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生まれながらの犠牲者
自宅で寛いでいた警察署長フェローズへ、事件の報がもたらされる。成績優秀で礼儀正しいと評判の13歳の美少女、バーバラが行方不明になっていると、母親が電話をかけてきたというの...
生まれながらの犠牲者
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生まれながらの犠牲者 (創元推理文庫)
商品説明
自宅で寛いでいた警察署長フェローズへ、事件の報がもたらされる。成績優秀で礼儀正しいと評判の13歳の美少女、バーバラが行方不明になっていると、母親が電話をかけてきたというのだ。彼女が姿を消した前の晩、バーバラは生まれて初めてのダンスパーティに出掛けていた。だがパートナーの少年や学校関係者を調べても、有力な手がかりはつかめない。家出か事故か、それとも誘拐されたのか? 地道で真っ当な捜査の果てに姿を見せる、誰もが息を呑む衝撃のラスト――。本格推理の妙味溢れる警察小説の名手として名高い巨匠の、鮮烈な傑作を新訳で贈る。/解説=大矢博子
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紙の本
原題は“BORN VICTIM”。
2019/10/22 02:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
<創元推理文庫創刊60周年記念>・<名作ミステリ新訳プロジェクト第9弾>、と力が入っておりますが、それだけ期待できる実績ありです。なにせヒラリー・ウォーだから!
コネチカット州のストックフォードという小さな町で、成績優秀で品行方正おまけに眉目秀麗という13歳の美少女バーバラ・マークルが帰宅してこないと母親から警察に連絡が。ダンスパーティーの翌日のことだったので遊びに行ってまだ帰ってきていないだけではと考えた警察署長のフェローズだが、事態はそんな単純なものではなかった。事件であると判断し、一斉捜査が行われるが、小さな町故の人出の足りなさもあってバーバラの行方は杳としてつかめない。いったい、バーバラは何故姿を消したのか? 警察はひたすらに地道な捜査を続けるが・・・という話。
ほぼ同じプロットである『失踪当時の服装は』では、行方不明になったのは18歳の大学生だった。しかし今回は13歳なので・・・それだけで事件の性質が変わるのです。そして名探偵的な人物は登場せず、コツコツと手掛かりを集めて可能性を一つ一つつぶしていく、という捜査の基本が。アメリカの小説なのになんとなくイギリスっぽい感じがしてしまうのは、この地味さ加減であろうか。それとも時代的なものか(本作が書かれたのは1962年)。
そして、ほんとに最後まで犯人がわからない。
途中で「もしかしてそうかな?」と感じはするんだけど、確証が得られるのは最後の章の7ページ分。冒頭から積もりに積もったものが爆発するかのような、滑り落ちて崩れるかのような慟哭。
そこでタイトルの『生まれながらの犠牲者-BORN VICTIM』の意味がずしんと突き刺さり。
・・・あぁ、これまた立ち直れない。
紙の本
余りにも身勝手な動機
2023/08/31 22:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:pinpoko - この投稿者のレビュー一覧を見る
「失踪当時の服装は」と対になるような設定の作品らしいとのことで、前作に引き続き読んでみたが、似ているのは事件の概況と外見だけだ。そして殺人事件を日常業務として扱う警察には中々真相が見えにくい事件だという点が前作とは違う点だろう。
ネタバレなしに感想を書くのはとても困難な事件だ。事件当初からの不可解で、どこか別の世界に行っているような関係者の説明がすでに不信感を抱かせるに充分だと思う。
とにかく被害者の周辺にこの事件を企てるような密接な関係をもっていた人物がほとんど見当たらない。家族も友人もいないか、いても絶縁されている、または誰にも関心をもたれていない。この事件の動機はすべて、この寄る辺のない孤独からきていると思う。
そんななかにも被害者には愛情を注ぐ相手がいた。ただしその愛情はかなり歪んでいて、自己満足のため、相手と自己を同一視しているだけとしか思えないものだ。お金や物が愛情の表現なんて、この人物は誰にも愛情を注がれたことがないことがよくわかる。
まずは相手をひとりの人間として、自分で考えさせ、自分で人生を選ばせることを教えるのが本当の愛情なのではないだろうか?境遇が同じように見えても、立ち向かう人間は全くの別人なのだから、どんなカードを引くかはそのひと自身だ。
この容疑者にはここのところを理解してほしかったと感じることしきりだった。
他の方のコメントには作品発表当時の1960年代だからこその犯罪だという意見も見られたが、愛を言い訳にして相手を死に至らしめる事件は現在でも数えきれない。男女だろうが家族だろうが、自分の人生の決定権を勝手に他人に行使させるなんてやはり間違っている。この容疑者も少し落ち着いたら、どんなにとんでもないことをしでかしたのか気付くときもくるだろう。ぜひそうであってくれなければ、いつまでも恨みと自己憐憫に浸っているだけの人間で終わってしまう。
たぶん、愛というのはそれを言い訳にした瞬間から、その言葉とは似ても似つかぬおぞましいものに変化してしまうものだと思う。
残念ながら、読後感が余りに悪く、作品そのものの価値も落ちてしまう結果になったのは残念としかいいようがない。
電子書籍
警察モノ
2023/02/17 23:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
かなり古い時代の警察ミステリーです。警察署長フェローズに事件の連絡が入ります。美少女で成績優秀で礼儀正しい13歳のバーバラが行方不明になったと、母親が、フェローズの自宅へ電話をかけて来る……。読み終えて、タイトルが……
電子書籍
犠牲者は誰なのか
2020/05/17 09:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
虚実乱れる証言を手掛かりにして、いかにして地方警察が犯人に辿り着くのか見ものです。平凡な少女失踪事件の背後に潜む、1960年代アメリカが抱えていた社会問題についても考えさせられます。