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投稿者:はらみ79 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひとつひとつは難しいことではないけど、達成感を味わう間も無く毎日膨大に襲いかかる家事育児。
それをメインテーマに描き切って下さって、泣けてきそうになりました。
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投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「私の話がわからない人が、どんどん増えていく」
絶滅危惧種?な主婦を主人公に据えたお話。
多様性の時代と言われながらもなかなかなくならない差別感情。
そのなかでも「古い」というのは強めの免罪符になっている。
今風だから良い、昔のままだから悪い。
多様性のあおりで正解がなくなった結果、
比較で相手を貶めることでしか自身の正当性を語れない。
とても貧しい価値観だと思う。
終盤に登場する「効率化の成れの果て」は
ひとつの形を示しているようで怖かった。
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投稿者:あびしぃにゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
詩穂が主婦になった理由が(私には)少し腑に落ちなくて、そこだけはモヤッとしましたが、後は全て共感するポイントばかりでした。中谷みたいなクセ強の相手から毒気を抜いちゃう詩穂のような人、礼子みたいにコントロールできちゃう人、いたな〜!
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私も専業主婦。専業主婦っていけないことなのかな?私は時々専業主婦って何で無職になるんだろうって思ってしまう。外で働いてないだけのことであって家ではあくせく働いている。
立派な職業じゃないかなって。
登場人物の詩織さん、すごく立派だと思った。
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専業主婦であることの辛さ、共働きの辛さ、専業主婦である主人公の目を通して、子育て世代にのしかかる世間の矛盾を描いているような作品です。
私は主婦でもなければ子供もいませんが、改めて見るとこの国は子育て世代に優しくないよね。老人福祉よりも子育て支援が先だと思う。いろいろな世代の人に読んでほしい小説ですね。
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読んで本当に良かった。私は最近社会人になったのですが、専業主婦の母に感謝しているとともにどこかもやもやしているところがありました。気楽でいいな、と働いている人と比較してどこか下に見ていたところあったのだと思います。この本は家事をすることを仕事に選んだ専業主婦の詩穂とその周りの人たちの物語です。母もこんな気持ちだったのだと思うと胸が締め付けられ、今まで母に対して楽してると思っていた自分が情けなくなりました。みんな違っていいんだ、と読み終わった後スッキリとした気持ちになれました。人生の転機に読み返したい本です。どの世代のどの方にも胸にささる本だと思います。
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『いつか笑って話せるから。あなたの寂しかった日々が、誰かの役に立つ日が来るから』まさに今、私はその真っ只中に居る。『リュックの中身が全問正解だったことはない。でも、失敗しちゃった、と笑いあえる相手はいないので、なるべく落ち込まないようにする』20頁目。そうなんだよ、本当に。子育て家事は本当に『孤独』だ。あぁ、もうどの頁もわかりすぎてグサグサ、グサグサ刺さってくる。そして『独り』じゃないと思わせてくれた。『いつか笑って話せる』そんな日を思って読み終えた。
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子供の頃、割と当たり前のように専業主婦が多くて、夫婦共働きはむしろ、マイノリティーでした。
しかし今ではそれが逆転し、専業主婦は絶滅危惧種となっている…。
そんな中、器用に生きることが自分には向いていないと感じて、専業主婦として生きることを決めた、主人公の詩穂。
子育てだけでなく、人間関係にも悩みながら、日々を生きている。
「ゆっくり、ゆっくり」。母に教えてもらった魔法の言葉で、焦ってしまいそうになる場面で、落ち着きを取り戻す。
キャリアウーマンだとか、イクメンだとか、世の中の情勢に流されることなく、精一杯生きる姿は、やがて周りの人を変えていく。
夫婦生活で1番大変なのは、やはり子育てなのだろうか。そして、子育てを取り巻く環境は、激変していることに、あまりにも無関心だった自分が恥ずかしく感じられました。
主婦に限らず、さまざまな人が、思い抱いて過ごしている世界。一難去ってまた一難な毎日を、やりすごすように、消化するように。
しかし、ため息をついて生きている、あなたの背中も、きっと誰かにとっては憧れなのかもしれません。
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屋上の手摺りに手を掛けた詩歩やゲームオーバーと玄関の前で呟いた礼子にあの時の私が重なって
