芥川賞作家、羽田圭介氏の初期の傑作です!日本版ジャック・ケルアックの登場か!
2020/06/28 08:48
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『不思議の国のペニス』(後『不思議の国の男子』に改題)、『黒冷水』(文藝賞)、『メタモルフォシス』など次々に話題作を発表され、2015年に『スクラップ・アンド・ビルド』で見事に芥川賞を受賞された羽田圭介氏の初期の頃の作品です。同書は、アメリ人作家ジャック・ケルアック氏の『オン・ザ・ロード(路上)』を彷彿とさせるもので、日本版のジャック・ケルアック氏の登場かとも言われた作品です。内容は、高校2年生の主人公「僕」が、なんとなく授業をさぼって国道4号線を北に走り始めだだけだたものが、やがて福島を越え、翌日は山形、そして秋田、青森へと走り続けることになりました。路上から彼女、友人、両親には様々な嘘のメールを送りながら放浪の旅を続けます。その後、「僕」はどうなるのでしょうか?この放浪の旅はどこまで続くのでしょうか?
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投稿者:くろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
陸上部の男子高校生が、ひょんなことからビアンキの自転車に乗って国道を北上していく物語。
「それだけ頑張れるんだったら、もうなんでもできるだろ」
作中、友人から言われる言葉だが、それは違うし主人公も否定する。頑張るとか頑張らないとか、努力したとかしないとか、そういう次元ではない。
ただペダルを漕いだから、前に進んだ。それだけなのだ。
成長もなく、人との出会いもなく、内面の変化もほとんど見られない。劇的なラストシーンを期待していると、最後のあっけなさに拍子抜け。けれども悪いとは思わない。
どこまで行っても、何をしても、個人は個人のまま、本質は何も変わらない、と言われているような気分になった。
青春の耐久レース
2021/02/23 23:43
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひたすらペダルを漕ぎ続ける男子高校生と、ふたりの女の子との距離感が絶妙です。遠くの憧れの人よりも、身近にいる大切な彼女に気がつくシーンが微笑ましいですね。
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【本の内容】
なんとなく授業をさぼって国道4号線を北に走り始めただけだった…やがて僕の自転車は、福島を越え、翌日は山形、そして秋田、青森へと走り続ける。
彼女、友人、両親には嘘のメールを送りながら、高2の僕の旅はどこまで続く?
21世紀日本版『オン・ザ・ロード』と激賞された、文藝賞作家の話題作。
[ 目次 ]
[ POP ]
体力はあるけれど、まだ自由はない高校生の彼は、ある日ふとスポーツタイプの自転車を整備して都心にある学校へ。
何気なく秋葉原へ抜けると、北上を始めた。
速くなくては自分を許せないなど、長距離の自転車に乗り始めた人の感じることが巧みに描かれている。
書かれる必然性のある強烈な作品を書き続ける著者による、少し爽やかな小説。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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朝練終わりにロードバイクに乗って北上する小説。北海道まで行こうとするが青森で南下し、盛岡から電車で帰る。
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ささいなきっかけからロードバイクで北上をはじめた少年の話。
なんとなく走りはじめたら止まらなくなり、ゴールがあいまいな走行の様子がとてもリアルで心引き付けられます。
反面、ラストがなんかあっけなくて物足りなかったです。
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ロードバイクでひょんなことから旅をし始める高校二年生の物語。何の前触れもなくセックスの話が出てきたりするあたり高校二年生の男の子らしいのかな、とも思いつつ読み手としてはちょっと無理があるかな、とも思ったり。嘘のつき方も下手くそで、真実を話した時の相手の理解力も「いや、散々嘘をつかれてそんなすぐに理解してあげられるか?私なら無理だ。」と思ってしまった。リアリティの欠片もなく、全然入り込めなかった。この本だけでは判断しかねるが、少なくとも走ルは自分の中ではハマらなかった。でも最後の瀬名ちゃんの言葉に私はキュンとしてしまったのです。
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物置にあった古いロードレーサーを引っ張り出した高校2年生の陸上部員がひょんなことから学校サボってロードレーサーで北へ走り出す。福島から山形、日本海に抜けて秋田、青森へ。
高校生が無謀な旅をするロードムービー的な小説だが、旅先で人とふれあうわけでもなく、もっぱら友人とのメールや携帯での通話でのやりとりばかりというのが今の時代っぽいなと感じた。
自転車の走行シーンの描写は疾走感があってとてもよかった。
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高校をなんとなくサボって、友人に嘘を重ねて、昔の同窓生の女子に妄想を抱きながら、ただひたすらにロードバイクで北へ走る。
正直、人と人との心の交わりも無く淡々と走る描写は退屈だし、本田の適当な嘘やごまかしも読んでいて良い気持ちにはなれない。
でも、これも高校生の頃の、よく分からない孤独や衝動の一つの姿なのかもしれない。
表紙の絵は、この作品の内容をよく表していると思う。
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ようやく分かってきた。自転車の小説はつまらない。サクリファイスのシリーズや石田ゆうすけさんの本は例外なのだと。山岳小説は読み応えがあって面白い作品も多いが自転車の本は本当につまらない。とりあえず買った本だけはしょうがないから読むけどもうやめよう。
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72ページで挫折。
自転車に乗る人はおもしろいかも知れないけど、感覚が共有できない、理解できないのでおもしろくなかった。
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一人旅って結局家族とか恋人のしがらみを強く感じてしまうんだよね。非日常と安易な感傷より日常と肉体を描いているのが好き。
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なんとなく授業をさぼって国道4号線を北に走り始めただけだった…やがて僕の自転車は、福島を越え、翌日は山形、そして秋田、青森へと走り続ける。彼女、友人、両親には嘘のメールを送りながら、高2の僕の旅はどこまで続く?21世紀日本版『オン・ザ・ロード』と激賞された、文藝賞作家の話題作。
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自分とBianchiとの出会い。
高校2年は誰でも旅に出たくなる時期。
-何かから逃げるように家を飛び出した。
当時、紹介してくれた親友に感謝。
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夏休み明けの試験が終わり、高校2年生の僕は、自宅の物置に忘れられた自転車を見つける。ロードレース用の自転車で、地面を感じながら4時間かけて学校へ向かった僕は、陸上部の朝練の後、突然足の向くまま自転車で北上を始める。
何処かを目指す訳でもなく、友人達とメール交わしながら淡々と自転車を漕ぎ続ける僕の行先は。
今日という一日は、いつ始まったのだろう。陽が昇るのがゆっくりすぎて「今日」というくさびをいつ打ってよいのかわからない。
山路は厳しく、夜道は暗い。
公園で寝泊まりして、時に暴風雨の中走る。
高校生男子の悶々と抱えているものをぶつけるような、何処にぶつけるか迷っているような、息遣いがせまってくる。
コンビニ弁当と携帯での友人とのやりとり。
場所は家や学校から離れていて、自転車旅も非日常なのに、メールのやりとりは自宅での様子と変わりない様子。
そういう世の中になったということをじんわりと感じる。