日本には民主主義がない!?
2021/08/01 13:38
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投稿者:段村優介 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今、香港で現在進行形で起こっていること。
これは我々日本人にとって決して対岸の火事などではない。
香港から日本の大学に留学してきた若者が日本の若者と話してとても驚くことがあるという。
それは日本の若者の自分の国の政治に対しての関心の低さだ。
香港では普通選挙をしたり、中国共産党を批判したりする自由はない。香港人たちは自由と民主主義を守るために日夜、命を懸けて戦っている。
その香港人の目から見て、せっかく持っている自由と民主主義という名の「特権」を自らの手で放棄する日本人の行動はとても信じがたいというのだ。
日本は30年にも及ぶデフレ不況の国だ。30年もデフレが続く国など世界広しといえど日本以外にはない。
これは自民党によるまちがった経済政策のせいである。
いつの間にかGDPも中国に抜かれてしまった。
そこに今回のコロナショックである。
本来なら手厚い金銭的補償を政府がやるべきで、実際、諸外国では、消費税減税や所得補償など様々な政策が行われているが日本ではごく少額の感染拡大防止協力金が支払われただけである。しかも、それでさえ書類の不備などを言い訳に半年以上滞ることがザラだという。
一方で、国民の半数以上が反対するオリンピックは莫大な税金を投入し、強硬的に開催する。
このような惨状にも関わらず、それでも日本人は政治に関心がなく「誰に入れても同じだから」という理由で選挙にすら行かないという。
民主主義が機能するためには、その国の国民が自分の国の政治に関心を持ち、それをよりよいものにするために積極的に参加することが必要不可欠である。
自らの意思でそれを放棄しているという点で、今の日本には民主主義がないに等しいといえる。
こんな状態がつづけば、将来、香港の如く、本当に自由と民主主義がなくなってしまうことがあるかもしれない。
大事なものの価値は失ってからでなければ気づけない。しかも、一度失われてしまったものを取り戻すのは難しい。それを香港人たちが教えてくれる。
今、我々日本人がやるべきこと。それはこの現実の世界で起こっていることを知ろうとすること。それに目を向けることである。
この本を読むことであなたはその一歩を踏み出すことになる。
デモの状況が分かりやすく書いてある
2020/08/14 21:50
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投稿者:ねる - この投稿者のレビュー一覧を見る
香港のデモについて連日ニュースになっていたが本書にてリアルなデモの状況を知ることができました。香港の現状や中国との関係性など詳細を知らない人でも読みやすい内容になっていると思います。内容が香港のデモ内容に特化しており独立派の視点で物事が記載されています。本土派や中国人の意見がもう少し記載されていると中立的な立場で読めると感じました。事実が書いてあるのは間違いないと思いますが、逆の立場だとどうなんだろうか?という疑問が出ました。香港について改めて調べたいと感じる一冊になっています。
デモ現場の生声から考えることができる
2021/03/27 21:51
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投稿者:ひでくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
香港デモについてはマスメディアの報道で知っているのみだったが、雨傘運動と今回のデモの違いが肌感覚でわかった。お祭りのような運動から、より事態は深刻になっていることがデモの実態、証言から感じられた。
ルポルタージュとしては中途半端
2020/12/18 11:55
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投稿者:コアラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ルポルタージュとしては中途半端だが,げんっざい進行形の事件なのでしょうがないか。ただ在米華人の鋭い中共批判と較べると視点があまい。日本ではどうしても北京政府に遠慮してしまうのか。マスコミに浸透している中共マネーに忖度しないと本を出してもらえないのか。ネットで読める程度の内容。買ってまで読む必要はない。