あぁ、少しでも前に進めていたんだな。
と今やっと自分で自分の頑張りを認めてあげられたような気持ちになった。
そして私の中にも母のようになるまいと完璧に家事と育児をこなそうとする中谷がいる。
世の中の父親たちにも家族のために頑張ってくれてありがとうと伝えたくて、母親たちにはどうか坂上さんのような存在がそばにありますようにと願いながら今日も私は我が子たちのために必死に家事をこなしている。
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今の日本だから生まれてきた小説。今だからこそ、多くの人に読んでほしい小説。
多くの人が、登場人物の誰かに自分や周りの人が似ているとか、そういう気持ちわかる、と思うはず。もし、あなたがそう感じないなら、気を付けた方がよい。あなたの家で主に家事をしている人が、ある日突然、いなくなってしまうかも知れないから。
夫婦関係に亀裂が走るのは、異性関係とかよりも、家事の分担かも知れない。家事は女性が義務として無償ですべきもの。とっくの昔に時代遅れになってるはずの考え方(高度成長期限定の考え方?)が、多くの女性が家の外で働くようになった今でも、多く人に根付いているために起きるあれこれ。
滋養がありおいしい食事をとること、身にまとうものや生活の環境を清潔で快適に整えること、ケアの必要な家族をケアすること。すべて、生きていくために、誰もが当事者のはずで、誰かの力を借りているなら、それを担ってくれている人に対し、敬意とそれを示す処遇が必要なはずなのに。
当事者の対義語は、対岸、他人ごと・・・。
この小説は、いたずらに誰かを糾弾するものではなく、様々な立場から実情をあぶり出し、それでいて、過度な重さはなく、先が気になり読み進めてしまう力を持っています。
夫婦関係を中心としながら、家庭内の人間関係全般を射程距離にしていて、主人公たちの幼少期の親との関係とそれが今も影響していることに触れてもいます。
家庭の文化は、密室の文化で、特に幼い頃には、自分ではどうしようもないから・・・。
家庭の中に根強くある問題と和解の話です。
あじさいとハンドミキサーが、アイコンです。
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絶滅危惧種の専業主婦、志穂。
彼女の周りにいるイケダン、ワーキングマザー、医者の奥さん、ご近所の大先輩。主婦に冷たい世の中かもしれないけど、家事育児の大変さは経験者にしかわからない。
みんなたくましく生きてる。
大事なのは自分一人で生きようとしないこと。
助け合いながら、一緒になって、子育てしていきましょうよ。
著者の有名作品『私、定時で帰ります』も読んでみたい。
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めちゃくちゃよかった
主人公みたいに時間をたっぷりかけて家事や子育てをする生活も素敵だし、ワーキングマザーみたいにばりばり働いてカッコいい背中を見せるのも素敵。
多様な生き方があるからこそどっちにもそれぞれの悩みや辛いことがあって、、
そんなパパママたちが協力しあって、色んな問題に立ち向かう中で出てくる言葉が暖かくて元気をもらえるお話!!
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私が中学生くらいから憧れてきた専業主婦という存在は時代が流れてマイノリティという存在になってしまったのか。肩身が狭い想いをして過ごしてる人もいるのか。いいじゃない、その人が選んだ道なのだから他人が口出ししなくたってと思いつつも、礼子の言葉で「勝手に羨んで、勝手に見下して、勝手に分かった気になって、勝手に腹を立てて、自分のことで精一杯になってる人って勝手なの」という言葉にもハッとした。自分にも思い当たる節はある。この本を読んでもっと自分自身に精一杯になれる人間になりたいと思ったなぁ。
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専業主婦や主夫、働く女性など様々な境遇の登場人物が葛藤する話。働く女性は専業主婦を軽く見がちだけど、専業主婦がいないと成り立たないこともたくさんある。お互いがそれぞれの立場を尊重し合うことで皆が生きやすくなると思った。
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手を抜いたっていい。休んだっていい。でも、誰もが考えなければいけないこと。もう一つの長時間労働。 終わりのない「仕事」。「家事をすること」
専業主婦の主人公が迷い、それでもゆっくり、ゆっくり自分のペースで日常を送る。性別や立場が違っても、現実に苦しむ人たち。「対岸の火事」にひっかけて「家事」なるほど。と思いました。家事の話ができる相手と何億光年も離れて、日々不安と苦しさに押しつぶされそうな悩みを抱えて、みんなもがいている。長いあいだ家出をしていた主人公も周りの人とのかかわりのなかで、一歩踏み出すラストは前向きになりました。
「いつか笑って話せます。あなたの寂しかった日々が誰かを助ける日が来ますから。」
みんな正解を探しているけれど、正しい暮らしなんてどこにもない。
大事なのは生きることだ。元気になることだ。それ以外は後回しでいい。
家事のプロの主婦の仕事の優先順位。そうだなあとほっとしました。