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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
うっかりすると中国や韓国原産のように思ってしまう唐辛子が実は逆に日本から伝播したようだ という話がまず面白い。世界史 料理史 文化人類学 植物学などを唐辛子をキーにまとめて書いた本で、なかなかに多彩な内容である。特に各国の料理に取り入れられている唐辛子の話が面白い。
それぞれの国のトウガラシ事情。
2017/03/28 17:26
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投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主食ではないのに、料理を特徴づける食品、トウガラシ。世界中にトウガラシを多く使う料理はたくさんあるが、原産地以外では意外に新しい文化のようだ。原産地の中南米からいつごろ、どのように広まって行ったのか。本書はおおよその時系列に沿いながら、それぞれの国でのトウガラシの歴史、料理の特徴を解説する。
個人的に面白いと思ったのは「なぜ世界中に広まって定着したのか」というところ。「温帯でも栽培できる」「変異が多い」という特徴がトウガラシが「世界的野菜」になった理由というのはとても納得できた。コショウなどが栽培できない地域でも自分たちで栽培できるというのは香辛料として歓迎されたであろう品種がたくさんあるのに、原種はほんの数種類。原種自体もまだ栽培されているというのもとても面白い植物である。
各国の料理の特徴なども面白かった。キムチが赤くなったのもそれほど古いことではない、というのもちょっと驚きである。面白かったが、トウガラシを良く使う国が世界に分散している理由をもう少し掘り下げてほしかった気もする。あまり定着しなかった国の方の理由が少ないのは仕方がないのかもしれないが、どんな違いがあるのか、またまとめて書いてもらえればと思う。
食品という使用方法ではないが、日本では「米櫃にトウガラシ」と虫よけに使用する。同じような使用方法の国はあるのだろうか。他の植物で似たような使用方法のものはあるのだろうか。そんなことも知りたくなった。
日本も「あまり使用しない」国であったが、近年はキムチやカレーは一般的になり「激辛」食品も増えてきた。
トウガラシは原産地を飛び出して世界の香辛料になった、なかなか面白い植物である。
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南米は好きだしトウガラシも大好き。
このご本は学問的に専門的すぎず読みやすくて、程よい加減でトウガラシに対する愛と知識を伝えてくれると思う。
ただ…………注釈使えねーーー!!
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トウガラシが原産地の中南米から世界各地へどのように伝播していったか、そして各地ではどのように使用されているかをまとめた本。
おもしろかったのは、鳥以外の自然界の動物はトウガラシの辛みを恐れて寄り付かないが、鳥だけはトウガラシの辛みに無感覚で、平気でついばむので、必然的に広範囲に種をまくことができるようになっている。加えて、動物のフンに入っているトウガラシの種はほとんど発芽しないのに対して、鳥からのそれは発芽率が高い、という点だった。
また、野生種のトウガラシはその赤い実が空に向かって生るので、鳥に容易に発見してもらえるようになっている点も興味深い。
これらは、明らかにトウガラシが子孫繁栄のため、意図的に鳥を利用していると思われる。
やはり、植物にも知性があるとの説は本当だと思った箇所であった。
いずれにせよ、激辛好きには必読の書。
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原産の南米大陸からの伝播やトウガラシの文化、食し方、世界中の激辛料理まで、幅広く分かりやすく書かれていてとても楽しい。
それにしてもビタミンが豊富だとは以外。
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トウガラシは中南米発祥の植物である。しかも欧州に伝わったのはコロンブス以降である。にも関わらず、わずか400年程度でほぼ世界中に広まり、その各所で日々の生活に欠かせない調味料もしくは食材として大きな顔をしている。その謎を開かす本。
なのだけど、伝搬についてまだまだ不明点が多いような、なんだか隔靴掻痒的な読後印象が残る。特に日本での使われ方について、胡椒とトウガラシを混同して呼んでいる時期があるにも関わらず「うどんに胡椒と書いてあるのでこのころはトウガラシを使っていなかったようだ」と書いていたりするのがなんだか根拠薄弱に感じた。面白い本なんだけどなあ。
あとは知らなかったことをトピック的に挙げておく。
・パプリカはハンガリーで作られた。ビタミンCはパプリカに非常に多く(オレンジやレモンの5倍以上)含まれ、単離に成功したのはパプリカからだった。
・中国料理ではトウガラシがあまり使われていない。四川料理の、しかもほんの一部だけ。「トウガラシを食べると病気になる」という偏見があったらしい(欧州でも新大陸の食べ物への偏見は強かったとか)。
・韓国では、秀吉の朝鮮出兵後ぐらいにトウガラシが伝わったらしいので日本から伝わった可能性が高い。一方日本では逆に朝鮮出兵のときに朝鮮からトウガラシが伝わったので「かうらい胡椒(貝原益軒「花譜」)」と呼ぶ、との話もある。どっちだ。
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原産地中南米からヨーロッパ、アフリカ、アジアへの伝播、変遷。野生種は小さく、下向き、辛いー身を守る為。栽培種は上向き,色もいろいろ。鳥は辛さを感じない野生種は繁殖ができるのだ。
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サブタイトルは辛くて熱い「食卓革命」というように、唐辛子は世界の料理に新たな「革命」をもたらしたといっても過言ではない。唐辛子はもともと中南米原産だったのが、大航海時代にヨーロッパ人によっていろいろなところに伝わるようになった。
トウガラシ好きのチベット人と書かれているのを見てびっくりした。チベット料理に詳しくないが、それでも辛いものを好んで食べるイメージがなかったので意外だ。いろいろな料理にトウガラシを使っている。
トウガラシを食べることをアメリカのローズンという研究者の説明を引用している。唐辛子を食べるのはジェットコースターに乗るのと同じで、スリルと快楽を味わっているという趣旨のことを述べている。
一言でいえば、怖いもの見たさとやめられない止まらないだな。
トウガラシを手にした人類は、トウガラシの辛さを知ってしまいトウガラシから離れられなくなってしまった。
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表紙をめくると、目にも鮮やか、口が熱くなりそうな写真が飛び込んでくる。
真っ赤で辛くて美味しいトウガラシ。
これは一体どこでう前、どのように広がり、どう使われてきたのか。
小さいけれどすこびる(すこぶる)衝撃的なトウガラシの旅へ!
