紙の本
敬遠している方、もったいないです!
2023/01/13 15:20
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投稿者:ばんどらい - この投稿者のレビュー一覧を見る
あらすじを読んだだけでは、題に書いたように、敬遠する方も多いのは無理もないかと思います。ライトノベルですし、塩化病という架空の病が登場するとあっては内容が予想しづらく安物と思われるのもわかります。実際私もそうでした。
しかし読んでみると違いました。病の設定は振り返ってみると副次的なものでしかありませんし、無理のない範囲に抑えられています。読了後はまさに実在する病と錯覚するほどに。
それ以上に、主人公とヒロインの関係性の美が追求されています。お勧めです。
紙の本
【その涙が哀しみではなく、暖かな物に変わりますように】
2023/03/02 23:51
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投稿者:えびし - この投稿者のレビュー一覧を見る
塩化病による運命に抗う少年達の物語。
己の人生が運命に支配されるならどうすべきだろう?母の病による死によって心に欠落を抱えた八雲は、圧倒的にピアノの才能に秀でた揺月との出逢いにより、孤独だった心象風景が彩りを帯びていく。
時が経ち、プロピアニストとして外国に留学した揺月と並び立てるように小説家として活動をし始める八雲。
運命的な再会を果たした二人は、揺月の病によって蝕まれた時間を共有する。
哀しみで溢した涙がいつしか暖かな涙に変わるように最期まで寄り添うのだ。
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今年の小学館ライトノベル大賞(5年ぶり)
舞台は福島県郡山市
幼なじみの少年と少女の人生を語る物語
一本の映画をみたような深い読了感と脱力感。ページの中にこれ以上ない生命力を感じる作品はいまだかつて読んだことはない、傑作。
タイトル回収の時、本当にがち泣きした。
審査員はこう言った。
『一つだけ不満があった。タイトルがダサい。なんかどこかで聞いたようなタイトルで、ストイックな作風の作者が、この作品の主人公のようになにか読者に媚びた妥協をしたのだろうと思っていた。思っていたのに、ラストまで読んでその意味がわかって泣いた。最後まで読むとこのタイトルしか無かった。』
しばらく読みなおす事はないだろう。決して分厚い本ではないのだがそのくらい疲れた。また数年後に会おう。映画館で
これは涙で始まり、涙で終わる物語。
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ぱっと見の「よくある難病もの」というコーティングを剥がしてみれば、根底にあるのは感動を消費することへの批判と、世の中に溢れる「泣ける作品」への肯定。
特に災害や病気を当事者の意志関係なく勝手にお涙頂戴として軽く消費することについての否定は、揺月だけじゃなくて著者自身の気持ちでもあるんじゃないかなって思った。
(著者さん、地元郡山でなんかそういう嫌な目に遭ったのかな……)
もちろん素直に難病ものとして読むのも正しい楽しみ方だと思う。
この小説自体が「泣ける作品」のガワを纏っている以上、読み手が感動したならそれもまた「アリ」な読み方なんじゃないかなって。
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紛うことなき名作。
「ラノベ」の枠組みで、ここまで大いなる感動を味わえる作品は他に無いと思う。誰もが絶賛することが納得の、素晴らしい作品でした。
時間が飛び飛びに展開する作品で、各時間軸におけるエピソードが終盤に向かって収斂してゆく様は見事。
奇抜な展開は無く、正直ほぼ予想通りの展開であったのだが、それにも関わらず感動を得られたのは、ひとえに、登場人物への共感しやすく描かれているからであろうか。
塩化病から、塩の街(有川浩)を連想し、なーんとなく避けていたのだが、正直、勿体なかった。
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私にとっては美しく無邪気(真っ直ぐ)な恋愛小説?でした。
あちこちで、泣けるというレビューがあるように泣ける要素は盛りだくさんですが、この手の話をいろいろ読んで耐性がついているからか、泣けず。
ただ、大切な人がいつも当たり前みたいに側にいてくれることの幸せを実感できる作品だと思いました。
そして、大切な人をなくしても、幸せに生き続けること。
きっといなくなった大切な人たちの願いはこの作品のようなものなんだろうなと思いました。
↓以下、本作品のpopに私の感想が引用された部分です。ガガガ文庫様、素敵なpopにご引用いただきましてありがとうございました。
『いつも当たり前のようにいる大切な人はいつか必ずいなくなる。大切な人との時間は大切なんだと改めて思える作品です。』(ジジ)
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泣いた。涙で始まって涙で終わるって書いてあったから2回も泣くのか…と思ってたけど最後だけ泣いた。揺月ちゃんの優しい、でも自分の芯がちゃんとあるっていうところがかっこよかった。八雲くんはとてもダメダメだけど素直な所もあって優しいんだなぁ~。と思う所が多かった。柚月ちゃんが死んでしまうときの八雲くんの優しさが包み込まれるようで優しい涙になった。どんな人でもこの本を読んでいるときは優しくなれるような気がした
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少し前にミリ猫を読み、感想を書きたくなりまして。
作中でも出てきますが、
ショパンの、花に隠された大砲という表現がそのまま当てはまる作品なのでは? と読後しばらくして思います。
「感動」といった帯が巻かれたり、そうしたレビューが増えるほど、この作品はさらに完成していくのだと思いました。
大砲を探してもよいし、花を眺めるももちろんOK。感動してもよいし、感動しなくてもよい。あらゆる姿勢を許してくれるといいますか、優しい物語を作られるなぁと思いました。
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物語的には面白かった。
