがいいだろうとも言い
ました。それっておとうさんが、いつもいっている一冊の本を読んだ
人が百人いたら百通りのかんじかたがあるのだから、ということなの
かなーと思いました。老人はひとりで何日も何日もさかなを待ちます。
とても孤独です。ひとりぼっちです。でもぼくはこの老人となにかが
きっとつながっていてけっしてひとりぼっちじゃないんだと強く感じ
ました。強いこころをもったひとだなーとも感じました。海は無限に
ひろがっています。こわいくらいです。ぼくも舟に乗ったことがある
のですが、自分がいまどこにいるのかわからない気がしてとてもこわ
かったです。でもこの老人はひろいひろい海のまんなかで、いま自分
がどこにいてなにをしようとしているのかはっきりとわかっていると
ころがすごいと思いました。最後のほうはあんまりハッピーエンドで
はありません。でもこれでいいのだと思いました。理由はありません。
ただそうかんじただけです。この本を読んで、すこしおとなに近づいた
気分になりました。いっぱいひとがいてみんなちがうことを考えていて
孤独で悲しいけれど、どこかでつながっているような気もしたし、つな
がっていなくても自分はこころを強くもつことがひつような、そんな
感じです。この本を読んでいたときは、不良になることはぜんぜんわす
れていました。おとうさんにこんな感じの感想をはなしたら、すこし
笑ってくれたのでぼくはとてもうれしかったです。夏休みのあいだに
もういちど読んでみようかなと思いました。ヘミングウェイというひと
のちがう本も読もうかなっていったら、別に読んでもいいけれどほかの
はもうすこしむずかしいかもしれないぞって言われました。いま迷って
いるところです。

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紙の本

ボヴァリー夫人は私だ、サンチャゴ老人も私だ

2010/02/22 08:59

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:風紋 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 メキシコ湾流の流れる海の漁師、サンチャゴ老人は84日間一匹も釣れない日々が続いていた。最初の40日間はマノーリン少年が同行していたが、両親は老人に見切りをつけ、少年を別の舟に乗りこませた。
 不漁85日目の正午の頃、ついに大魚が餌にかかった。老人の舟よりも2フィートは長い。体重は1,500ポンドを超える。老人との闘いがはじまった。一日たったが、マカジキはへばらない。老人の闘いは、自分の肉体の限界との闘いともなった。海へ乗りだしてから三度目の太陽が昇った。ついに仕とめ、舟の脇にくくりつけた。老人は疲労困憊していたが、意気は高かった。あとは家路につくのみ。
 好事魔多し。新たな敵が出現した。苦闘の果てに得た獲物を横からかっさらおうとする盗人、鮫である。「いま、老人の頭は澄みきっていた。全身に決意がみなぎっている。が、希望はほとんど持っていなかった」
 死にもの狂いで防ぐ。銛で一匹屠った。オールに付けたナイフで、また一匹たおした。だが、鮫は次から次に際限もなく、執拗に襲いかかってくる。午後10時頃、ハバナの灯が見えた。老人の手に武器は残っていなかったが、襲撃はまだ続く。夜中を過ぎて、舟は小さな港に着いた・・・・。

 日本近海にイワシが減少し、世界的にマグロが絶滅危機に面している。不漁に直面する老人の嘆きは世界各国の漁民の嘆きでもある。ここに本書の普遍性がある。
 しかし、老人の属性を漁師に限定しなくともよい。本書には、固有名詞がほとんど出てこない。主人公も終始老人と呼ばれるのみで、その名サンチャゴは付け足しのように二度ほど記されるにすぎない。老人が住まう土地の名すら、定かではない。主人公の所属が具体的でない反面、その行動は即物的であり、目にあざやかに見えるようだ。ここから、事が漁業にとどまらない広がり、ふくらみ、象徴性が生じる。
 たとえば、老人をヘミングウェイ、マカジキをヘミングウェイの作品、鮫を批評家と見立てる。老人(ヘミングウェイ)が釣り上げた獲物(作品)を、寄ってたかって鮫(批評家)が喰い荒らすのだ。
 あるいは、読者は読者で、自分の体験と照合させることができる。老人に味方しない海、すなわち自分の志に味方しない状況、そこに生じる孤独感と無力感・・・・誰しも人生の一時期にこうした体験があるのではないか。本書を読みながら、雄々しく闘いつづける老人を自分に重ね合わせることもできるだろうし、あるいは闘いたかった思いを老人に仮託することもできる。
 本書は、ある状況を細かく描くことによって別の状況を想起させる、という点で、アルベール・カミュ『ペスト』や大岡昇平『俘虜記』に通じる。

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