三次から五次の十字軍の戦い
2023/10/01 11:35
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投稿者:かずさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
第三次十字軍の獅子心王リチャードとサラディンの戦いが中心の物語。西欧十字軍を纏め進行するリチャード十字軍。イスラムをまとめ対抗するサラディン。敵同士だが互いに認め合い通ずるところを感じる二人。奮戦するが「聖都」奪還までは至らず講和を結ぶ二人。二人の間の講和は一時の平和をパレスチナにもたらしキリスト教徒の巡礼も安心して行えるようになる。四次五次はキリスト教徒が本当に聖都解放を目指したかは疑問。歴史が紐解かれていく。
塩野七生による歴史物語
2023/09/11 09:28
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投稿者:トマト - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史の教科書に出てくる有名な王様の名前がドンドン現れてくる。リチャード獅子心王など有名人だ。サラディンも有名だが二人の戦いが熱を帯びる。
十字軍物語 第三巻
2021/09/08 10:50
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投稿者:渡り鳥 - この投稿者のレビュー一覧を見る
いよいよ物語がクライマックスに。イングランド王リチャード1世がいよいよ登場。人呼んで獅子心王。ライオンハートを持つ王との尊称。初めてイングランド王の十字軍の参戦だが、戦略,戦術やマインドが素晴らしい。獅子心王に対するのは、イスラムの英雄,サラディン。横綱同士の戦いであり、見ごたえあり。また、お互いがお互いを認めあう様もいい。結果的に講和で決着し、キリスト教側も相当な成果が。領土拡大に人的被害も最小限で、時間も最短に。著者の塩野七生のリチャード一世をかなり好意的に書いているが当時のキリスト世界がリチャードを許さない。安易に講和にはしるリチャードに厳しい世論が。イスラム世界は戦争で徹底的に潰すべきで、講和が甘いとの評価。
英雄同士の好勝負にローマ法王以下の世論が水を差す。
何れにしても好敵手の戦いは盛り上がる。
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投稿者:ねむこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
第三次十字軍で実質最大の功労者リチャード獅子心王。
未知の場所で戦うために、きちんと準備を整え、考え尽くした戦術と自ら先頭に立って戦うことすら!
(故国で足を引っ張る人間さえいなければ、この後どうなったんだろう?)
また、戦う相手がサラディンであったのもよかったのかな?お互い堂々と戦った後の講和。
いいじゃんって思いません?
たとえ聖職者は気に入らずとも、聖地巡礼に支障はなくなったんだしって、俗世の人間なら思うんじゃない?
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サラディンの弟のアラディールが素敵。
リチャードが案外いいかげん(笑)
ヴェネツィア共和国の深謀遠慮がなかなか。
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第三次〜第五次十字軍に。この巻の見せ場はなんといっても獅子心王リチャード!これはまた塩野さんのお気に入りパターンだな、とこちらも楽しく読み進められた。
ヴェネツィアの有能な実務派リーダーであるダンドロは法王庁の人間と違い現実感があり安心できる。一般的にリーダーって決して思い通りにできるわけではない。どちらかというとみんなのバランスを取りながら、ここというポイントでいい判断ができるか?がその優劣を決めるという風に思うが、その判断が第四次十字軍への参戦だったんだろう。
それにひきかえ先に権威がありそれを盲信するととんでもないリーダーが出来上がる。法王庁にはそのタイプが多そうだがその中でもペラーニはもう…救いようのない小役人タイプか。こういう人が組織の中枢に存在してしまうことは避けられないのか。
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第1章は、イスラムの英雄サラディンと獅子心王リチャードによる第三次十字軍の話。
ヨーロッパ側の様々な思惑と裏の裏を読まなければならない政治情勢の中、フランスと手を組み十字軍を敢行するイギリス。また、先遣隊であったはずの赤ひげのフリードリヒの突然の死などドラマになる展開が本当に起こってしまうことが歴史の面白みなのかもしれないな、と感じた。
さらにほ、獅子心王リチャードの行き当たりばったりな行動がのちの平和へのメリットにつながっていくのも面白かった。
第2章は、ヴェネツィア主催の第四次十字軍。
計算し尽くされたであろうヴェネツィアの国益のために行われた十字軍。自らの経営支配領域の拡大とともにそこに付随する商いの場の拡大という、経済第一主義の国らしい、考え方とそれを扇動し実行してしまうところが、ヴェネツィア共和国なんだな、と感心してしまった。
第3章は、宗教主導に戻したかった第五次十字軍。
キリスト教側もイスラム教側もカリスマ性を備えたリーダー不在の中で行われた不毛とも言える三年に及ぶ十字軍。
最後のイスラムのスルタンアル・カミールが出した講和の条件を法王代理の枢機卿がはねつけてしまうところが、宗教戦争であることを物語っているように思えた。
