電子書籍
跳ぶ男
著者 青山文平
切り立った岩の上で独り稽古を積む、藤戸藩お抱えの道具役(能役者)の長男・屋島剛。15歳の剛は、急逝した藩主の身代わりとして江戸城に送り込まれた。「能」を使った秘策によって...
跳ぶ男
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跳ぶ男 (文春文庫)
商品説明
切り立った岩の上で独り稽古を積む、藤戸藩お抱えの道具役(能役者)の長男・屋島剛。15歳の剛は、急逝した藩主の身代わりとして江戸城に送り込まれた。「能」を使った秘策によって、貧しい藩は生き延びることができるのか。
藩の命運を握った剛は、「想いも寄らぬことをする」決意をした――。
天保年間の土地も金もない弱小藩を舞台に、ひとりの少年武家が辿る過酷な運命が、圧倒的リアリティを通して描かれる。
謎と謀(はかりごと)、美と畏れ。研ぎ澄まされた文章と壮大なる謎、唯一無二の武家小説!
「弱冠十五歳の少年が、柳営の棟梁たる将軍に対して、己の能の技量のみを武器に文字通り徒手空拳で命がけの闘いを挑む。しかも与えられた期間は、わずか七ヶ月しかない。これぞまさにミッション・インポッシブル 」
――川出正樹 (解説より)
※この電子書籍は2019年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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紙の本
清冽な雰囲気
2023/04/02 16:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
多くの人にとって全く馴染みのない「能」をメインテーマに据え、能をストイックに追求する主人公を、これまたストイックに微細な心情描写で描きこんでいった作者に敬意を評したい。清冽な雰囲気と心情描写が、森博嗣の「ヴォイドシェイパシリーズ」を思わせるところがある。ただ一つ難を言えば、最終幕のところ。この程度の行為で幕府から譲歩を引き出すことができるのか、今ひとつ腑に落ちなかった。
紙の本
能と武家との関わりは、政治となる
2022/03/02 15:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
能という洗練された、研ぎ澄まされた美を追求する芸術を背景に、とても奇抜なはかりごとの顛末を記した物語である。江戸末期、小国の下級武士の息子と生まれ、能を舞うことを生業とする少年が、藩主の身代わりとなり、小藩の命脈を保ち、力を蓄えさせようと画策する奇抜なストーリー。藩主の付き合い、能の舞われる仕組みなど示され、興味深く、楽しく読むことができた。所作の美しさは、能を舞うためにあったのかもしれない。能を美しく舞うために、舞台と日々の暮らしに境目があってはならz、美しく居ることが求められたことから類推できる。
紙の本
これは凄い小説だ!
2022/01/31 12:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のりちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
当初は能の描写があまりにも濃密なので能を主軸とした話しかと思っていたが、さにあらず。小藩の生き残りとステップアップを賭けた剛の素晴らしい仕掛けの話しであった。この筋書きの転換のうまさ、凄さ。感服した。