紙の本
2人の主人公
2022/07/30 04:32
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投稿者:kurage - この投稿者のレビュー一覧を見る
空港で名前を交換したクレアとエヴァ、接点のなかった二人の女性のエピソードをクレアは時系列順に、エヴァはさかのぼって過去の出来事から飛行機事故当日まで追いかける形で、交互に綴っていくサスペンス小説です。ラストが切ない…。色々考えさせられる話でした。
紙の本
プエルトレコ行き477便
2021/11/03 14:44
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投稿者:ごんちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ローリーとエヴァの二人の人生が477便で交錯し、エヴァの売人としての人生とローリーの夫からの虐待から逃げる現状がうまく交錯し、二人の人生が最後に軌道修正できるようになるという、相当偶然に助けられた文書になっているが面白い作品でした。
紙の本
命がけで新たな人生を手にいれる勇気に胸うたれる
2022/02/17 21:03
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投稿者:きり - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分ではどうにもならない生い立ち、境遇、家族の状況や、思わぬきっかけで陥った窮地に陥った二人の女性の人生が空港で交差し展開する物語。
エヴァの過去とクレアの現在を交互に読みながら、自分だったらこの局面でどうするだろうと常に自問せずにはいられません。一度でも判断を間違えれば命が危うくなる緊迫感をびりびりと感じながら一気読みしました。
読んだ後、誰かと内容を語り合いたくなる作品です。
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読み終わって、そう、後書きまですべて読み終わっても、どきどきする本にたまに出合うことがあります。
わたしにとって『プエルトリコ行き477便』はそういう本でした。
登場人物はふたり。
ひとりは上流階級に嫁ぎもうすぐ上院議員に立候補しようとしている夫に虐待されているクレア。
もうひとりは薬の売人をしてひとりでひっそりと生きているエヴァ。
ふたりの視点で交互にものがたりは進んでいきます。
クレアの視点は現在進行形でクレアの語り。
エヴァの視点は三人称でプエルトリコ行き477便に搭乗することになるまでの状況がえがかれている。
過去と現在が語られることで相乗効果ってめちゃくちゃ上がることもあるんだな。
過去回想は書き方としてよくないし損しているって前に言われたことがあるのです。
過去回想でも回想でなく、進行形で書けばそんなことはちっとも気にならないんだと分かったのは良かった。
クレア視点で語られるとクレアに肩入れしたくなるけど、私が好感を持ったのはエヴァと隣に引っ越してきたリズの関係でした。
読み終わった今も、ふたりのことを考えると胸が熱くなるし、涙が出そうになります。
単なる友情ってたぶんどこにでもあると思う。
エヴァは薬物依存症の母親と、その面倒を見るために孫のことを見れないと祖父母に捨てられた過去があり、複雑な環境で生きてきたから誰にも頼らず誰にも心を開くことができずにいた。
そんなエヴァのことを友だちだと言ってくれた年上のリズのことをわたしも好きにならずにいられない。
本当の友だちはたぶん全然年齢とか境遇とか関係ないんです。
もちろん、友だちが必要かどうかは自分で決めていいし、ひとりで強く生きていけるのはとってもいいことだとは思うけれど、クレアみたいに誰かが助けてくれる場合もあるかもしれない。
エヴァがリズに会わなかったらきっとあんな風にしなかったとは思ったけど、エヴァは最後の最後で自分の判断をしたけれどそれでもひとりぼっちではなかったって思えたんだとわたしは思いたい。
エヴァは間違ってなかったって言ってあげたい。
クレアはエヴァのことをきっと忘れないし、リズもずっと友だちだから。
泣きそうです、本当に。
あと、著者インタビューもとてもいいのです。
たくさんの人に読んでほしい本です。
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夫の支配から逃れたいクレアと犯罪に手を染めた自分を変えたいエヴァ。二人が空港で出会い搭乗券を交換する計画。しかしエヴァが乗った飛行機が墜落。全てが狂い始める。人は痕跡を残さずに姿を消せるのかというのが大きなテーマとしてある。様々な困難と、それでも今の現状を変えたいという意思と女性が声を上げることの難しさが描かれている。いつ身元がバレてしまうのかという緊張感と恐怖が常にあってそれが物語を引き締めている。二人の女性が上手く逃げ切れるように、この先幸せになれるような結末をと思わずにはいられないような祈りのようなものを思いながら読み進めていた。
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今の生活から逃げ出したい2人の女性が出会い、お互いの身分、航空チケットを交換する。
そこからそれぞれの過去と現在が代わる代わる描かれていて、物語の運びというか、構成が見事だった。。
逃げることの恐怖、臨場感がものすごく伝わってきて、ハラハラしながら読み進めた。
翻訳もとても読みやすくて良かった。
最後は涙しました。
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その場から脱出したい女性がふたり。片方は夫からの凄まじい虐待に遭い、もう片方は犯罪がらみのやばい状況。空港でばったり会って航空券を交換したら現状から抜け出せるのか。
どうか無事に逃げられますようにとひたすら願う。一時逃げられたとしても、その後の生活に不安を抱くようでは駄目。とにかく完全に振り切ってと。
臨場感が凄い。歳を取るにつれて片仮名の名前が頭に入りにくくなっているため(笑)、海外ミステリーは年に数冊しか読まなくなっていましたが、こんな作品を読むと俄然もっと読みたくなる。
冒頭に「勇気を持って自らのために声をあげたすべての女性に捧げます」とあります。見てくれている人、助けてくれる人は、きっといる。