トウガラシの生まれは中南米。
どうもそこらへんに生えていたものらしく、今でも野生種が残っているという。
大航海時代を経てヨーロッパに伝わったばかりの頃、彼らはこう言われていた。
「食べると死ぬ」と。
しかしそんな「死」を連想させる彼らは今ではカレーになくてはならないもの、ブータンではこれ抜きなんて考えられない、韓国では生活の一部となって私たちの舌をヒリヒリさせている。
辛い辛い、でもつい食べてしまう。
動物たちの中でもこんなへんてこな好みを持つのは我ら人間だけ.....ではないのだ。
なんと鳥はパクパクとついばむのだそう。
なぜなら、鳥たちは辛さを感じないからなのだそう。
食べられて遠くまで運ばれ種を増やすことができる上に発芽率も上がるということだ。
生命の不思議!
この唐辛子の辛さを測定したいと思った人がいた。
名をウィルバー・スコヴィルと言う。
舌で感知できなくなるまで薄めて味わうという極めて単純な方法ながら、スコヴィルという単位を生み出し、機械測定できるようになった今でもこの単位を使う人は少なくない。
日本の鷹の爪は50000スコヴィル程度らしいのだが、最初の方は辛くてヒーヒー言わなかったのだろうか.....。
私の大好きなパプリカ。
肉厚で美味しく、生でも火を通しても食べられ、彩り豊かな食卓になるので重宝している。
スーパーで見るそれは大抵韓国産。
しかし!パプリカの原産地はなんとハンガリー。
これは知らなかった。
しかも、壊れやすいビタミンCを効率的に抽出するにはこのパプリカが大活躍!
ビタミン研究の立役者というのだから侮れない。
ハンガリーに行った際には是非ともパプリカ料理を堪能したいものだ。
トウガラシ、小さな体の偉大な冒険。
敬意を示して今夜のおかずにはトウガラシ料理はいかが?
とはいえ.....辛すぎない程度でお願いしますね。
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韓国といえばキムチ?四川と言えば辛い料理?なんて連想してました。歴史から見るとこんなイメージはごく最近の話とわかりました。トウガラシは南米産でコロンブスの大陸発見で世界デビューしたとは意外でした。
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案の定辛いものが食べたくなりました(笑
民族学者さんが、以前専攻していた植物学の知識を使いながら、トウガラシの性質や、それが世界各地でどう使われているかを纏めた本。
タイトルは「トウガラシの世界史」となっていますが、読後感としては「世界のトウガラシ」かなぁ。。(「○○の世界史」と題した本が中公新書から何冊か出ているので、それに合わせたせいか)
もともとトウガラシ自体は鳥向け(鳥は辛さを感じないとか!)に果実をつけていたという話や、大航海時代をきっかけに中南米から世界各地に広まった(トウガラシを使ったキムチも1700年代からのもの)という話など、興味深い話がちょこちょこ出てきます。口絵や本文中の写真・地図等が多いのも好感。
学者さんらしく誠実な物言いで書かれているのですが、トウガラシの伝来ルートの推測などはノンフィクション・ライターであればもうちょっと突っ込んで調べたり、ストーリー感を盛ってドラマチックに書けたりするだろうなぁと思ったので、ちょっと勿体ないなぁという感覚は持ちました。
とは言え、辛いものと本が好きなら読んで満足するのは間違いないのでは。終章のトウガラシから得られる栄養のくだりも良い読後感をもたらしてくれます。
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唐辛子が世界中でどのように広まり、使われているか書いた本。章を時代で区切るのではなく、国・地域で分けているのが特徴的。この手のスパイスの歴史本だと西洋からの視点に偏りがちであるが、この本では世界をまんべんなく取り上げる。
唐辛子は中南米が原産であり、ユーラシア大陸にもたらされたのはコロンブス以降である。にも関わらず世界各地の民族料理で、さも昔からあったかのように使われている。辛味は甘味や酸味などとは違い、その本質は痛みである。そんな痛みが世界各国で求められているのだから、人類の本質はマゾなのかもしれない。
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世界各国のトウガラシ利用の歴史、トウガラシを使った料理などを紹介している本です。
トウガラシを使った料理を食べたくなる、自分の嗜好を増やしてくれるいい本。
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【由来】
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【期待したもの】
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※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。
【要約】
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【ノート】
・図書館で目に止まって読んでみたけど、面白かった。日本では江戸時代、正確には秀吉が遠征時に持って帰ってきて、貝原益軒なんかが言及してる。
・鳥類は辛さを感じず、しかも食べられた後に発芽する(他の動物の場合、消化されて発芽しない)というのは面白かった。よって、トウガラシは鳥類に選択的に食べてもらいたいから、そういう進化をしたと。
【目次】
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トウガラシ、まさにパスタの「ペペロンチーノ」が「トウガラシ」、その唐辛子をコロンブスやヴァスコ・ダ・ガマの時代、中南米から世界に拡散することとなった。16世紀以降のことだ。
唐辛子の辛味はもちろん、風味が好まれたとのこと。だが、唐辛子の風味を楽しんだことがあるだろうか、記憶がない。本著に出会ったことをきっかけに唐辛子の風味を体験したくなった。