女流棋士とは、才能とは
2016/10/30 21:35
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投稿者:あかみにとまと - この投稿者のレビュー一覧を見る
3月のライオンを読んでいるが、女流棋士と棋士は全く別なものであることが知識としてわかる。
それよりも自分と他人の才能の差を見せつけられながらも、『将棋が好きだから』という純粋な気持ちで将棋盤に向かう登場人物たちの熱い気持ちに心動かされる。
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投稿者:黄龍 - この投稿者のレビュー一覧を見る
とにかく熱い。八一は、宿敵《両刀使い》に三度敗れ、更なる進化を目指して《捌きの巨匠》に教えを乞い、名人の対する「憧れ」が八一の成長の糧になる。あいは自分が勝つことで大切な人を傷つけてしまうと知り、 勝利することに怯えの壁にぶち当たりるが、桂香さんとの対局で成長。桂香さんは年齢制限ギリギリの壁が迫り、焦る。勝負の世界はとてもシビア。でも、二人のあいと対局して、大好きな将棋への熱い思いは誰にも負けないって吹っ切れて良かった。それぞれのキャラの将棋に対する熱い思いが伝わってきた。不可能を可能にする八一は将棋星人
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投稿者:ベガス - この投稿者のレビュー一覧を見る
今巻では、八一君・あいちゃん・桂香さんが、自分の殻を破り、精神的に逞しくなる話です。八一君が、プロ初戦以降苦手意識を持っている相手と再戦するため、棋風を改善したり、あいちゃんが勝負師として避けられない勝敗の痛みに直面したり、桂香さんが大スランプを抱え悩んだりします。
どのエピソードも面白かったですが、特に印象的だったのは、桂香さんの話です。
作中で、誰よりも将棋の才能に恵まれない(失礼ですが)彼女が、将棋や清滝一門に対して何を思ってきたのか、しっかり伝わってきました。個人的に好きなキャラでは無かったし、モノローグでの自虐は鬱陶しいとすら感じましたが、彼女が壁を越えて吹っ切れた所まで読んで、僕は泣きました。
白鳥先生ご自身が、「これが書きたい、と心の底から思って書いた作品」と語る『りゅうおうのおしごと』。お勧めです!
熱い、ただひたすら熱い!
2016/05/15 15:39
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投稿者:nawade - この投稿者のレビュー一覧を見る
勝負の世界の非情さを描いた第3巻。
勝敗の読めないシチュエーションを如何に作るかが作家の腕の見せ所であるし、話を盛り上げる上で大事な要素であるが、この巻ではそれが上手く構成されていた。
作者が渾身の想いを込めて描いた巻であっただけに名言が連続炸裂してて、何箇所かで心が震えた。この物語の言葉を借りるのであれば、熱い、ただひたすら熱い!
肩こりと腰痛には悩まされているので、自分も命の重さを体感したい。
姉弟子はもう少し報われてもいいと思う。
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1、2巻と同じように将棋の魅力を、厳しさを正面から見据える内容で良かったです。
私も振り飛車党員ですが、「捌き」という概念の描写にはうなりました。中飛車、最高です!
そしてプロローグの「二十歳のわたしへ」の手紙、書いたキャラクターが明かされ、その師匠とのやりとりは感動的でした。
才能より、努力よりもっと大切なものは「憧れ」と著者は提示してます。正解かどうかではなく、それは著者の願いなのかもしれないと。
あとがきで著者は宣言してます、剥き出しの魂をぶつけることで、読む人の心を揺らしたいと。揺らして頂くこと期待して次巻を楽しみに待つことにします。
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お話は面白いのだけれど、萌えな挿絵が少し恥ずかしいので、何とかして欲しい本。駒落ちのために振り飛車挿せ、と書いてあって、そーかそーだよなー、と納得。
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難波熱血将棋物語3巻。
天才達が活躍する1~2巻も読み応えがあったが、才能のない者、追い詰められた者として苦しむ桂香さんが主人公の今巻は本当に、言葉にならない。研究しても研究しても伸びない勝率。焦り。年齢制限。優しさが枷になることもある。どれだけ頑張っても圧倒的な才能の前には心が折れるしかない。天才に心を折られることもある。
姉弟子でさえ自身を卑下するとは、八一の才能はどれだけのものなんだ。その姉弟子にさえ届かない桂香さんはどれだけ才能がないと言うんだ……!
