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  • カテゴリ:一般
  • 販売開始日: 2022/08/19
  • 出版社: 文藝春秋
  • レーベル: 文春新書
  • ISBN:978-4-16-660155-4
一般書

電子書籍

歴史とはなにか

著者 岡田英弘

応神以前の天皇は実在しない、中世なんて時代区分は不要、十九世紀まで「中国人」はいなかった。この一冊で歴史の見方が変わる!◎インド文明は「歴史のない文明」だ。◎「中世」なん...

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歴史とはなにか

税込 880 8pt

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商品説明

応神以前の天皇は実在しない、中世なんて時代区分は不要、十九世紀まで「中国人」はいなかった。この一冊で歴史の見方が変わる!

◎インド文明は「歴史のない文明」だ。
◎「中世」なんて時代は不要。あるのは現代と古代だけ。
◎隋も唐も遊牧民の征服王朝だった。
◎資本主義経済はモンゴル帝国が広めた。
◎フランス語は人工的に創り出された言葉。
◎「古事記」は日本最古の歴史書ではない……。

世界には「歴史のある文明」と「歴史のない文明」がある。日本文明は「反中国」をアイデンティティとして生まれた。世界は一定の方向に発展しているのではない。筋道のない世界に筋道のある物語を与えるのが歴史だ。「国家」「国民」「国語」といった概念は、わずかこの一、二世紀の間に生まれたものにすぎない……などなど、一見突飛なようでいて、実は本質を鋭く突いた歴史の見方・捉え方。目からウロコが落ちるような、雄大かつ刺激的な論考である。

目次
第一部 歴史のある文明、歴史のない文明
 歴史の定義/歴史のない文明の例/中国文明とはなにか/地中海文明とはなにか/日本文明の成立事情
第二部 日本史はどう作られたか
 神話をどう扱うべきか/「魏志倭人伝」の古代と現代/隣国と歴史を共有するむずかしさ
第三部 現代史のとらえかた
 時代区分は二つ/古代史のなかの区切り/国民国家とはなにか
結語 だれが歴史を書くか

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みんなのレビュー44件

みんなの評価3.9

評価内訳

紙の本

星一つ、マイナス批評に迷はされず、ぜひ讀んでもらひたい一冊

2019/12/06 10:03

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:蛮茶菴 - この投稿者のレビュー一覧を見る

これまで「歴史とはなにか」などと問はれたことなどないだらう。仮に問はれたとしても、予想できる返事は学校の歴史教科書に書かれた程度のことだらう。この本の著者岡田英弘のやうに「歴史とは、人間が住む世界の説明である」などの返答は予想だにしないだらう。

歴史は教科の一科目と思つてゐる人にとつて、わたしもその一人だつたが、この本の内容は瞠目に値する。

瞠目の一つは、歴史とは、と定義がなされることである。これまで歴史が定義されるのを目にしたことは、個人的にはなかつた。

瞠目の二は、歴史といふ言葉が登場するその時を、もちろんそれまで歴史といふ言葉は、人間世界に存在しなかつたことをも教へてくれる。しかも歴史の起源は二つあり、一つは地中海文明を叙述したヘロドトスの歴史であり、もう一つは中国文明を叙述した司馬遷の歴史であると。しかし、この二つの「歴史」といふおなじ言葉が、実はそれぞれ異なる考へ方に基づいて記されたものであることも教へてくれる。

瞠目の三は、歴史の見方は「むかしといま」、つまり「古代と現代」といふ二分法を提案するところである。當然どの時点から現代とするかも示されてゐる。この指摘は大切で、これで歴史を暗記科目に辱めることなく、いまを考察する生きた科目になる。

このことを知ると、文部科学省が行つてゐる日本の歴史教育は「古代」偏重で、いまを生きるのに必要な「現代」の歴史を教へてゐないのがわかる。これは現行の日本の教育の缺陥であり、歪みであり、教育低下の原因である。さういふ歴史教育をしてゐるのが日本教育の現状である。だから授業中船を漕ぐ暗記科目にしかならないのである。

この本は二百頁少々の小冊子であるが、一行の背後にある知識を想像すると、この本は大著である。まるでボードレールの「一分を三分で生きたとしたら」を思ひ出させる文章で出来上がつてゐる。

さて、さういふ讀後感をもつた本であるが、このレビューのなかに、「全部最初からやり直し」と全否定する批評があるのを知つて驚いた。どのやうな讀み方をすればかういふ批評が可能なのか首を捻つてしまつた。

この批評一見公平に書かれてゐるやうだが、その実なかなか手の込んだタチの悪いものである。

たとへば引用について。頁を示すのなら、それはすべての引用箇所がさうされるべきである。あるところは引用頁を示し、あるところはそれをしない。これは無責任である。

一例として、しかし極めつけは、「世界の変化には法則(筋道)はないって理由で『発展段階論』を否定しながら、筋道のない世界に筋道を与えるのが歴史だって主張する」この箇所である。

なぜ「法則(筋道)」なのか?

