ふなうた 短篇集モザイクII(新潮文庫)
著者 三浦哲郎
著者畢生の連作シリーズ第二巻。傘寿の祝いの席で孫娘が弾くピアノが戦時の記憶を呼び覚ます表題作、凝縮された三つの掌篇から飄逸な性の光景がこぼれる「こえ」、老夫婦の哀歓が静か...
ふなうた 短篇集モザイクII(新潮文庫)
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
商品説明
著者畢生の連作シリーズ第二巻。傘寿の祝いの席で孫娘が弾くピアノが戦時の記憶を呼び覚ます表題作、凝縮された三つの掌篇から飄逸な性の光景がこぼれる「こえ」、老夫婦の哀歓が静かな絶頂に達する、川端賞受賞作「みのむし」、厠の妖怪赤手コが跋扈する現代の民話「でんせつ」など、たきぎが爆ぜる傍らでゆっくりと紡がれたような短篇群が、人生の無数の情景を照らしだす。
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
人間のちいさな性(さが)を切り取る
2017/03/29 18:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編集なので休む前に少しずつ読めるのはとてもいいが、いざレビューを書こうとすると最初の方に読んだものを忘れてしまうという難点もある。『ぜにまくら』83歳のお祝いとしてある地方で行われている「金寿」。老人は小銭を枕の下に敷いて寝る。それを祝儀として他の者に配る。ある老爺中風で倒れ、本人意識ないまま金寿を祝われる。病院の小銭を配ることを妻は躊躇するが、その老爺の小銭はなぜか大人気。皆が口々に言うことは宝くじに当たるかも、競馬で当たるかも等。中風いわゆる「中る」、なるほどね。病人には失敬だが、とても人間らしい。