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Metoo作品の入り口として軽く読みやすいと思う。ミステリ(というかサスペンス)としては少し甘くて「え?そこ流すんだ」と肩透かしに思うところもあった。普段ルースルンドとか読んでるからかもしれないけど・・・。ドラッグに纏わるネタにどうしても興味が持てなくてちょっと途中疲れてしまった。
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夫の暴力により逃げ出そうと計画したクレア。計画が失敗し空港で呆然としているところへある女性とチケットと身分の交換をすることになり、彼女の乗るはずだった飛行機へと乗り込む。ところがクレアの乗るはずだった飛行機は墜落…。物語はクレアと、身分を交換したエヴァのそれぞれの視点で交互に語られるが、身分証のない一人の女性がただ生きていくことがどれほど大変なのか思い知らされる。自分が自分らしく生きるため、逃げて考えて最終的に掴むものは。息を詰め、彼女達と共に追手を見極め道を選ぶ。一気に読ませるサスペンスミステリだった。
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違う本ほしくて本屋来たのにタイトルからしておもしろい予感しかしなくて衝動買い。最初から最後までずっとハラハラドキドキさせられる、2021年に読んだ本の中で一番良かった。主人公2人の女性の痛々しいまでの精神描写が非常に臨場感があり、抑圧された環境でストレスに晒されたことがある全ての人にすすめたい
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夫の暴力から逃れる為に失踪を図るクレア、空港でクレアとチケットを交換したエヴァ。
見知らぬ女性になりすまし、新しい人生を始めようとするクレアパートと、エヴァが空港でクレアとチケットを交換するまでを追うエヴァパート、2つのパートを交互に読んでいくうちに高まる緊迫感。
読ませるサスペンス/スリラーでした。
描かれている女性同士の友情も見どころです。
色々書くとネタバレになりそうなので、サスペンス好きな人はとにかくぜひ読んでみて!
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思わぬ拾い物という印象が強い一作である。まだこれが二作目という新人女流作家には、目のつけどころの良さと、ストーリーテラーとしての稀有な才能を感じさせられる。邦題は原題の直訳ではないけれど、なかなか洒落た納得のゆくタイトルであることが、本書を読み始めればわかって頂けると思う。
本書を読み始めると、まずページを繰る手が止まらなくなる。クレアとエヴァという二人の境遇の異なる女性が出会うのは、ニューヨーク、ジョン・F・ケネディ空港。しかも小見出しによれば「墜落事故当日」。え?
二人の女性が航空券を交換するシーンがこの小説のスタート地点だ。見ず知らずの他人同士として、初めて出会った女性二人が、空港という人生の交差点で、これまでの捨て去りたい人生を互いに交換する。そんな運命と、その裏に窺える二人の追いつめられた人生こそが、小説の序章である。
墜落当日から始まるクレアの物語。そして、墜落当日の6か月前から現在へと回想されるエヴァの物語。二つの物語の進行で本書は構成されている。
クレアは、財団の理事である夫の隠れた家庭内暴力に苦しめられ、そこから逃げ出したい。エヴァは、親に捨てられた孤児として育ち、現在は違法ドラッグ製造に関わっているが、組織から逃走して別の人生に逃げ込みたい。クレアとエヴァが航空券を交換することにより、本当に実際に交換したものは何であったのか?
二人の乗り換えた飛行機の一つ、エヴァが最終的に手にしたプエルトリコ行き477便は、その日、出発後間もなく墜落し、海の藻屑と消える。エヴァはこれに乗り込まずに済んだかに見える。そしてふたりの時系列も場所も異なる二つの物語がそれぞれ一人称の物語として進むことによって、運命のそれぞれの行方が次第に明らかになり、それとともに訪れる結末が想像できぬまま、ぼくらはこの作品を追い続ける以外何もできなくなる。
何よりこうしたアイディア、そして構成が、この作品の肝なのである。先が読めない展開も去ることながら、男たちからの支配、暴力、悪意、利用などをダイレクトに身に受ける存在としての二人のヒロインの物語が残酷で、彼女らの未来を彼女らの力で取り戻すプロセスと、そして訪れるべき幸せな結果を読者は望むことになる。
人生の残酷さをこれでもかと受けてきた女性たちの行方は、最後にはどうなるのか? そうしたプロットを主軸にしつつ、エヴァの隣人であるリズの存在が次第に強くなる。彼女が傾ける無償の優しさが、徐々に明らかになるように見える。それは罠なのか、それとも真に無償の救いなのか? 思わぬ展開と人間関係の妙という力学も働きつつ、終盤に待ち受ける意外などんでん返しの連続技が圧巻である。面白さと物語の内容の深さという両輪を兼ね備えた、重たくも推進力を感じさせる作品なのである。
この素晴らしい作品は翻訳ミステリー読書会関係者の皆様よりご紹介頂いた。いつもながらただただ感謝である。
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DV夫から逃れたい一心で訳ありの女性・エヴァと航空チケット&身分を交換した主人公・クレア、それもつかの間、失踪先で自分が乗るはずだった飛行機が墜落し、乗客全員が死亡というニュースを目にする―。事故前日から始まるクレアのパートとおよそ半年前に遡るエヴァのパート、時系列が異なる両者の視点が交互に挿入され、徐々に真相が明らかとなっていく。序盤のスピード感は徐々に失速し、想像していた程ドラマチックな作風ではなかったが、自ら声を上げるのを躊躇う女性たちに対して『必ず味方はいる』と訴えかける著者のメッセージは力強い。
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読みだしたらノンストップでした。権力者のDV夫から逃げる妻、というありがちな設定だけど、そこから先はまるで読めない。最後まで楽しめました。
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