読割 50
電子書籍
エチュード春一番 第三曲 幻想組曲 [狼]
著者 荻原規子(著者) , 丹地陽子(カバーイラスト)
小犬の姿をした「八百万の神」(モノクロ)と暮らす大学生の美綾。読んだばかりの『将門記』についてモノクロと話していると、「一緒にその時代を見に行かないか」と誘ってきた。次の...
エチュード春一番 第三曲 幻想組曲 [狼]
エチュード春一番 第3曲 幻想組曲〈狼〉 (角川文庫)
商品説明
小犬の姿をした「八百万の神」(モノクロ)と暮らす大学生の美綾。読んだばかりの『将門記』についてモノクロと話していると、「一緒にその時代を見に行かないか」と誘ってきた。次の瞬間、美綾はモノクロと共に(意識体)となって本物の将門の時代へ飛んでいた。平将門が若きリーダーとして確かに存在しており、目の前に現れる! 意識だけの感覚に徐々に慣れた美綾はモノクロと別行動を取っていると、アクシデントが起こり、将門の護衛を務める蝦夷の少女ユカラの身体に閉じ込められてしまうが、ユカラの将門への気持ちを知ることに。やがて「えやみ」という邪悪な呪術が絡んだ親族との戦いが起きる。一方で「えやみ」を浄化しようとする「山の民」が変化したオオカミたちが、ユカラに力添えをして将門を危機から救おうとするが・・・・・・。「これぞ荻原規子。さすが荻原規子。本の中に引きずりこまれそう。神の視点で歴史を見るとはこういうことか!」八咫烏シリーズで人気の阿部智里氏、大絶賛! 壮大なスケールで描かれた書き下ろし、シリーズ第3巻ついに登場!
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紙の本
神様の正体が見える!?
2021/09/12 13:23
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ワシ - この投稿者のレビュー一覧を見る
しゃべるパピヨンで神様の「モノクロ」と女子大生の美綾(みあや)の日常をつづる第三弾。
旧武蔵国を行き来していた地理はそのままに、時間だけが千百年ほどまき戻る。平将門公が「天慶の乱(将門の乱)」に至る数日ほど前といったところか。流行病のように人心を狂わせる「えやみ」「しるし」、その異様さに最初に気付いたのはオオカミを名乗る行者だったようだが、人と狼では理屈が違うのか、目的は同じようだが、すれ違いと噛み合わないやり取りばかりが積み重なるのはもどかしい。
まだ関東にも蝦夷は多く、将門も和人と蝦夷の混成軍を率いている。その活躍ぶりもあって将門麾下のユカラは特に印象深い。美綾が重なったり同化したり、憑依や霊媒の体質だから仕方ないのかもしれないが、ユカラの思いは果たされないまま、美綾にだけは心残りになったようで次巻ではどう始末をつけるのかに期待したい。
それにしても「えやみ」の正体がいつものあの人だった!とは。『薄紅天女』や大宮「門客人神社」を思い出して空想にふけってみるのもいいかも知れない。
紙の本
時の流れがゆるやか
2022/09/17 09:30
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
美綾がモノクロと一緒に霊素になって平将門の時代にタイムスリップし、将門記の冒頭部分を目撃する内容。狼が人に成りすまして助けてくれるところは痛快だったし(狼も人に化けるんだということ自体が驚き)、蝦夷のユカラの健気さには心を打たれました。ただ、とにかく時間の流れがゆるやかな小説で、これがファンタジーの特徴と言われればそれまでですが、眠くなりがちな小説でした。でも、きっと次巻も読みます。