圧倒的な才能を傍で見ながら、伸びない自分に悩み泣き苦しみ嫌いになりでも諦めきれなくてみっともなく足掻いて、それでも将棋しかなくて、将棋が自分で、将棋が生きていることで。好きという気持ちは忘れられなくて、嫌いになっても好きで。好きだから嫌いになる時もある。でも離れられない、どうしても好きだから。悩んでもなんでも最後まで行くのは自分。心を折られたところから立ち上がるか決めるのは自分。
筆者が一番描きたかった物語だというのも納得。すごく熱くなれる。この熱さは半端じゃない。熱さは勿論、将棋愛と人の関わりの物語でした。
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前巻までの爽快な話から打って変わってシリアスというか、将棋界の影の部分とか勝負師としての嫉妬のような感情を取り上げたストーリーだったが、今まで以上に読者を引き込む引力に溢れた文章で物語にあてられるというか、自分が呑み込まれてしまうような感覚すら抱いた一冊だった。真正面から将棋と向き合ったからこそ出来た作品なのではないだろうか。
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ただただアツい。天文学的な分岐を完全に読み切ってしまうとか、八一は本当に将棋星人なんだな。山刀伐戦、鳥肌立った。あいも脳内将棋盤11面とか理解できないレベルだ。地球人と将棋星人の間には大きな差がある。それでも将棋が大好きだから。どれだけ嫌いになってもやっぱり好きな、特別な存在。そう言えるのはすごい。/「銀は……桂と香の、となりにいるから」
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ラノベの世界には年齢制限はないけど、桂香さんみたいに、才能の壁にぶつかってジタバタする話は、本当に読んでて胸が熱くなるし、いてもたってもいられなくなる。
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◆勝負の世界ほど才能が幅を利かせるものはない。スポーツ界、ノーベル賞の如き最高峰の研究者らは勿論、将棋も例外ではない。才なき痛みに正面から向き合う人々の苦闘と苦悩、歓喜を描く第3巻は、感涙必至◆
才能とは周囲にとっての害悪。懸命・賢明な努力の果てに辿り着いた高みを、飄々と乗り越えていく様。これに嫉妬を覚えないなら、憤怒に身を焦がさないなら、無力な自分を切り刻んでやりたいと思わないなら、それは本気ではない。
山刀伐尽然り、生石飛鳥然り、水越澪然り、女流タイトルホルダーでありながら、竜王九頭竜八一の才能を間近で見続けてきた空銀子もまた然り。
まして、降級の瀬戸際で、かつ奨励会の年齢制限を迎えんとしながら、才煌びやかなあいや天衣と対局せねばならぬ清滝桂香であれば、猶更である。
そんな人たちが重ねた努力。積み上げた時間。思いのたけをぶつける盤面。将棋が好きという感情が生む熱情の一方で、才なき己に対する諦念という悪魔の囁きに苛まれる様。
夢と諦念の間を行き来し、逡巡するのは普通の人々のありようだ。
これらを余すところなく、かつ多層的な人物配置を通じて、こってりと描写していく。感涙必至の第三巻である。
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ダンサリエルシリーズを思い出す芸と才能のお話に達し得ていて素直に称賛
「ファンなら褒めろ」に続いて
「いままでのは受け狙いで書きたくて書いたのでなかった」は本音
読者の気持ち良くなる話と作者の満たされる作品は違うのだからしかたないね
読者の殆どが永世六冠の名前も知らないへだたりをどう埋め合わせるかが
娯楽作品としての価値なのだから
そこに無用な努力を傾けるのは残念ながら当然
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桂香さん(´;ω;`)ラノベで使い潰されがちなお姉さんキャラが、こんなにかっちょよく自分を貫くのが見られてウルウルしてしまった。面白かった…!
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負けがこむ八一と桂香。八一とあいがお風呂屋/将棋道場、振り飛車党の第一人者生石に振り飛車を教わりに行く。あいは勝つことで友達関係がおかしくなることで悩み。桂香は勝てないことでおかしくなる。と、暗い感じの筋に見えるが、いつも通りゴキゲンで楽しく読めた。
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桂香さん巻
将棋へ、全員が等しい熱量を持っています
将棋に対して舐めた姿勢は持っていない、全員が勝ちたいと思っている
桂香さんも同じく勝ちへ執着している、ただただ低い実力が彼女の熱意を殺しにきている
夢を追いかけることの残酷さがヒシヒシつたわって痛い
読んでいるだけで苦しい
著者は鬼なので簡単に彼女を幸せにしません
天才のサラダボウルに巻き込まれる彼女の涙が本巻の重要なスパイスとなっています