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紙の本
第9巻はロシアの話だけでなく、福沢諭吉も村田蔵六も勝海舟も出てきます
2006/04/30 18:10
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
すでに『風雲児たち幕末編7』でも触れたことがあるのですが、このマンガでは日本外交史におけるロシアの果たした役割や世界史の中でのロシアの状況に多くが割かれています。今までどうしてこんなに多く割いているのか疑問に思わないでもなかったのですが、その理由がこの第9巻で少しわかったような気がします。当時はアメリカは新興国であり、世界はヨーロッパを中心に動いていたわけですから、例え農奴制が残る帝政ロシアであってもヨーロッパの一角を担う存在だったのですね。そして、ロシア自体の事情もあったのでしょうが、果敢に日本との関係を作ろうとしていた国だったのだから、当然多くを語る必要があったのですね。学生時代にきちんと世界史を勉強していたり、世界史、日本史をよく知っている人にすれば当然のことなのかもしれませんが、私には今回初めてよくわかったのでした。
こんなことまで教えてくれるこのマンガは、作者の目配りがあらゆるところに行き届いていて、どの巻も読み流すことができません。時に、その情報量に圧倒されてしまうこともありますが。
しかし、適塾での手塚良仙のエピソードは目配り過ぎのような気もしないではありませんでした。まあ、手塚治虫に敬意を表してといったところでしょうか。