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手に取ったのは可決された翌日だった。
市民にも警察にもそれぞれの思いがあって、自由を求めていた。
市民たちのもどかしく命がけの活動が報われることを祈っています。
何かできることがあれば応援したい。
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著者の小川善照(1969年~)は、東洋大学大学院修了のフリージャーナリスト。『我思うゆえに我あり 死刑囚・山地悠紀夫の二度の殺人』で小学館ノンフィクション大賞(優秀賞)を受賞している。
香港では、1997年の英国からの返還以降、返還時に中国が高度な自治を保障した「一国二制度」を守るために断続的に抗議行動が行われてきた。2014年には、2017年の香港行政長官選挙をめぐって、中国政府が民主派の立候補者を実質的に排除する選挙方法を決定したことに抗議する数万人の学生・市民が、79日間に亘って繁華街を占拠する「雨傘運動」が起こった。
更に、2019年には、3月に逃亡犯条例改正案に反対するデモとして始まったものが、6月には、「普通選挙の実現」などを含む「五大要求」の達成を目的とする民主化デモとなり、一連のデモのうち、6月16日のデモでは、主催者発表で約200万人が参加する、香港返還以降で最大のデモとなった。このデモは、ブルース・リーの言葉「Be water」をスローガンとし、「水革命」とも呼ばれた。2020年に入り、新型コロナウイルス感染症の拡大により大規模デモが中止される中、5月には、中国の全国人民代表会議で、反政府活動を禁止する「国家安全法」の香港への導入が審議され、強烈な抗議運動にもかかわらず採択された。中国政府は「香港の安定した繁栄を守るための措置であり、一国二制度は守っていく」と同法導入を正当化したものの、事実上、一国二制度を廃止して、中国への吸収を図るものといえる。
本書は、こうした香港における一連の民主主義運動の現場を取材し、どのような人びとが、どのような思い・覚悟を持って、どのような方法で戦っているのかをレポートしたものである。
私は、香港返還以降の香港(民主派)と中国の対立について、自由と民主主義を守ろうとする香港と、共産党一党独裁の下に取り込もうとする中国の対立と捉える限り、完全に香港を支持するし(日本人の多くは同様であろう)、本書のようなレポートや報道に接するたびに、そうした運動に参加する人びとを応援したいという思いを強くする。
歴史を振り返れば、民衆による運動が、時の潮流を変えたことも少なくはないが、圧倒的な力を持つ今の中国に対抗して、香港が現状を打開することはできるのだろうか。。。
本書の末尾で、香港民主化運動の象徴である周庭(アグネス・チョウ)はこう語っている。「私には仲間がいます。この戦いは、一人ではなく、仲間がいるから続けられる。それは、香港衆志の仲間、民主派の仲間だけでなく、日本から応援してくれる人も含みます。そんな仲間がいる限り、香港の民主化、市民の権利のために、戦い続けたいと思います・・・私も香港人も、絶対に諦めませんから」
今の私にできることは、残念ながら、この問題に関心を持ち続けることしかない。。。しかし、心の中で応援をしながら、きちんと行方を見届けるつもりである。
(2020年6月了)
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23年前の香港返還、返還式典の中継をテレビで視ていた。その時は香港のパワーで中国の民主化が、緩やかで共産党の独裁は揺るがないにしろ、進むのではないか、と仄かに期待もしていたが、今は中国のパワーが香港を飲み込もうとしている。
帝国主義の遺物が姿を消すのは本来喜ぶべき事なのだが、今の香港を見るとあのままイギリスの統治下にあった方が幸せだったのではないか、と暗澹たる気持ちになる。
日本を身近に感じてくれる多くの香港人がおこす香港の為のデモを、支えていきたい。
中国人の中で、このデモに無関心な(又はそもそも起きている事を知らない)人々に読んで欲しい。
ジュンク堂書店近鉄あべのハルカス店にて購入。
