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「混血児」の戦後史
著者 上田誠二
戦後、日本女性と外国人兵士、特にアメリカ兵との間に生まれた「混血児」は、現在は「ハーフ」としてあるイメージをもって語られるが、いまも昔も、様々な差別と日常的に接してきた。...
「混血児」の戦後史
「混血児」の戦後史 (青弓社ライブラリー)
商品説明
戦後、日本女性と外国人兵士、特にアメリカ兵との間に生まれた「混血児」は、現在は「ハーフ」としてあるイメージをもって語られるが、いまも昔も、様々な差別と日常的に接してきた。
性暴力と売春、貧困と格差、優生思想と差別など、重層的な社会的困難を背負ってきた彼/彼女たちは、「混血児」としてどのような教育を受け、労働に従事して、戦後日本の社会を生きてきたのか。
占領・復興期から高度経済成長期、そして現在までの聖ステパノ学園における混血児教育の実践を縦糸に、各時代の混血児の社会的な立場や語られ方を横糸にして、「混血児」をめぐる排除と包摂の戦後史を活写する。
目次
- 序 章 戦後史の裂け目――“血の政治学”と“出会いの教育学”のはざまで
- 1 なぜ「混血児」の戦後史をいま問うのか
- 2 混血児をめぐる従来の研究と本書の分析視点・内容との差異
- 第1章 占領・復興期の混血児誕生――優生保護法の下で生存する[敗戦から一九五〇年代前半まで]
- 1 敗戦後セクシュアリティ統制の遺産――優生思想にさらされる混血児
- 2 澤田美喜の実践にみる混血児の別学という人格主義――幼稚園の教育実践
- 3 幼稚園から小学校へ――ステパノ学園の実践と苦悩
- 第2章 日本「独立」後の公立小学校の混血児教育――日本人として学ぶ[一九五〇年代中葉]
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紙の本
労作だが、戦後史というよりは教育史
2023/04/10 17:15
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
第2次世界大戦後の「占領・復興期の社会矛盾の結節点として混血児が存在したことを浮き彫りに」しながら、彼らがさらされた差別や偏見、社会からの逸脱についての歴史や状況などを、施設に残る文書から掘り起こし分析した労作ではあると思うが、著者が教育の専門家だけあって、教育史が中心であり、タイトルで「戦後史」をうたうわりに、戦後史としては少々物足りなかった。