占いをまとう少女たち
著者 橋迫瑞穂
1980年代に少女たちの間で流行した「占い/おまじない」は、現代まで多くの女性から支持されてきた。占いはなぜ女性を引き付けたのか、それは女性にとってどのような役割を果たし...
占いをまとう少女たち
商品説明
1980年代に少女たちの間で流行した「占い/おまじない」は、現代まで多くの女性から支持されてきた。占いはなぜ女性を引き付けたのか、それは女性にとってどのような役割を果たしてきたのか。
少女向け占い専門雑誌「マイバースデイ」(実業之日本社)を軸に女性誌やファッション誌にも目配りして、1980年代、90年代、2000年代の少女と占いの関係性を描き出す。そして、宗教ブームやオウム真理教の影響、女性の社会進出なども絡めて、社会的・文化的な背景を解き明かす。
少女たちの理想像や人間関係を時代ごとに指し示し、宗教の市場化・商品化の役目も担った〈占い〉の社会的な機能を明らかにして、スピリチュアリティと女性たちの現状にも迫る宗教社会学の成果。「マイバースデイ」を当時読んだ読者も必読。
目次
- 序 章 雑誌「マイバースデイ」とその時代
- 1 「宗教ブーム」のなかの「占い/おまじない」
- 2 変化する「占い/おまじない」
- 3 雑誌とジェンダー
- 第1章 現代社会での宗教の位置とその変遷――ピーター・L・バーガーの議論を手がかりに
- 1 宗教の「世俗化」とは何か
- 2 近代化での社会の変容と「世俗化」
- 3 宗教の「市場」化と消費者の出現
- 4 宗教が若者に見直されるとき
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占い雑誌がコミュニティーとして機能していた様子と、その変容、少女たちの精神世界への参入などを綴った本。
2021/09/08 17:25
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投稿者:L療法 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大変興味深いのですが、これは入口に過ぎないのではないだろうか。もっと多角的にもっと深く掘り下げて欲しい気がする。
魔女は現在、カウンターカルチャーの巨大な領域を占め、世界に対して異議を突き立てているのだが、雑誌『マイバースデイ』の、「白魔女」という概念は、少女たちをはげましつつも、従属的な性であることについては、妥協策しか示せず、少女は恋に生きて、可愛らしくあれという、はなはだ保守的な傾きを強化するものであったようだ。
時代とともに、少女の共同体は崩れ始め、社会に適応する個人といった、実利的な要素が浮上し、それとともに、スピリチャルな要素が出てくる。
この流れは、自己啓発本の類も説明するように思う。
価値判断を避け、うまく立ち回るための手口を求める人々。
不合理な陰謀論は、うまく行くはずのことが、うまくいかないことを、隠蔽するものだろう。
社会性が個人に要求することとの齟齬を、自分を変えることで適応しようとする思考形態は、日本では絶対的な力を持つが、これは、新左翼の敗北からなのか、保守が巨大であるからなのか。
誤魔化しが肥大する。