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香港デモ、と聞いて思い描くのはテレビで見たとてつもないくらい大勢の人が集まっている光景。とTBSラジオ.荻上チキ Session-22で扱ってたな。程度の知識だったけど、たまたま書店でこの本の表紙を見たときに「あ、読みたい」と思った
特に時期的にアメリカでもBLMが叫ばれた頃だったのが引き金だったのかもしれないし、日本の政治もたくさんの不信感を感じさせていた時期だったかもしれない。
平和的な雨傘運動とそれをある種の反省とした勇武派の活動。それに対する政府というか警察、どちらもどんどん過激化していき同じ香港に住む人達が分断されさらに憎み合う負のスパイラルにも見えもするが、やはりその国に住む人達がそれぞれ互いの形で国を想いの表しかたなのであろう。
本書では分量的には多くはないが警察側の視点や親中派や日本での中国人の側の考え方も書かれている事で厚みがでていて良かったと思う。
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雨傘運動から、2019年のデモまで、フラットな目線で取材されているように読めた。戦いの終わりは見えないが、まずは事実と背景がしっかりと理解されることから日本側の関わりは始まると思う
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どこまでも/逃げよ逃げのびよ/いつの日か/草、はびこり/砂、城を覆う//
にぎわいし/かの別天地/今は無し/愚かな風に/港の香ぞ散る//
『「獄」という字—両側は「犬」で 真ん中は「言葉」だ /中国の牢獄は人間ではなく言論を監禁するものなのだ』(陳 邁平、翰光著「亡命 遥かなり天安門」より)//
テレビ観る/つかのま隅に/煙ふかし/邦捨つるほどの/思想はありや//
香港人かく戦えり。では、翻って僕らはどうか?「亡命 遥かなり天安門」を読んだ後と同様、彼らの生き方は鋭くこちらの生き方を問うてくる。
国家安全維持法の導入により、彼らの戦いは敗北に終わったように見える。だが、リベラルスタディーズで鍛えられ、200万人デモさえ現出させた彼らの民主への渇望と抵抗のしたたかさを僕は信じたい。
以下は、雨傘運動の際の著者からジョシュア・ウォン(黄 之鋒)へのインタビューの一部だ。
『—日本の若い世代にメッセージを。
「日本には民主主義があるが香港にはない。だから、ぼくは、今ここにいて戦っている。日本の若者たちは、今ある民主主義を大事にしてほしい。民主主義はどんな間違った政治でも改善することができる。民主主義によって、政治は官僚たちだけのものでなく、若者のものにもできるのだから。」』
『実は、雨傘運動後に来日した「民主の女神」こと周庭(アグネス・チョウ)に、こう言われたことがある。—中略—
「日本のアニメやマンガは、自分たちを抑圧する大きな敵に対して、反抗する物語が多いのに、なぜ、日本では、社会運動が起こらないのですか?」』
2018年の立法会議員補欠選挙における周庭の応援演説から:
『「諦めないでください。手にしている一票を軽んじないでください。個人の力を軽んじないでください。生きている心は誰かを動かせるから。諦めないで努力し続けていけば、いつか必ず成果を得られると、私は信じています」』
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2020年10月に読んだが、現時点で体系的に得られる最新の香港:中国における一国一制度に向けた、容赦ない力ずくの動き、それに対する香港人・中国本土寄りの人々との軋轢等も知ることが出来た。
日本初の「オタク」文化が、こんな所にまで影響し、巨大な力を発揮する支えの一部になっているとは面白い。
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2014年の雨傘運動から、コロナ前2019年のデモまで、現地を取材し参加者の声を伝えるルポ。民主思想の中でも異なる考えを持つ派閥があることや、平和的な雨傘運動が結果を残せなかったことで、より過激な主張が支持を集めていく背景を知ることができる。
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香港という存在は、僕にとってはやはり映画でしょうか。ジャッキーチェンを始めとする香港の映画はとても面白かった。アクションが痛快で夢中になって見ていました。
