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電子書籍
不連続殺人事件
著者 著者:坂口 安吾
戦後間もないある夏、詩人・歌川一馬の招待で、山奥の豪邸に集まった様々な男女。作家、詩人、画家、劇作家、女優など、いずれ劣らぬ変人・奇人ぞろい。邸内に異常な愛と憎しみが交錯...
不連続殺人事件
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不連続殺人事件 改版 (角川文庫)
商品説明
戦後間もないある夏、詩人・歌川一馬の招待で、山奥の豪邸に集まった様々な男女。作家、詩人、画家、劇作家、女優など、いずれ劣らぬ変人・奇人ぞろい。邸内に異常な愛と憎しみが交錯するうちに、世にも恐るべき8つの殺人が生まれた。不連続殺人の裏に秘められた悪魔の糸は何か――鬼才安吾が読者に挑んだ不滅のトリック! 多くのミステリ作家が絶賛する、日本推理小説史に輝く傑作。第2回探偵作家クラブ賞受賞作。
(C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved.
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紙の本
安吾はこれを読まなきゃ始まらない
2019/01/27 19:07
2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
犯人は二人で、その二人はどう考えても想像できなかった組み合わせだったというのは今では2時間ドラマのサスペンスでも何度も登場した定番となっているが、この当時(昭和23年)では斬新だったであろう。密室殺人や精巧なトリックを鼻で笑って暗に横溝正史氏の作品を皮肉ったり(何人も人が殺されていてから犯人を突き止める件は金田一耕助への当てつけかもしれない)、本人をふざけた作家の代表例として台詞に紛れ込ましたりと作品を本人自身も楽しんでいるかのように思える。登場する変わり者の小説家や劇作家たちもきっとモデルがいてあてがきをしているのだろう。
紙の本
論理と心理分析によって構成されたプロット
2012/05/17 23:57
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
純文学の作家、坂口安吾が書いた不朽のミステリ小説『不連続殺人事件』。さぞかし、文学臭漂う、冗長な文体と思いきや、まったくテンポよく無駄のない、それでいてウィットに富んだ気持ちのよい文章である。作者みずから本作において皮肉っているヴァン=ダインやクイーン流の衒学趣味を排除しつつ、文学、芸術についてのオリジナルな見解も自然に織り交ぜるあたりはさすがである。登場人物のほとんどが文学者であることもそれを成功させる要因だろう。
安吾は、だれにも犯人がわからない探偵小説を書くと豪語してこの作品を書き始め、犯人とプロットについての推理を公募したという。いわば、読者への公開挑戦状であるが、作品の中盤、探偵の巨勢が、「消去法」による一般的推理の盲点を突いた犯人の意図を漏らす時点で、重大なヒントがあたえられ、犯人の予想は容易であるという気もする。実際、結末までを正確に言い当てた読者は4人いたというし、作者の意図は完全に成功したとはいえないだろう。それでもトリックに頼らず、論理と心理分析だけで構成されたプロットは、実に緻密かつユニークで新鮮だ。
勝手な意見ながら、日本の古典的探偵作家の多くは、謎解きとは別の要素に力点を置いている気がする。たとえば江戸川乱歩の場合、怪奇性が、また松本清張の場合、社会性が追及されていて、それぞれ探偵作家としての確固たる名声にもかかわらず、トリックなどで読者をあっと言わせ、なるほどと唸らせる作品は案外少ない。その点、この『不連続殺人事件』は、イギリス、アメリカの本格ミステリと肩をならべるだけのプロットをもった、日本が世界に誇るべき良質の作品ではなかろうか。
紙の本
こんがらがる
2015/12/10 23:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ヴァン - この投稿者のレビュー一覧を見る
坂口安吾さん初のミステリ作品。
内容はとてもまじめでがんばって考えたのだろう
と思える作品で純粋に楽しめる。
登場人物が多いので名前を覚えられない人には
頭がこんがらがって少しつらい・・・かも?
紙の本
名作
2024/01/19 23:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
安吾の名作として名高い本作。登場人物が多くて読みにくいという声もあるが、あの時代にこれだけのものが書けたことは驚嘆。よっぽど探偵小説が好きだったんだな。登場人物の個性が光っている。
新潮文庫版に収録の短編「アンゴウ」は戦争の悲惨さとどこかほのぼのさせる感動作。よくぞ組み入れていただきました。
紙の本
意外と純な人物
2023/05/22 20:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マーブル - この投稿者のレビュー一覧を見る
クリスティが好きだったという安吾が初めて書いた律儀な印象の探偵小説。安吾は少年時代から探偵小説を愛好していたとある。それが高じて自ら執筆することとなったのが本作なわけだが、その完成度はとても片手間に書いたものとは思えない。人物たちの奔放な行動や、コミカルな文章表現に気を取られてしまうが、ミステリーとしては正統な態度で臨んだゲームである。探偵や警察官たちに対してふざけたような扱いをしたり、自分自身を揶揄するような文を紛れ込ませるあたり、余技であることの照れも感じる。意外と純な人物だったのかもしれない。