日本SFの奥深さを思い知る
2022/08/28 07:11
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投稿者:buroran_2nd - この投稿者のレビュー一覧を見る
ほとんど読んだことのない作家ばかりだが、レベルは高そう。
詳細な編者解説は資料性も高く必読。
魅力あふれる様々な作品たち
2022/02/25 10:48
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投稿者:kkzz - この投稿者のレビュー一覧を見る
すべての作品に異なる魅力のある、幅広く素晴らしい作品選び。個人的に特に気に入ったのは石黒達昌さんの「雪女」。
広義のSFアンソロジー
2021/07/09 07:10
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投稿者:HR - この投稿者のレビュー一覧を見る
個人的にアンソロジーは、けっこう面白い作品が2つ入ってたらアタリ、という気持ちで読むのですが、その点ではこの本は大当たりでした。
収録作の大半が面白いし、あまり好みに合わないものでも何かしらの発見というかヒントのようなものが得られる作品ばかりだったように思います。
あと自分はSF読者という感じではないので、SFの定義がゆるいアンソロジーほど好ましいというのもありました。
それと編者である伴名練氏の詳細すぎる解説が素晴らしい。
個人的に特に面白かったのは「DECO-CHIN」、「ぎゅうぎゅう」、「笑う宇宙」。
「DECO」はあけすけな物言いが面白く、その後の演奏描写の迫力に圧倒されました。自分のなかで中島らものイメージがかなり変わりました。他の作品も読んでみよう。
「ぎゅうぎゅう」はいわゆるワンアイデア的な世界観を固める、細かな描写やエピソードがすごい楽しかったです。
「笑う宇宙」についてはあまり詳しくは言えないのですが、年に一回こういう雰囲気の話を読めると精神衛生上たいへんよろしいように思います。
これからも面白い作品を続々発掘?していただければ大変ありがたいものです。
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短編集の各話が選りすぐりであるが故に、読むことに非常にカロリーを使った。というより連続して複数話読むと胃もたれした。
怪奇編とはいえ単純に怖いものではなく、どこかおかしな、奇妙な、ちょっとゾワっとするSF短編がまとめられている。
どれも面白いのだが、個人的には雪女が好きだった。
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収録作もそうだが、伴名練氏による圧倒的な情報量と情熱のこもった各話解説がなにより読ませるという希有のアンソロジー。収録作ではまるでウルトラマンの一エピソードのような「黄金珊瑚」(潜入するふたりはアラシとイデ隊員だなあ)とか、本文より執筆動機や書かれなかった続編「VS火星人」のほうが笑える表題作なんかが印象的。
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伴名練編『日本SFの臨界点 怪奇篇』読了。今世紀のSFアンソロはそれなりに読んだつりもだけどこんなにも刺さるものはかつてなかった。本編の面白さもさることながら編者の著者紹介や編集後記を読むにつけてあれもこれも読みたいという欲求が膨れ上がっていく。とりあえず恋愛篇をすぐ読まねば
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自身もSF作家である伴名練氏が、溢れるSF愛を胸に編纂した2冊組みのアンソロジー。「恋愛篇」に続いて、こちらも読了いたしました。
SFとホラーは、本質的に親和性が高いと鴨は思っています。なぜなら、どちらも「読者の想像力に全幅の信頼を寄せ、その想像力を喚起することに全力を投球する」ジャンルであるから。昔からSFホラーの名作と言われる作品は数知れず、多くの作品を生み出しているクロスオーバーなジャンルです。
作品の母数の多さを生かして、面白い作品がわんさと収録されているんだろうなぁ・・・と思いつつ読み進めたんですが、うーん、「恋愛篇」よりも玉石混交感は強いかな・・・。こればっかりは好みの問題ですので、単に鴨の好みに合わなかったというそれだけの話ではあるのですが、正直いって「つまらない」と評価せざるを得ない作品がいくつかあって、残念ながら印象はイマイチ。「恋愛篇」と同様、無理に「怪奇篇」という名の下に編纂する必要あり?と思ってしまう編集方針も、ちょっとモヤモヤします。
もちろん、面白く読めた作品もありますし、まぁベクトルが合わなかった、ということなんでしょうねー。アンソロジーは主観的な好みがどうしても大きく反映してしまうので、満遍なく楽しむのはなかなか難しいですね。
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たぶんほぼ全て未読。
印象に残ったのは
『ぎゅうぎゅう』
『黄金珊瑚』
『A Boy Meets A Girl』
『雪女』
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ホントSF好きなんだろうなぁ、判名さん。
この解説の熱さはすごい!
ある意味、本編より目立つ!
その更に上をいくDECO-CHINのインパクトはエグい!
