紙の本
しんどい
2022/02/13 00:43
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルにひかれて呼んでみましたが、
自分が、
だれかじゃなくて、みんなの
どうでもいい人になったみたいな気がして、
もう読みたくないのにグイグイ読まされた。
だれにとってはどうでもよくないのか、
答えは得られなかったけど。
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投稿者:ワガヤ - この投稿者のレビュー一覧を見る
こんな環境に置かれたら、キツそう。ひたすらモヤモヤ重い感じ…。まぁ、たしかにタイトルについては、きみはだれかのどうでもいい人っていうのは、わかる気がする。
電子書籍
若い人の感覚なのかな。
2020/12/21 19:30
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投稿者:うみしま - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めて読む作家さんです。題名に惹かれて読み始めました。
市役所に勤める女性たちの連作短編です。
とことん弱いようで本当は、図太い。強いようで本当は弱くてそれを隠している。
その部分はうまく表現されていると思います。
ただ、作者が若い方なので、中年女性の心理はやや一方的で、ステレオタイプな感が拭えない気がしました。
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県税事務所の徴収部門を舞台にした、お役所内関係ギスギスマウンティング小説。
各話で主役となるのは全員女性(男性は全員「添え物」レベルの扱い)だが、中でも精神障害者の就業お試し的な事業で働く須藤深雪が周囲をイラつかせる。
それ以外の登場人物も全員が暗いものを抱えながら、ストレスを下流に流しながら日々を過ごしていく様子が書かれるが、全体的に救いがないため読んでいて辛いw
小さい部署で精神疾患が複数いたら増員しなきゃ職場崩壊するぞ(というか崩壊したが)。
それにしても、筆者は役所務めだったのかと思うほど「あるある」という小ネタがあったのが気になった。
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「きみはだれかのどうでもいい人」すごく嫌なタイトルだ。
それなのに興味を惹かれて手にしてしまった。
だって、認めたくはないけれど、自分にとって特別な人ってそう多くはなくて、まして職場の人に特別な人なんてほとんどいない。残念だけど、きれいごと無しで言えばそうだろう。それは、自分にとって、だけじゃなく、人から見た自分もそうだ、と言うこと。
でも、それを認めるのは、しんどい。自分がそう言う冷たい人間だと認めるのも、自分が人にとってどうでもいい存在だと認めるのも、しんどい。
けれど、この作品では、4人の女性の視点を変えながら描くことで、それぞれが、それぞれにとって、大切ではない人だと言うことを明らかにしていく。読んでいても、結構しんどい。
そして、この作品がリアリティがあって怖いなと思うのが、そういう、人と人との関係の真実と言う面以外に、女性の働き方の違いによる、お互いへの嫉妬や不理解によるすれ違いと言う面を上手く描いていること。
これは結構あるあるで、正社員から非正規への不満もあるし、非正規から正社員への不満も当然ある。立場も違うし、仕事に対するモチベーションも違う。そういう中で、お互いに理解しあって、助け合って、お互いを尊重しあって、仕事をしていくって難しい。
どの人の不満も分かるし、本人なりに頑張っていることもわかるけど、どの人にも嫌なところもあって。自分自身の反省も込めてだけど、特に、自分と立場や価値観が違う人のことは、理解できないし、出来ないからこそ、自分だけが正しいとか、自分だけが頑張っているとか、自分だけが辛いとか思うのはいけないな、と。
個人的には、田邊さんだけは、ほとんど共感できるところがなく、母親としても、年上の同僚としても、自分の傍にいる存在だったら嫌だな、、、
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タイトルのインパクトで読んだ本。
役所で働く女性4人のそれぞれの視点から日々の出来事を描く。
モラハラ、パワハラ、クレーム対応、人間関係のいざこざ…
メシマズな事が次から次へと起こって胸が詰まりそうになり
(早く終わらせてー!) と一気に読んだ… 疲りた…
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県税務事務所で働く人々の様子を4人の視点から描かれた話です。
誰かの役に立ちたいと公務員になったものの「お客様」と呼ばれる納税者たちからは、罵倒・暴言・感謝のない世界で働き、登場人物のほとんどに優しさは感じられない。しかしそれぞれに根拠や理由があっての仕事で、同じように社会で仕事をしているものとしては理解できる。
登場する50代女性は、20代当時は完全なる男社会の中で仕事をしていた。
ある者はうまく利用し、ある者は敢然と戦いやってきたというのは、現代の働く女性に通じる道を作ってくれたのだろうと思いを馳せる。
舞台の事務所がどうにも陰鬱だ。
もっと雑談したりコミュニケーション取るとかして、もっと人間関係円滑にできないものか⁈と思うほどギスギスした職場だなと感じた。公務員だからだろうか、キャラクターがほとんどイヤミで読んでて辛くなってきた。
県税事務所という舞台を垣間見れて面白かったが、話が前後したり、登場人物のイメージ浮かぶ前に苗字のみで登場するので、「これは誰が話しているのか?」とか「これは過去の話なのか?」と戸惑うことが多かった。
またイメージしにくい比喩がいくつかあり、物語に入り込めない箇所もいくつかあった。
きみはだれかのどうでもいい人、というのは「この人も誰かの家族だと思うと優しく接することができる」という応対からの由来。
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太宰治賞作家が描く、言葉にならずにわだかまっていた感情が豊かな表現で繊細に描き尽くされた傑作!
