ナチスの「手口」と緊急事態条項
自民党が、ながらく憲法に加えることを狙ってきた緊急事態条項。災害・テロ発生時への対策だというのが表向きの説明だ。しかし、首相に権限を集中させ、国民の権利を制限するこの条項...
ナチスの「手口」と緊急事態条項
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商品説明
自民党が、ながらく憲法に加えることを狙ってきた緊急事態条項。災害・テロ発生時への対策だというのが表向きの説明だ。しかし、首相に権限を集中させ、国民の権利を制限するこの条項に別の意図はないのか。じつはヒトラー独裁の始まりは、ワイマール憲法に書かれた同様の条項だった。憲法学界の重鎮が、ナチ・ドイツ研究の最先端をいく歴史家とこの条項の危うさを徹底的に解明する。 【目次】はじめに――「憲法問題」の本質を見抜くために 石田勇治/第一章 緊急事態条項は「ナチスの手口」――大統領緊急令と授権法を知る/第二章 なぜドイツ国民はナチスに惹き付けられたのか/第三章 いかに戦後ドイツは防波堤をつくったか――似て非なるボン基本法の「緊急事態条項」/第四章 日本の緊急事態条項はドイツよりなぜ危険か――「統治行為論」という落とし穴/第五章 「過去の克服」がドイツの憲法を強くした/おわりに――憲法の歴史に学ぶ意味 長谷部恭男/参考資料 ボン基本法における緊急事態条項及び関連条項/参考・引用文献
目次
- はじめに――「憲法問題」の本質を見抜くために 石田勇治/第一章 緊急事態条項は「ナチスの手口」――大統領緊急令と授権法を知る/第二章 なぜドイツ国民はナチスに惹き付けられたのか/第三章 いかに戦後ドイツは防波堤をつくったか――似て非なるボン基本法の「緊急事態条項」/第四章 日本の緊急事態条項はドイツよりなぜ危険か――「統治行為論」という落とし穴/第五章 「過去の克服」がドイツの憲法を強くした/おわりに――憲法の歴史に学ぶ意味 長谷部恭男/参考資料 ボン基本法における緊急事態条項及び関連条項/参考・引用文献
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麻生太郎氏が言うように[いつのまにか]ってやつだ
2017/09/02 11:36
9人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くりくり - この投稿者のレビュー一覧を見る
8月29日、麻生太郎副大臣が自らの派閥の講演会で、「何百万人殺したヒトラーはいくら動機が正しくてもダメだ」と言ったのだとか(時事通信)。まるでホロコーストの動機が正しかったといわんばかりの放言。いや放言ではない。この発言には確信を持ち、ナチのような独裁政権の実効を狙うものである。麻生氏は2013年安倍自民党が政権に就いた時にも「ドイツのワイマール憲法はいつの間にか誰にも気づかれずにナチスの憲法に変わっていた。あの手口を学んだらどうかね」と発言して撤回している。
撤回すれば発言は消えるものではない。そう思っているということである。そしてまた同じことを言う。
どうしてこんな恐ろしい人たちに政治を託してしまったのだろう・・・
本書は、つい先ごろまで自民党が主張していた「緊急事態条項」を設けて、首相に全権委任する憲法改正の危険性を「ナチスの手口」と比較して憲法学者とドイツ史研究家が対談したもの。
緊急事態条項は災害が多い日本では受け入れられやすいと踏んでの提案だ。これに騙されてはいけない。緊急事態条項からナチの独裁が始っているからだ。
まさに麻生太郎氏が言うように[いつのまにか]ってやつだ.こわい。
今必読の書
2017/09/02 21:39
6人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:玉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
またまた、麻生さんの失言が出ました。いつぞやのナチスの手口の失言の時も、ドイツなら政治家としてはアウト。なのに、日本の追及は弱くていまだに副総理。本書の著者お二人も、まさかこの本が出版されるときに、麻生さんが、同じようなことをおっしゃるとは予想しなかったでしょうが、日本の弱さと、ドイツやアメリカのすぐれたところがきちんと描かれています。長谷部さんの「おわりに」の最後の2行を先に読んで、かみしめてから読んでもいいかも。あやうい日本をなげくだけではダメ。理論武装しましょう。このお二人のお話は、いまこそ広めるべき。