- 販売開始日: 2017/07/28
- 出版社: 講談社
- ISBN:978-4-06-334375-5
王ドロボウJING新装版(5)
著者 熊倉裕一(著)
かつての「舞踏会」が「武闘会」に名を変えた「ザザの仮面武闘会」。エントリーしたジン&キールは着々と勝ち上がるが、目的は当然「お宝」。極上の笑みをたたえた至高の仮面「ヴィン...
王ドロボウJING新装版(5)
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商品説明
かつての「舞踏会」が「武闘会」に名を変えた「ザザの仮面武闘会」。エントリーしたジン&キールは着々と勝ち上がるが、目的は当然「お宝」。極上の笑みをたたえた至高の仮面「ヴィンテージ・スマイル」を入手すべく、熾烈な闘いと、苛烈なかけひきが繰り広げられる。やがて立ちふさがる謎のライバル「日出処の戦士」。その意外すぎる正体とは…
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Rising Son!!
2019/03/12 04:46
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投稿者:ワシ - この投稿者のレビュー一覧を見る
仮面舞踏会と武闘会、少年誌にしては高度すぎるような気もする掛け言葉で一本通してしまう本作。
そもそもの連載一本が比較的長いのだが、単行本一巻を丸々一挿話として扱うのは本缶が始めて。
単語の分かりにくさは別として、描線の美しさと緻密な構成に魅入られずにはいられないだろう。
仮面なのでベネチアンマスク、ザザの街はさながら水の枯れた水の都といった趣である。無数の細い支柱で宙に浮いており、海岸か湖岸かは不明だがとうに退行してしまっている。
英映画『ザ・ロッキー・ホラー・ショー』の装画を思い出させる“クチビルのオッサン”、控え室の“無敵君”(頭部もついていたのだろうがバネだけが残っている)、その非常停止を押そうとしたのか謎の血痕が残っていたり細かいところまで仕掛けだらけである。
作中では伯爵夫人が面を着けるに至る道程も記されており、トーンワークで描かれた般若面は実に印象深い。
ステア扮する「日出処の戦士」は有名な山岸涼子『日出処の天子』そのもの。(本作のあらすじで誤表記をしているサイトも目立つが…)
キールが読んでいるタブロイド紙にも「RISING SON!!」の小見出しが踊る。SUNとSONの引っかけ方は秀逸である。ギンジョウのセリフ「・・・・女みてえにヒラヒラ踊んなよ・・・・兄さん」の通り。(さらに細かいがこのシリーズは三点リーダでなく、四点リーダで統一されているが、意図は不明)
痩身のように見えてどこに馬鹿力を隠していたのだろうか、もっとも「そういうものだ」と受け入れるのが正しいかもしれない。
「死闘の果て」の口絵に描かれたScare Clow=カカシ、アニメのオープニングにも短時間ながら登場している。鳥を脅すカカシに使われる面、物言わぬカカシ、その歌詞はShout it loud、絶妙な均衡である。
そして最終盤のバッフルまで考えると、一連の事件は人の皮を被った人外のモノによって仕組まれていた、『The Stranger』(邦題『素顔のままで』)の真反対のようにも思わせるのだ。
なお、その後のステアとアンゴスチュラであるが、生涯独身を貫き通した…かどうかは定かでない…。巻末収録の「王ドロボウ 犯罪白書」はファンならば必見である。