タイムライン
https://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
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まずタイトルにやられた
ドキッとした
なかなかの度胸のあるタイトルである
(「きみはだれかの大切な人…」が一般ウケなはず!)
ある職場のストーリーを4人の女性視点から描いている
人間のもつ無意識な残酷で辛辣な部分
誰しもが隠したり誤魔化したり気づかないふりをする奥底に潜む本心
情けなくて弱くて痛ましい存在
誰もが隠し持っている本心
この4人は私たちの代表選手だ
多かれ少なかれ何か感ずるものが誰しもあるはずだ
人を思いやりましょう…なんて話しではすまない人の奥底の凶暴さを感じた
良かれと思ってした行為が誰かを傷つけ、
正しいという思い込みがその人を歪め、
価値観の押しつけが不調和を生み、
そして…
「だってきみはだれかのどうでもいい人だから」
自分の常識にとらわれ過ぎていないか
人をいつも評価していないか
自分と違う価値観を受け入れているか
一番の恐怖は傷つくことよりも
何の意識もないような錯覚で無意識に誰かを傷つけていることに気付かないことではなかろうか
いやもしかしたら正しいと思って行った行動かもしれない
そんなことが人の足元をすくうような恐怖を与えることがあるのだ
人はとても残酷で弱くちっぽけな存在である
生きていくだけで結構いっぱいいっぱい
不器用で混乱して破茶滅茶で…
だからこそ共存し合っているのだろう
そして勝手に許し合って無意識に手を取り合っている
多くを考えさせられ、心に響いた
この本と出会ってよかった
作品はテンポ良く、読みやすくまるでミステリー
良くも悪くも矢継ぎ早にたたみかけるように進行する文章
英語のように感じる各センテンスの構成である
個人的にはもう少し「間」とか「空間」的なものがあると読みやすいのだが…
1文ずつの濃度(中身ではなく言葉的な部分)が高く少々疲れる
きっと頭の回転の速い方なのだろう
もう少し押しと引きのバランスが良いと心地いいのだがと感じたがこれも個性だ
どこかでこの人の文章を見たら気づける気がする
鋭い感性と巧みな文章
今後どのように成長されるかとても楽しみな作家さんである
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これはすごい。久々にヒット。
ブクログで当選した本。やっと時間ができて読めた。それでも少しずつしか読み進められなかった。
内容はまぁ他の人のレビュー通り。
一章ずつ視点が違うけど、ちょっとずつ時間が被っていて、あの発言はそういう背景があったのか!と前のページに戻って読み直したりした。一つの本で何回も楽しめる。こういうの好き。
そして一章読み終えると、あぁ、なるほどな…と章のタイトルの意味が分かって、それがダブルミーニングだったりして、おぉ…、そういうこと!となったりする。
流して読むとただの公務員大変だな、職場っていろいろあるよね…な話なんだけど、考えながら読むと結構一つ一つの文章が、え、そういう意味だったのか!とかいう発見が多くて楽しい。
強いて言うなら、途中から、彼女は、とかあの女、あの人とかの表現が誰が誰なのか分からなくなることが何回かあった。あの女、と書かれてるのは全部xxさんかな?とかパラパラ見返してみたりしたけど、そうじゃなさそうな部分もあったりして、そのあたりが統一されてたら、今誰のこと言ってるんだ?というのも謎解きみたいで面白かったのになぁなんて思った。あとは、カギカッコでくくられていない部分は、心の声なのかな?と思って、カギカッコのみで読んでみたりしたけど、会話が通じない部分があったりして、心の声だけではないのか?と少し意味わからなかったりもして、そのあたりがきれいに書かれていたら、完璧だな、と思った。
初めて読む著者だったけど、何冊か読んでみようと思う。
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全4話、県の振興局(と言っていいのか?)で働く女性たちの話。
徴収とか人事とか総務とか、身近な話題。
