電子書籍
ブロークン・ブリテンに聞け Listen to Broken Britain
著者 ブレイディ みかこ
EU離脱、広がる格差と分断、そしてコロナ禍……。政治、経済、思想、アート、映画、テレビ番組、王室、英語、パブ…など英国社会のさまざまな断片から、激動と混沌の現在を描く、時...
ブロークン・ブリテンに聞け Listen to Broken Britain
ブロークン・ブリテンに聞け
商品説明
EU離脱、広がる格差と分断、そしてコロナ禍……。政治、経済、思想、アート、映画、テレビ番組、王室、英語、パブ…など英国社会のさまざまな断片から、激動と混沌の現在を描く、時事エッセイ集。
〈目次〉
君は「生理貧困、ミー・トゥー!」と言えるか
#芸術がウザくなるとき
ブレグジットとUKコメディ
英国英語はしちめんどくさい
エモジがエモくなさすぎて
シェイクスピア・イン・エモジ
パブvs.フードホール抗争に見る地べたの社会学
緊縮の時代のフェミニズム
モナキー・イン・ザ・UK―ーMonarchy in the UK
『Brexit: The Uncivil War』 に見るエビデンスと言葉の仁義なき戦い
Who Dunnit ? マルクスの墓を壊したやつは誰だ
『負債論』と反緊縮――グレーバーが「経済サドマドキズム」と呼んだもの
グレーバーの考察――労働者階級の「思いやり」が緊縮マインドを育てる
「UKミュージック」なるものの終焉
英国ワーキングクラスの巨匠が復活――ケン・ローチとシェーン・メドウズ
多様性はリアルでトリッキーでちょっとハードーーLGBT教育のもう一つの側面
「数字音痴」の弊害――英メディアが常に予想を外す理由
『さらば青春の光』とEU離脱
ブレグジットと英国王室の危険な関係(ちょっとしょぼいけど)
後戻りができないほどの後退
闇落ちしなかったジョーカーーー『ポバティー・サファリ』のロキについて
「言(ことば)」とレゲインーー『プリズン・サークル』が照らす闇
閉じて開いて――ブレグジット・ブリテンの次の10年
ザ・コロナパニックーーわたしを英国嫌いにさせないでくれ
コロナの沙汰も金しだい
ロックダウンのポリティクスーー右やら左やら階級やら
そしてまた振り出しへ
あなたがニュー・ディールですって? 隔世の感にファックも出ない
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紙の本
本書は、まさに時事エッセイで、ブレグジットで延々議論していた2018年からコロナ禍となった2020年、なるほど英国はこのような状況になっているんだ、と、勉強になる。
2021/04/29 17:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オオハシ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ブレイディみかこさんの時事エッセイです。2018年から2020年の3年間の英国での様子が描かれている。
ブレイディみかこさんは「ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー」で大変感銘を受け、その後、いくつかの本をオトナ買いしていろいろ読んできている。 地べた地べたと良くおっしゃられているが、緊縮財政に対して明確に批判的なポリシーを持ち、いろいろ活動をなされている。 過激で独特な書きっぷりも僕はとても好意的に受け取っている。
本書は、まさに時事エッセイで、ブレグジットで延々議論していた2018年からコロナ禍となった2020年、なるほど英国はこのような状況になっているんだ、と、勉強になる。
「時事ネタを書くことは、どんどん日付が古くなるスナップ写真を残すことに似ていると思う。」と、あとがきに書かれていたが、まさにここ3年間の英国での状況をスナップ写真で届けてくださった本なのだな、とあとがきにたどりついたときになるほど!と思った、というところでした。
まぎれもない、この3年間の英国での事実、が、残されているんだな、と。
直接本書のレビュとは関係がないかもしれないが、「どこかに派」「どこでも派」の話、観点に関しては、自分が名古屋という地に帰ってきて、昨今『エリア特性』をよく意識するようになってきて、さらにコロナ禍になってずっと自宅にこもっていると、エリア特性を意識しながらも「どこでも派」なオンラインの世界な観点もあって、なんだかぐるぐるするなぁとも思いながらも、なんとなく心に引っかかったからメモとして残しておく。(2027年にリニアが開通して名古屋はもっとさらに「どこでも派」の中での『エリア特性』を出していくんだな、と思ったり)
さらにP197 の引用においては、コロナ禍でずっと在宅勤務しながら見えている世界と、また、明らかに違う世界、ということなんだなと改めて感じた。(日本は、また改めて異なるような気もするが)
本日の感想はそんなところで、以下、引用抜粋
==========
P36 ウィル・シャープの日本人キャラの描き方は、「愛憎」と言うほどドロドロしていないが、「愛蔑」とでも呼びたくなるような、対象を愛したい気持ちと蔑みたい気持ちが唐突にボコボコと突出し(たぶん彼の中でも)消化不良なので、見る者は予定調和的に笑うことができない。もしもこれを新種のレイシズム・コメディというのなら、異なる人種の両親から生まれた、複数の民族性を持つ人々が活躍する年代に入っている英国では、このタイプはこれから増えていくのかもしれない。
このことは、「確立されているように見える定義をやみくもに信じて判断を下すのではなく、自分でじっくり考えてから判断しろ。なぜならあらゆる定義はこれからまだ変化していく未確定の領域だから」と言われているようでもある。そしていまこうしたコメディが英国で生まれているのは、やはりブレグジットという予定調和的でなかった事象と無関係ではないだろう。
「あとがき」より:裏帯にも抜粋あり
現実も、社会も、歴史も、自分自身も、他者も、人生も、世の中というものはコンピューター上で何かをキャンセルするわけにはいかないもので出来ているのだ。
(中略)だから、ぶつぶつぼやきながらでも続けていくしかない。Keep thinking. Keep writing. Keep talking to each other. この時事エッセイを書いていた数年の間、わたしはそんなことを考えていたように思う。
(中略)暗い時代ほど、書き残しておくべきことはたくさん転がっているのだ。
==========
紙の本
生のイギリス事情
2021/03/27 21:05
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひでくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ブレグジット騒動で、大分イギリスの現状に詳しくなったつもりでも、
ここで語られる生のイギリス事情は相当に衝撃的です。イギリスは
サッチャー以来、営々とイギリス病の治療に努め、EUでも優等生だと
思ってきましたが、それも幻想で、いかに疲弊しているかをリアルに
感じられる衝撃の本です。一読をお勧めします。
紙の本
英国の住民としての視点で書かれた本
2020/12/20 16:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あけみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
2019年に出版された「ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー」でブレイディみかこさんを知った。新刊が出ていたので、気になって購入してみた。英国に住んでいる日本人が見た日本、英国に住んでいる日本人が見た英国のエッセイが難しいと感じるところもあれば面白いと感じるところもあった。
英国も日本と同じ島国で皇室もあり、日本と似ているところもあれば違うところもあるんだと感じた。政治的な知識はほぼなかったが、日本人より英国人のほうが真面目に考えているんだなと感じた。SMSのエモジが日本発祥なのかとかフードバンクの絵本の話も考えさせられた。
時間を置いてまた読めば、新しい発見がありそうな本でした。