電子書籍
水滸伝 11 シリーズ
2023/08/01 09:46
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投稿者:トマト - この投稿者のレビュー一覧を見る
梁山泊では、一人一人が別々に生きているのではない。優れた者がいたら、その優れて技を他の見込みのなりそうな者を見つけて根気よく導く。後継者にするのだろう。公孫勝もただただ崖のぼりをしている者に目を付けたようだ。いきなり鍛えるのではなく、話をするところから始まる。なんだかいいな、と思った。
紙の本
巨星堕つ
2020/02/15 01:08
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投稿者:とりこま - この投稿者のレビュー一覧を見る
物語も後半に入り、本巻でも悩みつつ居場所を見つける樊瑞や杜興にスポットを当てつつ、激しく対立する宋江と晁蓋や策謀をめぐらす青蓮寺に、今後の激しい展開を予感させる中でついに梁山泊の巨星に暗殺の手が忍び寄る。
暗殺で死ぬところはやりきれなさを感じるが、戦で負けて命を落とす姿を見るのも忍びなく、この描きようが唯一無二なのかと思う。
それでもやはり、残念だ。
電子書籍
死も水滸伝の重要なイベントである
2012/11/07 23:25
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投稿者:sleeping lion - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白い。引き続き面白い。
今回ほど、死が重要なイベントであると
感じさせてくれる巻はなかったかも知れない。
いや、楊志の時以来かな。
そのくらい、ショックな結末。
ただね、結末はある程度予知されていたように思う。
なんとなくね、北方謙三氏の書き方の特徴がわかってきて、
予兆が訪れるんだよね。
はぁ・・・。次の巻、どうなるんだろうか。
紙の本
晁蓋と宋江の対立
2019/06/26 15:40
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投稿者:ワガヤ - この投稿者のレビュー一覧を見る
晁蓋と宋江の対立が深刻化…。小さな戦を繰り返し、いろいろな人間が出てきて、細かい情景が見えた。呼延灼戦から立ち直った。
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ついに晃蓋にも暗殺の手が…
トップの死は梁山泊にどのような変化をもたらすのか。
今後の展開に期待。
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読む前にすでに読んでた友人に「この巻は・・・すごいよ。」と意味深に告げられていたので、
けっこう警戒して読んでたのだけど、
たしかにすごい面白いし、はらはらするところも結構あったけど、
いつもどおりなんじゃないん・・・?と思っていたら。
ラスト。
「うわああああ〜〜〜!!」でした。
ほんま。それってありですか。てかいまいち飲み込めてないんですけど。。。
え?どうなったの?ほんとにそうなの?え?え?え??
・・・・・気になる人はぜひ読んでください。
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意見の対立する頭領2人。
3万で大きく蜂起か10万で大きく蜂起か?
暗殺屋史文恭の毒牙に掛かるのはいかに!?
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【月の光さえ眩しい、と私は感じたことがある。】
梁山泊の暗殺部隊が結成。通常の兵とは一線を画した部隊。
そして生き急ぐがごとく。。。
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梁山泊軍と官軍の駆け引きが益々熾烈になる。
どうも、作者の性格かもしれないが展開が暗い。
最初から青蓮寺と致死軍、楊志の暗殺、しかも犬と女(母親)を使って。
第二弾は史文恭を使った暗殺、物語なのだからもう少し陽気に、派手に闘いの中で行えないのか?
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晁蓋が、殺された。
しかも暗殺という卑劣な手で。
こーーーんなところで死ぬなんて!!!
扈三娘と良い感じだったのに・・・許せん!!!