と思いきや、登場人物みんな何となく病んでて読むのが少ししんどかった。
特に最後の堀さんの話。
こじらせているというか面倒くさいというか、なかなか読み終わらなかった。
自分が考えてることと、実際人が考えてることってやっぱり違うんだな。
先入観とか思い込みって怖い。
人とうまくやるのって難しい。
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タイトルに惹かれました。
「君は誰かの大事な人」とかそういうフレーズはよくあるけど、この毒の利いた感じ、このミもフタもない感(笑)、たぶん自分は好きなヤツ、と感じました。
改めて考えてみたら、多くの人にとって「大事な人」よりかは「どうでもいい人」の方がはるかに多いはず。ただどうでもいい人は普段は意識しないからそんなことも考えないでしょう。
そしてここでは「どうでもいい人」は職場の同僚と来たと。なるほどなぁと。
まずはさすが太宰治賞受賞された方だなと文章が丹精な印象です。言葉の選び方、心理の描写の仕方、作品数はそれほど多くなさそうですが手練れ感があります。
それぞれの登場人物の性格が際立っています。
「かわいそうに。あんたの方が死んでおけばよかったのにね。」ある章で登場人物が心の中でつぶやくのですが、ワサビがつんと利くべきところで利いたようなざわっと感と痛快感がありました。
第3章に出てくるような人はざらにいますね。でもそれをこのようにあからさまに描写しきるのは中々すごいことだと感じます。ただ、あの子とか、名前を書かないで過去を振り返る部分の描写がちょっとわかりにくく、こんがらかる箇所が何か所か感じられました。
そして第4章はちょっと哲学的な感じがします。そのせいか、言いたいことはわかるのですがちょっと言い回しや会話が回りくどい感じがしましたね。
でもとても面白かった。違う作品も読んでみたいと思いました。
ブクログさんのプレゼントでいただいた一冊です。
正直、当選しなければ知らないままだった作家さんだったと思います。「ほんとに当たるんだ!」と驚き、そしてこのような作家さんとの出会いをいただいたことに感謝します。
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◯職場の人間関係について、それぞれの登場人物が語る形式で話が進んでいく。異なる登場人物の視点に移るごとに、一面で捉えていた人物像が異なって見えてきて、「嫌な奴だなこいつ」と思っていた人物も、それぞれ事情を抱えて生きていたことが見えてくる。
◯それはまさにタイトルにあるとおりの世界が展開されているのであるが、読むほどに、この悲しいタイトルが自分たちの日常に肉薄してくるほど共感できる
◯丁寧な心理描写の先に、それぞれの出来事で見れば大したことのないことでも、積み上げていくこと、生きづらいこの社会において、いつでも崩れそうな危うい自己を発見する。
◯この共感性は大衆小説の重要な部分であると思うし、そこには悲しい現代の普遍性が内在すればこそではないだろうか。
◯この小説の展開自体には、あまり救いがないように思える。しかし、この個人ごとに視点を移すという構成で生じる共感性にこそ、著者による救いが示されていると思う。
◯それはこの生きづらい我々の社会における、1つの示唆になるのではないだろうか。
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同じ職場で働く4人の視点から書かれる連作短編集。
タイトルに惹かれたが、内容は思った以上に苦しいものであった。
「そんなの、知らねえよ」私もそう言いたくなる場面は度々遭遇する。
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タイトルが気になって購入した一冊。
県税事務所で働く女性達のそれぞれの視点で描かれた一冊。
読み進める度にモヤモヤして心が重たくなっていったんだけど、それでも読むのを止められなかった。
モヤモヤさせられながらも最後には不思議とスッキリさせられた。
社会で生きることの生きづらさをまざまざと見せつけられるけど、どこかで勇気づけられている自分がいた。