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2020-08-27 「日本SFの臨界点[怪奇篇] 」読了
あ、恋愛篇のほうが先だったのか。って本編にはなんの影響もないけど。後書き読んで気がついた。
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SFアンソロジー。怪奇篇、ということで、ホラーといってもいいものが多いですが。奇妙な物語、というくらいのニュアンスのものがほとんどかな。怖いというよりは案外ユーモラスなものが多いです。
お気に入りは中田永一「地球に磔にされた男」。いったいどうなってしまうのかどきどきさせられる展開です。どのような結末になるのかは……読んでのお楽しみ。
津原泰水「ちまみれ家族」はもうこのタイトルだけで気になって仕方のなかった作品です。うん、たしかに血まみれスプラッタ。だけど怖いというよりは完全にギャグなんですね。かなり大変そうですこの家族。
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SFというかファンタジーかなぁ
発想とオチが素晴らしい作品群。短編だからすぐに読めるのが良い。でもSFとしてみるなら物足りないかなぁ。
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「恋愛篇」が今一つだったので、あまり気乗りはしなかったが、素晴らしい作品・作家に出会いたいとの一念で読み始めた。
なかなか読書スピードが上がらなかったのは、やはり序盤の掴み、掴まれ方に関係していると思う。これが良ければ長編でも苦にならないが、悪いと何回も読み直しをしなければならない。
本書で一番気に入ったのは、光波耀子の「黄金珊瑚」。だいぶ前の作品だが、アイディア・設定等に優れ、話の流れも良い。きっかけさえあれば一流のSF作家になっていたのではないか。
自分に合うSF作家の発掘は今後のためにも必須であるので、定期的に素晴らしい作品・作家との出会いを求めて定期的にアンソロジーを読み進めたいと考える。
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かなりディープなSF短編集
それぞれの短編の切り口もさふことながら気合の入った編者のコメントも見所あり
SF読み、も極めればもはや学問と感じた
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伴名練が度を超えたSFオタクということもあって、日本SF史い埋もれた名作や作家を発掘してあげようという意図が強く、面白さよりも珍しさ (他で取り上げられてなさ) を優先しちゃってる感がちょっとあった。怪奇SFということで、ホラーを期待してたんだけど、ホラー作品はまったくなし。
「地球に磔にされた男」はとても良い時間SFだった。奇妙さすらなく、美しい話だったが。
中島らも「DECO-CHIN」★★☆☆☆
- 身体の奇形化がサブカルチャーとして一般化している世の中、音楽ライターの主人こつが偶然であったバンドは奇形メンバーで構成されていた。そのメンバーに加わるために主人公も自身を奇形化手術を受ける。
- なんやそれ、という終わり。
山本弘「怪奇フラクタル男」 ★★★☆☆
- おバカSF的なショートショート。フラクタル図形のように体から小さい自分がニョキニョキ生えてきたヤクザの親分。最後はメンジャースポンジのように穴が空 いて体が軽くなって宙に飛んでいってしまう。
-
田中哲弥「大阪ヌル計画」★★☆☆☆
- 再びおバカSFショートショート。大阪人は道を譲らないから街中でぶつかりまくって喧嘩になり、殺し合いになっていた。そこでぶつかっても良いようにヌルヌルの素材の服を着ることに、という話。
岡崎弘明「ぎゅうぎゅう」★★★★☆
- これまたバカSF気味な作品。誰もが立って暮らすほど人が増えて、文字通り「ぎゅうぎゅう」な世界。寝る時だけ座る。ショーギダオシの恐怖。いつも隣りにいたマミが死んで西へ運ばれたが、数年後マミはまだ生きていると知ったミルは禁断のリョコーに出る。
中田永一「地球に磔にされた男」★★★★★
- 懐中時計のような形をした時間跳躍機構によるタイムトラベルもの。カチっとボタンを押すと10年前に飛ばされるが位置が修正できないため、宇宙空間に投げ出されてしまう。そのため、10年前に飛んだ直後に再び10年後、つまり現在に再び飛ぶように作られてる。しかし、そこは別の時間軸の現在、つまりパラレルワールドだ。そこには自分と違った道を歩んだ「自分」がいる。成功した自分、惨めな自分。初めは成功した自分を殺し、なりすましてやろうと企んでいたが、次第に様々な自分から学び、精神的に成長していき、最後は「地震で自分が亡くなっていた世界」で生き続けることを選び、家族の幸せを願う。怪奇さは全くなく、心あったまるエンディング。
- タイムトラベル時の設定や考え方が自分の認識に一番近いため、しっくり来た。
- p138 一瞬でも過去宇宙に存在した時点で歴史の改変が生じる
光波耀子「黄金珊瑚」★★★☆☆
- 1961年の作品。ある田舎町にある学校に実験室で生まれた珊瑚のようなものが意思を持ち、人間を操り、世界を支配しようとして、その範囲を広げているという展開。
津原泰水「ちまみれ家族」★☆☆☆☆
- なんやかんや出血だらけの謎の一家というジョーク短篇。SF味は薄く、物語の展開もあまりなく、最後まで読めず。
中原涼「笑う宇宙」★★☆☆☆
- 奇妙ではあるけど、奇怪さやスリルが物足りない。
森岡浩之「A Boy Meets a Girl」★★☆☆☆
- 星間生物(boy)と人類(girl)が出会う、意味不明な物語。
谷口裕貴「貂の女伯爵、万年城を攻略す」★★☆☆☆
- 人が貂の奴隷として使われている、という設定ということで、エグみの強いものを期待したがそうでもなく。色んな生き物が擬人化されていて、ただのファンタジー (下手したらディズニー)
石黒達昌(たつあき)「雪女」★★★★★
- 本アンソロジー唯一「怪奇小説」と言えるものじゃないかと。少なくとも自分の期待していた怪奇小説、つまり気味が悪くてホラーっぽさがある小説。
- 体質的低体温症で記憶喪失の女ユキと、その診療に当たる柚木。ユキの記憶を取り戻そうと調べを進めるうちに、ユキの奇怪な生態と家族関係が見えてくる。