でも宋江と対立ばっかだったからこれを機にまとまるんかななんて・・・・
なんて皮肉な運命。
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梁山泊の二人の頭領の一人晁蓋が暗殺される回です。
この巻のキーワードは、「死」です。
巻の前半で、梁山泊致死軍の隊長である公孫勝が樊瑞を
暗殺部隊の隊長に迎えるくだりがあります。
その際、公孫勝は「死」というものについて、
「昔からの友人」
と言い、樊瑞は「暗殺」というものについて、
「(死ぬ)運命に対する、ちょっとした手助け」
と言い表します。
また巻の最後、晁蓋が毒矢に撃たれたところでは、「昔からの友人」は、
「やさしげで、触れると心地よさそうで、包み込まれるとかぎりなく安らかになれる。しかし、冷たい」(p.381)
と書き表されています。
その冷たさに晁蓋は憤怒し、自分にまとわりつき、自分を包んだ友人を両断しようとします。両断したと思った瞬間、晁蓋の視界には、鮮やかな光に満ちた世界が広がります。
本来、体験できるものではない死というものを、友人として、心地よいものとして、安らかなものとして、それでいて冷たい(決して温かくない!)ものとして例えているところに、この全19巻の小説を通した死に対する定義があります。
そして、己の矜持を貫きとおせた人物だけが、死の間際に光が広がるのです(別に「光が広がる」という記述があるわけではないが、彼らの死ぬ描写にそれを読み解くことが読者はできる)。
人の生き様を描くということは、同時にその死に様を描くことでもあります。
死への描き方が上手い作品は、同時に生きている場面も上手く書かれているものですが、北方水滸伝はそれを感じさせる作品です。
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暗殺をメインとしたこの巻はつらい。敵だけではなく、梁山泊側もそういう手段に訴えていくあたり、そしてそれができる人間を捜し求めるあたり、きれい事だけでは行かないのがよくわかる。
それでも、その手で打ち倒された人間を観ると、せめてやっぱり正々堂々とした戦いの中で死なせてあげたかったと胸が苦しくなる。
そういう中では、胸の中にじっと恋を秘めている王英と、部下に優しすぎて問題があるという楊春が爽やかである。
2008/8/30
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晁蓋と宋江は相変わらず、攻勢に転ずるタイミングについて意見を戦わせていたが、お互いに妥協することなく、議論は平行線のままであった。北部に2万の官軍が展開していることをきっかけに、晁蓋は半ば強引に梁山泊の主力を率いて出兵し、敵を一蹴した。青連寺から晁蓋の暗殺の命を受けた史文恭は、梁山泊に紛れ込み晁蓋の従者となり機会を伺っていた。梁山泊へ帰還する途中、史文恭は忽然と姿を消し晁蓋は肩に矢を受ける。矢には史文恭の名が彫ってあり、その先にくくりつけられていた鏃には毒が塗られていた。晁蓋は命を落とす。
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タイトルは、本書の背表紙から引用したものである。梁山泊の頭領:晁蓋が、とうとう青蓮寺の刺客:史文恭に暗殺されてしまった。宋江とならぶ水滸伝のビッグネームである。暗殺は本巻のラストで行われるのだが、久しぶりにスリルを味わった。と同時に、梁山泊が意外に脆く脇の甘い組織であることを実感した。晁蓋が平原の街を落とした後、民に紛れた史文恭と面接するのだが、青蓮寺一味であることを知ってあえて危険因子を取り込んだのかと思った。何か意図があってなど…。ところが、こういとも簡単に暗殺されてしまうとは…。確かにその前から宋江との確執→双方からの歩み寄りが描かれていたし、女性騎士:扈三娘とのカップリング画策の話が唐突に持ち上がったりしていたので、晁蓋の死期は近い予感は、ある程度していたが…。
いっぽう、本巻では友人:李袞を亡くした「樊瑞」、前主人:李応(梁山泊の兵站担当)と分かれて双頭山に配属された「杜興」など味わい深いキャラクターの迷い・傷心・葛藤が存分に描かれているが、それが梁山泊全体の歯車の大切な一部となっていて面白い。
さて、次巻は晁蓋のいない梁山泊がどう動いていくのか非常に楽しみである。ナンバー3の盧俊義はいまだ梁山泊の常連メンバーには入っていない以上、ナンバー4である事務畑の呉用が存在感を増してくるのだろうか…。
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流花塞。杜興。晃蓋の死。まとめるとこんな感じ?
毎回、末端の英雄まで好きになれるのがいい。末端まで英雄にできるのがすごい、とも言える。
杜興の話しはいいな。美点も汚点も持つ人間味ある人物を、こういう風に書かれたら、杜興は好きにならざるをえない。
晃蓋の死は、本気で悲しかった。しかし、それでも史文恭を嫌いになれない。変な話し、憧れのような感情も抱く。小物であり、尊敬できるような特技を持っているわけではないから、凡夫の俺は感情移入しやすかったのだろうか。
『まさに英雄』と描写される人物だっただけに、楊志や林沖ほどの心情描写や見せ場はない。にも関わらず、この巻を読んだ直後や、後の巻を読んでいるとき、もし晃蓋が生きていたら……と考えてしまう。梁山泊の仲間だけでなく、読者の俺にとっても大きな存在だったんだろう。