少し残念なところは、地元に寄り添って地区名や場所の名前を出しすぎて、福島県の地理がまったくわからない人にはあまり優しくないような気がした。
また、冒頭で世界に数例と言っていた塩化病を主人公が2回も体験するのも作り物感が増して泣けなかった原因かもしれない。
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舞台は福島県郡山市。
福島、、、、となると、タイトルとあいまって震災が題材かなと思った。ピアノを弾く少女が表紙なので、あの「奇跡のピアノ」かな、と思った。
ダイビングシーンがプロローグにあるので、
震災で沈んだものを連想して、なおさらそう思った。(震災の物語、ではなかった)
2022年、今年の夏の高校野球。ベスト4まで勝ち進んだ聖光学院の野球部が実名で出てくる。
主人公八雲の母が、塩化病という難病にかかってしまうところから物語は始まっていく。
震災や聖光学院、太宰治の『トカトントン』や、
ショパンコンクール、ワルシャワ侵攻、という本物が出てくるので、塩化病がなんかポーンと突き抜けた不思議な感覚だった。
天才ピアニストの揺月との出会いと成長。
母を失い、心のよりどころを揺月に見出していく八雲。揺月もまた、八雲は心の支えだったようで。。。その後イタリアに留学した揺月は、塩化病になってしまう。。
私としては、清水のエピソードと、ポーランドワルシャワ(ショパンの物語)がいいなと思った。
軽さと軽やかさの違い、という文章があって、
揺月の魂は軽やかだけど軽くはない、と書かれていた。なるほどなと思った。
たまたま重なってしまったのだろうが、
戦禍のワルシャワは現在のウクライナを思わせ、
さらに聖光学院が出てくるので、それら「現在」と
震災という「少し前の過去」が、実生活の時間の経過という妙なリアリティを持って、
病でも戦でも災でも、愛するもの(人も街も、腕や足も)が失われるということ、を私に突きつける気がした。それらを何か別のことに利用する是非も。
ただ、あちこちに小さな違和感があって、ん?と、ひっかかると、スッと引き戻される気がした。
たとえば、母を失ってひとりになった小3の八雲が
ひとり暮らしをしてる違和感。これは父のところに行くか施設に入るとこだよなと思ってしまう。
(児童相談所に保護される案件だわ)
揺月を失って家に引きこもるにも、大量の食料を買い込んでいるところも違和感。
憔悴してたら食べることなんて考えないと思うが、、、と思ってしまった。
連絡がつかなかったら心配して家に来そうなものなのに、2年もの間、清水も父さえも来ないのかという違和感。とか。。
ともあれ、読んでいてピアノの調べが聴こえる気がしたし、
あの義手や義足は本当に出来ればいいなと思うし、
揺月のビデオはすてきだった。ラストで初めてタイトルの意味がわかった。
リアルとファンタジーを合わせた「濃い」物語だった。
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わたしはあなたの涙になりたい
著作者:四季大雅
発行者:小学館
タイムライン
http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
facecollabo home Booklog
https://facecollabo.jimdofree.com/
小説家。福島県出身2022年「わたしはあなたの涙になりたい」で第16回「小学館ライトノーベル賞」の大賞を受賞しデビューを果たす。
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震災や事故、そして人が塩になる塩化病。様々な喪失と共感力の強い主人公。
そして彼を支えたコンテンツたちの物語です。
ヒロインとの関係が中心にあり、ロマンチックな展開と生きてくことの強さとずるさが印象的でした。
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【その涙が哀しみではなく、暖かな物に変わりますように】
塩化病による運命に抗う少年達の物語。
己の人生が運命に支配されるならどうすべきだろう?
母の病による死によって心に欠落を抱えた八雲は、圧倒的にピアノの才能に秀でた揺月との出逢いにより、孤独だった心象風景が彩りを帯びていく。
時が経ち、プロピアニストとして外国に留学した揺月と並び立てるように小説家として活動をし始める八雲。
運命的な再会を果たした二人は、揺月の病によって蝕まれた時間を共有する。
哀しみで溢した涙がいつしか暖かな涙に変わるように最期まで寄り添うのだ。
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帯に『これは、涙で始まり、涙で終わる物語。』とあり、
泣ける話を超期待してた。
だが、実際それほど泣けなかった。
あと、設定も少し無理がある気がする。。
というかさ❓️最近のラノベあるあるだけど、
主人公の生活がリアルじゃないんだよね❓️
コイツどうやって生活してんだろ❓️とか、
何でコイツ留年しねーんだろ・・とかさ。
微妙な突っ込み所というか、綻びがあるのさ(笑)
生活感とかさ❓️登場人物のリアルさって大事じゃない❓️
物語で作り話だからこそ、リアルさが欠落すると、
急に物語の全てが薄っぺらくなっちまうんだわ。
良い作品ってさ❓️よく練られてるから、
そういう綻びってあまりないじゃん❓️
それもあってイマイチ物語に没入出来ないと言うか、
共鳴出来ないっていうかさ。
読みやすい作品ではあるし、それなりに面白い作品だよ。
だけど盛り上がりに今一つ欠けるし、
泣けそうなとこで、あと一押しが足りなかったり、
後半も締まってる様で締まってないし、
全体通してこれと言って刺さるトコもないんだよね~
途中まで、結構良い感じで進んでんだよなー。
でも、後半がイマイチ・・。非常に惜しい❗って作品。
今後に期待(笑)
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本屋さんでオススメされていたこの本
福島に知人がいるということもあり読んでみました
胸がぎゅっとなって涙がこみ上げるシーンがいくつもあり‥それでいて決して切ないだけでは終わらない素敵なお話でした
なんとなくだけど、福島の事まだまだ忘れちゃいけないと感じました
機会があれば舞台の地にいってみたいです