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投稿者:owls - この投稿者のレビュー一覧を見る
母が駆け落ちした主人公と、その駆け落ち相手の息子が同居するという複雑な設定です。みんな抱えているものが重い。旧家が舞台で、日本の伝統的な風習や料理の記述が詳しく書かれていて興味深いです。完結しているのですが、この三人がどうなっていくのか、できれば、続きが読みたいと思います。
続編もあるかな???期待しています
2020/10/29 20:07
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投稿者:さやや - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつもご飯の描写が好きで読みながらお腹を鳴らしていましたが、この作品は全編飯テロでした。夜中に読んだことを後悔。自分もあまり伝承を知らないことに気づいた。
この方の作品は日本の日常の文化、風俗というものが丁寧に描写されていて、知らなかった世界を見ることができるのですきです。
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投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
旧家である実家に仕方なく戻ってきた主人公が、実家に居候している元同級生、大叔母と一緒に生活していく話。主人公が母親に捨てられたという過去を引きずってネガティブなところが白川さんのこれまでの小説と違って薄暗く、共感しにくかったです。でも、これからの展開で何か光が見いだされるのではないか、と期待しています。
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投稿者:あゆ - この投稿者のレビュー一覧を見る
京都の家々が守り、伝えてきた伝統行事と料理が、人と神仏の関わりや各家の姿勢を見るようで面白い。物語としては、何だかポワンとした手応えで、どうなのかなと思ってしまう
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母親が自分と家を捨て、同級生の父親と駆け落ちした。旧家で祖母に厳しく育てられた茜。地元と旧家の重圧から逃れ、大学の時に県外に出たが就職難で実家へ戻る事になり、そこに居たのは母と駆け落ちした同級生の息子だった…
歪な同居生活。皆が皆お互いに依存している所があって、それでも表面上は上手くいっている。何だか切ないけど、そのバランスが心地良かったです。
九重家の食事がとても丁寧で、美味しそうでした。
茜も母親と言う枷から少しずつ離れていけると良いですね。
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「家族になる」というのは存外難しいのかもしれない。
当たり前だと思っていた「普通の家族」が何と幸せなことかと。
表はいいように装ってはいても(主人公はまだ分かりやすい方だが)大叔母も、駆け落ち相手の息子も、内心は色々なものを抱えていた。
しかも綺麗なものではないもの。
闇や醜さなどなど。
それでいて、家族、親が呪いにもなる。
怖や怖や。
実際に何処かの旧家の習わしがモデルなのだろうかと感じるほど、かなり詳細な季節行事に季節折々の料理。
その場面は楽しげであり、少し小言はありつつも、家族団欒な光景。
このまま「家族」になれるのだろう。
そう思っていたのに、平和では終わらないのがこの話。
終盤の展開は怒涛で驚いた。
一気に裏面が出てきた感じで。
それでいて、万事うまくいかない辺り、現実はご都合主義とはいかないのである。
この展開の後なので、ラストの光景もいつもの季節行事に料理のはずが、安心して読めなくなってしまった。
わだかまりや闇は残したまま、ごっこ遊びのような家族は続いていく。
まだまだ本物の家族には遠いかもしれないが、いつか雪解けがあればいいなと思う。
それにしても、主人公は本当に生き辛そう……誤解の多い人生でハードモードだなと感じた。
彼女をちゃんと理解してくれる人が傍にいてくれるといいのだが(某キャラに視線を向けつつ)
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家族って何だろうな。と我が身を振り返ってしまう本だった。
思い返すと昔からの習慣やちょっとしたお作法など、自分の家では結構残っているが、確かに生活様式がかわると、維持することは難しくなって、失われていることもきっとたくさんあるんだろうな。
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とても思わせ振りな台詞が多くて、回収しきれないままに終わってしまいました。でも、この三人なら幸せに暮らせそう。
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旧家で、主人公と、主人公の母親と駆け落ちした相手の息子、主人公の母親の養母の生活。
伯父、母親と同級生だった職場の先輩と、クセがありそうな人物も出てきていたのに、何の波乱もなく終わってしまった。
家の造りと、料理についての描写が丁寧だった分、人物の描写がイマイチで残念でした。
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日本の伝統料理や古い伝統行事に関する蘊蓄のセリフが8割なので、そういう描写が好きかどうかで好みが分かれると思います。私は日本の料理や行事にはあまり興味はなかったので、内容は少し退屈でしたが、「後宮の烏」という作品で作者さんを知ったのが理由で手に取りましたので、こういう作品を書かれる作家さんだなあ…という形で楽しみました。同じ作家さんの書いたタイプの違うお話を読むと、どんな作家さんなのか、少しだけ、わかったような気持ちにもなれました。
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登場人物たち、もっと素直になったらいいのに…と思いつつ、それが出来たらこの人たち苦労してないよな、と切なくなります。3人ともなかなか重い。
描写が丁寧なのとご飯が美味しそうなのでぐいぐい読みました。
伊勢が近いみたいだけどどこが舞台なんだろうと思ってました。参考文献みると、松阪市っぽい。
いただきものですが、こちらもシリーズなるのかな。追いたくなりました。
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カバー買い。美しい。
旧家の年中行事、細かくて手間がかかって、今となってはあまり意味のないこともあるけど、粛々と紡ぐことに意味があるというか。
効率性とか「意味のあること」を重視してると、それは得るものも大きいけど、
そればかりだと大切なことも見過ごしてしまうような。
皆が皆、同じようにせかせか生きなくても。
資本主義社会の無言の圧をふと感じる今日この頃…
昔読んだ新聞記事に書かれていた、「文系」の存在意義を思い出した。
百年も二百年も先の、未来を見据える力。
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「捨てられた」という過去の傷を引きずって生きる主人公が、別の居場所に目を向けられるようになるまでの物語だと思った。
やたら手順や決まり事の多い献立は、面倒であると同時に絡まった心を丁寧に整えるきっかけにもなるのだと思う。
母や周囲に関するぐちゃぐちゃな感情の合間に、形の決まった「献立」の描写が入ることで、激情と冷静さの合間をゆらゆら行き来するような心地がした。
主人公たちの引きずる傷の中心となる「母」の謎は明かされないままだし、傷を癒す決定的な出来事があるわけでもない。そういう意味では、人間関係をメインとした明確な起承転結を期待していると少し物足りないかもしれない。
個人的には、何かが明確に解決して「私たちは家族になった」、となるよりも余韻があって好きな終わり方だった。
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この人の描く、着物とか料理とかとても私の趣味に合う。
でも、今回は料理にも、登場人物にも焦点があたりきらず残念。
シリーズ化したらまた違う?
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物語の始まりに提示された問題は解決されないまま終わってしまったので、読み終わりはスッキリしなかった。
でも何かしら問題を抱えながらも続いていくのが生活だから、これはこれでありなのだと思う。
九重家の奇妙な家族が一年かけて再現した年中行事や献立は、この先もできる限りは繋がれていってほしい(でもきっと、この奇妙な家族関係はそう長くないのだろうなとも同時に思ったり)