うどん キツネつきの
著者 高山羽根子
パチンコ店の屋上で拾った奇妙な犬を飼育する三姉妹の人生を繊細かつユーモラスに描いて第1回創元SF短編賞佳作となった表題作をはじめ、郊外のぼろアパートで暮らす多言語の住人た...
うどん キツネつきの
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
商品説明
パチンコ店の屋上で拾った奇妙な犬を飼育する三姉妹の人生を繊細かつユーモラスに描いて第1回創元SF短編賞佳作となった表題作をはじめ、郊外のぼろアパートで暮らす多言語の住人たちの可笑しな日々「シキ零レイ零 ミドリ荘」、15人姉妹の家が建つ孤島をある日見舞った異常事態「母のいる島」、謎めいた子供たちの日記で幕を開ける不可思議な冒険「おやすみラジオ」、ねぶたの街・青森を舞台に時を超えて紡がれる美麗な幻想譚「巨きなものの還る場所」の全5編を収録。新時代の感性が描く、シュールで愛しい物語。第36回日本SF大賞候補作。/解説=大野万紀
目次
- うどん キツネつきの
- シキ零レイ零 ミドリ荘
- 母のいる島
- おやすみラジオ
- 巨きなものの還る場所
- エッセイ 「了」という名の襤褸の少女
- 解説/大野万紀
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
書店員レビュー
丸善ジュンク堂書店のPR誌「書標」2017年1月号より
書標(ほんのしるべ)さん
第1回創元SF短編賞佳作となった表題作を含めた5編からなる短編集。
まず、表題作のタイトルに心をつかまれる。キツネつきの「うどん」って?
「うどん」は三姉妹が拾ってきた「犬」の名前である。うどんと三姉妹の15年がテンポのよい会話を通じて描かれる。「うどん」とは一体なんだったのか。最後まで読めばわかるかも。
日常の中にちょっとだけ不思議な要素が混ざっていたり、何かをきっかけにおかしなことになっていったりする5編が収録されている。それぞれの語り口がまったく違うのに驚き、読後は頭の感覚がちょっとずれて感じられるのが楽しい。
ビリヤードのような物語群
2019/07/28 20:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読人不知 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日常に紛れこむSF。伝統的なスタイルのサイエンス・フィクションではなく、少し・不思議系のSF群。
出来事の断片が次々と影響し合い、物語をあらぬ方に転がしてゆく。
無関係そうな出来事が接点を持ち、別の出来事と繋がって最終的にストンと落ちる。ポケットにインしなかったエピソードも、次に備えるような余韻を残して台に留まる。
ビリヤードの試合を眺めるようなテクニカルな短編集。
うどんは本当に犬だったのか。その曖昧さがサイエンス・フィクションの残り香を感じさせる。
ネタバレになりそうなので多くは語らないが、ミドリ荘とおやすみラジオが好みの話だった。
何なんだろう、この感覚
2017/05/05 23:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukiちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
アンソロジー「原色の想像力」で「うどん キツネつきの」を読んだ時は、「なんじゃ?こりゃ、SFなん?」と思ったものだが、再読してみると、いやあ、立派にSFじゃないですか。
反対に「母のいる島」の時は、「SFだよね、多分?」と思っていたのが、今回再読してみると、「これって、一体何なん?」と、名状しがたい気持ちになった。
この本のいいところは、今時流行の電脳やら、サイバーやらといった横文字が出てこないところだ。
何か、横文字を使って、新しさや難解さを主張するヘボSFが横行している中で、古き良き日本の難解小説(円城塔みたいな、エセ難解とも違う)をマジで追求しているところにある。
いや、本人は難解とも思っていないのだろう。自分の表現したいことを文字にしたらこうなったと、ただそれだけではないか。そして、それが読者に素直に伝わっているのではないか。それでいいんですよ、小説なんてものは。
私は、「シキ零レイ零 ミドリ荘」で浮かび上がったグェンさんが大好きです。