エヴァンゲリオンから導かれた名称をもつアプリ
2022/04/07 11:53
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
「特務機関NERV(ネルフ)」というエヴァンゲリオンから導かれた名称をもつアプリは、紹介にあるように、東北の震災を契機に生まれたが。その開発の経緯、重要な社会インフラとして認められていく経緯がつづられ、とても興味深く読むことができた。大規模災害時に情報がないと動くことができないと言い訳のように言う人がいるが、情報が少なく不十分であっても、安全のためには、想像を尽くして、自ら動かなくてはいけない。そのためにも、NERVは必要であり、さらに開発されていくことが理解できた。「反省とは未来を考えること」。
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投稿者:もるち - この投稿者のレビュー一覧を見る
新聞欄に載っていて何気なく手にとったのだがとても濃い内容だった。私はエバンゲリオンも名称しか知らないが、開発までの道のりと気概の素晴らしさに大変驚かされた。
興味のあることへの情熱も素晴らしいものがあった。
10年の克明な記録
2022/03/04 07:49
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投稿者:どなるど - この投稿者のレビュー一覧を見る
なりきりアカウントだった特務機関NERVがどのように災害情報インフラに育ったのか、挑戦の記録が緻密な取材でまとめられている。
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#防災アプリ特務機関NERV
こと地震についてはそれまで信用していたNHKをぶっちぎってNERVしか勝たん
揺れを感じると真っ先にTwitterをあけて、先頭のNERVさんのツイートを確認するのが定番。
それだけ信用していたけど、詳しいことは全然知らなかった。
知れてよかった。「何が言いたいんだ?」がなく真面目で中の人石森さんの人となりが伝わる、最終的にアプリに集約される筋立てがぶれない良書。おススメです
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NERV の背景や特徴について、読みやすい文体・構成ながら詳細に語られており、面白かった。他の人にも読んで欲しい一冊。
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もともと個人で運営されてたアカウントとは知らず、読めば読むほど驚きでした。こういう取り組みは継続してほしいので、早速アプリを入れてサポーター会員になりました。
「逃げて」というメッセージをちゃんと受け取れるように、自分の準備もしておかないといけないと思います。この本は防災について考えるきっかけになりました。
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ツイッターの特務機関NERVアカウントは元々知ってはいたけれど、あまり気に留めていなかった。中の人は誰なんだろう、エヴァ公式がやってるわけはないけど個人にしては手が込んでるよなあとたまに思うくらい。地震が起こる度にこまめに情報をツイートしているのは知っていたので、人力ではなくて何かしらのシステムで自動化しているとは思っていたけど、気象庁かどこかの情報を収集して流しているだけだろうと思っていた。
まさかNERVが最速の情報発信アプリだなんて知らなかったし、エヴァ公式どころか国の機関もお墨付きの組織が運営しているだなんて知らなかった。というか、ツイッターアカウントのほかにアプリを運営していることから知らなかった。
本書は、株式会社ゲヒルンやその社長である石森氏が、特務機関NERVのツイッターアカウントやアプリを今日の形にするまでの過程を描いたドキュメンタリー。内容には「天才技術者がその能力を発揮して困難を乗り越え作り上げた」みたいな部分がいくつかあって、開発ドラマ的な視点では正直あまり面白くはない。(たとえば、石森氏は小中学生のころから自宅のパソコンでレンタルサーバーを運営したりしていたらしい。)ただ、アプリ開発の裏に込められた理念を知ることができたのが良かった。情報を速く届けるということの他にも、色覚異常を持つ人にも見やすい色使いや、広告などのマネタイズを排すること、予報業務の許可を得ることできめ細かな情報伝達が可能にしたことなど、様々なこだわりが語られている。
本のデザインにエヴァっぽさが取り入れられていたのも良かった。
本書を読みながら早速アプリを入れたけど、書かれているようなこだわりを直に感じることができた。これまで災害情報アプリはYahooやNHK、ウェザーニューズを入れていたけど、次に災害が(あまり起こってほしくはないが)起こった時に、NERVの真価がよりはっきりと分かるのではないかと思う。
情報を扱うシステムの話をしているにもかかわらず、「情報では命を救えない」と題された本書の第7章と続く第8章はとても読み応えがあった。宮城県気仙沼市にあるリアス・アーク美術館の言葉と、それをもとに書かれたというアプリの「特記事項」は胸が熱くなった。
というか、気象庁やウェザーニューズといった大きな組織だけでなく、個人の趣味レベルで気象データを扱うプログラムを書いている人がいることに驚いた。
本書を知るきっかけとなった、西成先生の書評:
https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20220418-OYT8T50077/
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新世紀エヴァンゲリオンに登場する特務機関NERVのロゴを使用したTwitterの防災アカウントの運用秘話及び防災アプリの開発記録を取材したもので、災害情報の正確さと迅速さが好評な特務機関NERVの「中の人」に迫った書籍である。
特務機関NERVに対して「災害情報は正確かつ迅速だけど、どんな運営体制なのか不明だからいまいち信用できない」という人もいるかもしれない。しかし、本書を読めば、運営の徹底した防災意識とそれを実現するための高い技術力、そして、行政(気象庁等)と連携した信頼性の高いデータを用いて運営されていることがわかる。さらに、NERVの提供する情報は災害が発生した際に「自分で対処する」ための判断の補助としてのスタンスで行っているので、誠実でもある。(誠実である理由は「災害が発生したときは情報を待つ前に、想像力を働かせ、自ら行動しなければならない」ため「自分で行動して」と伝えることこそ防災アプリの責任であると運営者は考えているから。)