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リチャード獅子心王が主役の第三次、そこから第五次までの十字軍の歴史を物語形式で書かれています。資料に忠実に、ないところは想像力で、物語を面白く臨場感あるように。主要な登場人物に十分感情移入しながら楽しんで読ませていただきました。中世という時代の君主の生活など、ある意味自由で無防備が許された時代だったのだなと。その背景に宗教が強い影響力を持っていたことが。そしてそれが十字軍を発生させたのだなということが分かります。
十字軍は第一次だけが成功で、あとは失敗と思っていました。しかしこの第三次も十分に成功だったということが分かりました。キリスト教とイスラム教が協力して、長い平和を作ったということは、現代世界が見習う重要な歴史なのではと思います。
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☆☆☆2019年9月☆☆☆
第三次十字軍、いわゆる花の十字軍。
リチャード獅子心王、フリードリヒ、フィリップら錚々たる顔ぶれ。いきなりフリードリヒが川で溺死してしまい「何やってんだ!」だと思った。それにしてもリチャード獅子心王は格好いい!! こんな人がいたんだな。
第四次十字軍は、ラテン帝国。中東に向かうはずがコンスタンティノプルを攻略した、これはヴェネツィアの利害による。必ずしも批判しているわけではない。
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「 戦争は、人類にとって最大の悪業である。にもかかわらず、人類は、この悪から抜け出すことができないでいる。
ならば、戦争を、勝ったか負けたかで評価するのではなく、この悪を冒した後にどれだけの歳月の平和がつづいたか、で評価されてもよいのではないか。
また、
平和とは、人類が戦争という悪から抜け出せない以上、未来永劫つづく平和というのもありえず、短期間ではあっても一つ一つの平和を積み重ねていくことでしか、達成されないと考えるほうが現実的ではないだろうか。」
塩野七生氏の歴史物著書では、
このような鋭い指摘にもあるように、
リアリズムが物事の見方に通念として流れている。
それこそが
机上の空論でもない、リアルに歴史が現実問題として目の前に迫ってくるような、面白さになるのだろう。
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三巻目。第三次から第五次まで。
花の十字軍といわれる第三次十字軍には、神聖ローマ帝国王バルバロッサ・フリードリッヒ一世、フランス王オーギュスト・フィリップ二世、そして本命はイギリス王獅子心王・リチャード一世の三人がイェルサレム奪還を目指して出発する。
そのうち、バルバロッサはあっけなく死に、オーギュストは地領拡大のために十字軍を放棄してフランスへ帰る。
残る獅子心王リチャード一世がイスラム下にあったパレスティーナ沿岸の町を解放しつつ南下する。
対するイスラム側はサラディンを中心にまとまっていた。
ダマスカスとカイロを手中にしたスルタン・サラディンは十字軍と相対する。
そして戦いの後、リチャードとサラディンの間で交わされた講和がつかの間の平和を約束した。
その後に続く第四次十字軍はフランス勢とヴェネツィアの混成部隊となったが、イェルサレムには向かわず、同じキリスト教だがギリシア正教の東ローマ帝国の首都、コンスタンティノープルを陥落させる。
一体、目的は何だったのか。
第四次十字軍により、ヴェネツィアが地中海の覇権を握り、まさにヴェネツィアのための十字軍だった。
そして第五次十字軍もイェルサレムへ向かわず、エジプトを責める。
この時にはイスラム側はサラディンの孫世代となり、太守の結束が弱くなっていた。
スルタンのアル・カミールは十字軍側へイェルサレムの返還という最大の譲歩をするのだが、十字軍側はやる気ないイェルサレム王とローマ法王から派遣された枢機卿が衝突して、結果として何も得るものがないまま解散となる。
次巻最終巻。
十字軍物語の結末となる。
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第3次十字軍がライオン・ハートだったのか・・・
第4次でヴェネツィア共和国、第5次でローマ法王庁の法王代理ベラーヨ、「少年十字軍」なんて痛いお話もあったようで、キリスト教は一体何やってたんだか。
登場人物が多すぎて、何度も読み返しながらでないと先へ進めなくて眠くなってしまうので、読了までに時間がかかり過ぎるが、あと一巻、意地でも読むぞ!
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ひさしぶりに読んだ十字軍物語の続き。
塩野七生は「物語」というだけに、歴史書と小説の中間的な面白さがある。
この巻の第三次から第四次までの十字軍も戦記物として楽しめた。
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三次、四次、五次十字軍。
「獅子心王」リチャードのでてくる第三次。
気がついたらヴェネチアの術中には待って行き先の変わった第四次。
キリスト教側もイスラム教側もぐだぐだで元の木阿弥となった第五次。
もっと主面白いのは第四次だと思っていたが(海の都物語)獅子心王リチャードすげーのな!!
そして、歴史的に考えて興味深いのは第五次。
イスラム側の(最初、または二度目の)講和申し入れを受け入れてエルサレムの「返還」を受け入れていたら、そのあと歴史はどうなったのかしら??
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イスラムの手の落ちた聖都イェルサレムの奪還を目指した英国王リチャ-ド獅子心王率いる第三次十字軍とイスラム愛好の武将サラディンとの攻防戦は、十字軍200年の歴史をとおしても圧倒的な迫力と興奮が渦巻く。著者・塩野七生さんの真骨頂が存分に発揮された第三巻。