子供の頃、国の違い何て大した違いとは思っていなかったので、中国はなんて面白い映画を作る人たちなんだろうと思っていました。
授業では教わっていたものの大して気にも掛けていなかったので、1997年の香港返還のニュースが流れるまで、香港が英国領であったことすら忘れていました。
民主主義で育った人々が監視社会である中国に取り込まれた時にどうなるのだろうと思っていましたが、一国二制度という方針になって50年は元の状態が保たれる事になりました。
50年後なんて遠い未来の話のようでしたが、2047年には完全に中国本国に完全に取り込まれることになります。
既に今自由が失われつつ有り、中国本国からの土地の買占めなどで住宅事情も悪化して、自分たちの土地で有るのに高すぎて手が出ないという状況に陥っています。移住者もどんどん増え、体制自体が中国と同化する方向に向かっている事で、既にして中国の思うがまま香港が変貌しています。
そんな中若者が悲壮な決意でデモを繰り返し、民主主義を守る為戦っています。
この本は、そんな学生含む若者の素の姿を描いています。日本ではきっと60年代安保の時の姿と被るのかもしれませんが、彼らにとっては真実自分たちの未来を守る戦いです。
あとわずか27年後には完全に民主主義が消え、社会主義の監視体制の中生きて行く事になる。これは自分たちに置き換えると本当に耐えがたいし、やりきれない事です。当然文化も消える事になるでしょう。本も映画も国にお伺を立てて許されたものだけになる事でしょう。
デモに参加した事が分かるだけでも将来に影響が出るし、へたをすると連行されたまま帰って来られないなどの事も考えられます。出版社の人たちが軒並み失踪するなど不可解な事件も起こっているそうです。そんな非常に恐ろしい状態で戦い続ける彼らの精神力は物凄い・・・。
これからの香港の情勢にも注目していきたいと思います。
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若者が政治に関心を持たないのは、国政が上手くいっているからであって、問題とは思わない。こうしたニュアンスが我が国の党首討論で発言されたが、私も基本的には同感だ。民主主義を維持するために、若者が立ち上がる。しかし、実際には、若者は選挙にいかない。別に矛盾している訳ではない。いつでも政治を変えられるという前提の維持こそ重要だからだ。
中国共産党が、香港の選挙に口出しし、体裁は保ちながらも内実は共産党の指定候補者しか立候補不可能。この選挙制度に抗ったのが2014年の雨傘運動で、催涙弾やペッパースプレーの噴射を防ぐ傘がデモの象徴となった。年月流れ、本著はその後の逃亡犯条例を巡るデモを取り上げる。
デモ隊にも民主派、自決派、本土派など、微妙に主張やアイデンティティが異なる点は国外からは見え難い。彼らの敵、理想は何か。中国共産党は、一国二制度の体面を保ちながらも、民主主義を巧みに破壊する。怖いのは、これが台湾を含む党略の成功体験になる事だ。
上海人や広東人は政治よりも商売に関心を向けている気がしてならない。中国共産党でも別に良い。党が司法、軍隊、警察権と分離独立されず、民衆を好き勝手に逮捕して思想教育できてしまうのが怖いのだ。こう言っていたのは私の友人だが、まさに。
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香港デモ戦記、という名前のまんま。自分自身香港にそこまで思い入れがなかったこともあり、2014年の雨傘運動はあまり追いかけていなかったが、そこまで遡っていたのはよかった。著者がつたない英語で必死にコミュニケーションをはかった的な表現が何度も出てくるのは一体なんなんだろう?と思わなくもなかった。自分自身が北京滞在を経た2019年にはかなり熱心に当時のメディアを追いかけていたのでいろいろとその頃の映像がフラッシュバックした。
ただ何となく全体的な潮目が変わったとい思えるような出来事(救急隊の人が失明、転落して亡くなった最初の被害者、大学立て篭もり、飛行場でのたてこもり、拳銃で撃たれてしまったデモ隊、英国大使館勤務の人間が深圳で逮捕等)が触れてなかったり、それとなくさらりと書かれていたりというのが気になった。中国側で武装警官が訓練したりとかもしてた気がするし、特にイギリスやカナダにおいて現地の香港人と中国人の対立なんかも包括的になんかまとめてある読み物があったら読んでみたいものだ。