こういった数々の努力によって特務機関NERVは信用を勝ち取った。ただのアニメパロディbotなどでは断じてないと知ることができた。
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めっちゃ読み応えがあって面白かった。特務機関NERVのTwitterの存在は知ってたけど、真面目なアカウントってことはそもそも知らんかったけど、この本きっかけにインストールはしておいた。
社長の石森さんの防災にかける熱意がすごくストレートに伝わってきて、そもそもの意識が低い自分としては反省して、いざという時に自分で判断して逃げれるようにしとかなアカンと思う。
ちょうど会社の研修で正常性バイアスの話もあったし、かなりドンピシャでこの本に出会ったな。
あとはシステムを作る人間の端くれとして、カラーバリアフリーの考えって今まで持ったことがなかったから、次世の中に出るようなシステムを作ることがあれば少しは意識したいと思う。
『情報では命は救えない。』
ユーザーの立場から言うと、『情報が勝手に自分の命を守ってくれるわけではない。情報で命を守るのも守らへんのも、結局最後は自分』ということは肝に銘じておきたいと思う。
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『新世紀エヴァンゲリオン』に由来するツイッターアカウントで、様々な防災情報を発信してきた宮城県石巻市出身の青年・石森大貴さん。もともとは遊びで始めたアカウントだが、東日本大震災の際に家族に発した「逃げて」の思いが届かなかった反省から役割が変わる。電力不足で大規模停電の恐れがあるので節電を呼びかけた「ヤシマ作戦」は、アニメと現実がリンクした奇跡のミッションだった。
本書は石森さんの足跡を辿りながら、日本における“防災”を考える好書だ。アプリの紹介は「提灯持ちか?」と疑うが、実際に使ってみればその卓越性に驚くはずだ。
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巻末の寄稿で、ご本人が「すべてはタイミングなのだ」と思いました、と述べている。確かに、タイミングに恵まれたように見えるが、そのタイミングを掴んで、行動を起こす、何かを成し遂げられる、ためには、それまでの努力、真摯・素直な心、周りの人との関係、そういう積み重ねがあってこそなはず。そういう意味で、凄い人なんだと感じた。
2010年に一人の大学生が始めた「遊び」が始まりだったという記事を読んで手に取った本。実は、その始まりと、大きな転機となった東日本大震災は、きっかけでしかないことがよく分かる。そこから先の努力、信念に基づいた行動、それが10年経って結実。
情報をいくら提供しても、行動してもらえなければ意味がない、という葛藤。防災アプリNERVを起動したときに表示される「特記事項」には、「避難の判斷や避難行動は、あくまでも本アプリを利用する個人に委ねられます」、「その状況下で最善を尽くしてください」、「自らの命は自分で守るという主体性をもって情報を活用してください」、などと記されている。この哲学に至るまでの葛藤、そしてメンバーと共有できたことによって、素晴らしいチームになったことがよく分かる。
最初は手作業で、しかも一人で情報を収集して提供していたという。そこから、もっとレベルを上げるための努力。気象庁などの公の情報に接続するための高いハードルも乗り越え、さらにミリを削り出すため、本当に役に立つレベルを実現するための情報分析プログラムの実装。
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エヴァのファンによるツイッター上の遊びから出発して今や日本屈指の防災情報アカウント、さらに防災アプリを提供する企業に成長した特務機関NERV(ゲヒルン株式会社)の舞台裏を取材した一冊。自分も2011年頃にあのアカウントを初めて知った時は「何だこれ?怪しいな…」と思ってたなぁw社長の石森氏が経営よりも理念や技術力に強みを持つタイプということもあって資金調達や事業化、買収劇といったベンチャー創業物語ではなく「なぜ防災事業に取り組むのか?」というドラマが軸に据えられている。その熱意と実行力にはITエンジニアの端くれとして敬意しかありません。それにしてもこうして改めて振り返ると、あらゆる出会いのタイミングが奇跡的。特に下手したら全てが頓挫していたかもしれない2019年2月のエピソードは鳥肌。
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自分も情報発信に携わる身として、災害大国日本における「いまなすべき最優先のことは何か?」を見極めることのむずかしさは日々感じています。伝え方なのか、伝える技術なのか、どこで伝えるのか…Twitterからアプリへとプラットフォームを変えた経緯も読んで納得です。140文字の裏にある途方も無い努力と、出会いを引き寄せて巻き込む力、石森さんの飽くなき探究心、そしてそんな石森さんの少年期に自由を与え、あたたかく見守ったご両親の教育方針、いろんな要素が結実したのが現在の姿だと思います。
そして、最後の伯母さんのお写真には涙してしまいました。
これからのご活躍も楽しみです。
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日本最強の防災アプリ
特務機関NERV
20代天才プログラマーの開発物語
エヴァンゲリオンのパロディで始めたが、後に公認される。ビジネス度外視で進めていたが、周囲の助けにより、防災情報を提供することでビジネス化した。
早速アプリを使ってみた。
今までYahoo!天気アプリ使っていたが、こちらの方が良い。広告もないし、機能の制限もないし。開発者の志の高さを感じる。
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わりと軽い気持ちで読み始めて、あっという間に読み終わり、軽い気持ちで読み始めたことを反省した。
情報で命は救えないかもしれないが、誰かが生き残るたには正確で素早く得られる情報は必要なのだ。