龍華記
著者 澤田瞳子(著者)
高貴な出自ながら、悪僧(僧兵)として南都興福寺に身を置く範長は、都からやってくるという国検非違使別当らに危惧を抱いていた。検非違使を阻止せんと、範長は般若坂に向かうが──...
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商品説明
高貴な出自ながら、悪僧(僧兵)として南都興福寺に身を置く範長は、都からやってくるという国検非違使別当らに危惧を抱いていた。検非違使を阻止せんと、範長は般若坂に向かうが──。著者渾身の歴史長篇。
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南都焼き討ち事件の、その後
2021/10/17 16:37
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
平家による南都焼き討ちという歴史的事実に関わる、人々の迷いと恨みと、そして祈りが語られる。人はなぜか競い争うことを好み、己の内なる憎しみや悔恨に囚われ、それがゆえに終わることなき苦しみにもがき続ける。しかし、怨み心は恨みをすてることによってのみ消えるという釈迦の訓えに従えば、怨嗟の輪廻から解脱することが出来るのではないか、と主人公を足掻き続けたのだと思う。その祈りは届くことになるのだ。平安末期の隠れた歴史物語は、心を温めて、終わりを告げる。