書き手の意図は明らかで、法則を筋道とすり替へるために、あるひはつぎの文章の筋道へと違和感を抱かせず誘導するために準備されたものである。

ちなみに法則と筋道は類語ですらない、意味の重なる点は微塵もない。と同時にこの引用箇所こそ頁数を明示すべきである。讀者に対する礼儀である。

価値判断にしても、この本では道徳的価値判断、功利的価値判断と書かれてゐる。誤つた切取りすると意味が豹変してしまふ。その昔は文脈を無視するやうな引用は恥ずかいものとされ、学識も疑はれたものだが、それが昨今は「報道しない自由」が罷り通り、平然と、都合よく切取りするのが流行つてゐる、なんともいへず破廉恥である。

「全部最初からやり直し」この批評を讀み、この本を手に取らなくなる人もゐるかもしれない、しかし、それはもつたいない。一人でも多くの人にこの本を讀んでもらひたい。それゆゑこれを付足した。

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紙の本

我々が学んだ歴史は本当に歴史なのか

2018/08/30 07:39

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ドングリ - この投稿者のレビュー一覧を見る

遅くとも小学生から学び始める歴史。この本を読み、これまで学んできたものがほんの一部分かつ限られた視点から見たものだと認識させられた。歴史との付き合い方が変わる一冊である。

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紙の本

真実は水底の死体のようなもの

2021/02/20 22:10

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:FA - この投稿者のレビュー一覧を見る

歴史には、どうやら「個人の体験できる範囲を超えたものを語る」という性質があるようだ。歴史の成立には、もう一つ、非常に重要な条件がある。それは、事件と事件の間には因果関係があるという感覚だ。
歴史は物語であり、文学である。いいかえれば、歴史は科学ではない。
でも、科学の手法を用いて、真実を導き出すことを続けないと、歴史ではなく、文学・物語となって落ちていくことになる。よく「歴史修正主義」という言葉が使われる昨今。真実を導き出すという視点をもっていれば、いくらでも歴史は修正されるべきで、そこには、論争があるべきだと思う。論争もせずレッテル張りをやっているのであれば、それは歴史というものをわかっていないか、利用しようとしているかのどちらかではないだろうか。

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紙の本

もう随分の前からのロングセラー

2019/01/31 21:31

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ともクン - この投稿者のレビュー一覧を見る

陰謀論者の副島隆彦氏も私淑している東京外大のモンゴル史の岡田秀弘氏(少し前に故人)のロングセラー本。それほどの極論もなく、最近の歴史ブームの中では、比較的落ち着いた雰囲気のまっとうな内容だと思えた。この本でさわりを触れている中国文明や、倭国・アジアについての各論も、既に新書や文庫になってロングセラーになっているので、そちらも併せて読んだ方がいいようだ。京大系の内藤湖南や宮崎市定らの流れより(最近はそちらの方が評価は高いようだが)、どちらが信用できるのか、要検証。

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紙の本

人間の営みは民主主義にむかない?

2005/10/15 16:09

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:hisao - この投稿者のレビュー一覧を見る

先生の歴史観を結論的に言うと
①マルクス史観的発展史観は誤りである
歴史の歩みは何らかの一つの理念・方向に向かうものではない。
②国民国家は終焉を迎える
戦争に強いという偶発的要因で広まった“国民国家”と言う政治形態が永続する理由はない。
国家・国民・国語すべてのアイデンティティは人間の観念が創り出した物に過ぎない。
③民主主義など成立しない
大多数の人間は自分がしている事を自分で解るだけの頭もなく、自分の生き方を自分で決めるだけの強さもない。
だから民主主義には向かない。
人間は生まれながらに不平等(国民国家は“みんながみんなを持つ”と言う論理矛盾である)である
と言う事になりましょうか。
矛先は“正統中華民族”の国家を標榜する中国に向けられます。
先生は数々の著作で歴代の中国王朝の“正統性”がまやかしである事、国家擁護・国家目的の影に隠れた中国支配層の権力主義、保身主義の欺瞞を暴きます。
確かにそれが声高に叫ばれる程、現代の国家とか民族の虚構性には空しさが感じられます。
しかし日本史上の中国文明からの影響を全否定し、
日本の鎖国性・封鎖性が近代日本国家を形成せしめたかのように結論づけるには無理があるようです。
中国文明に拘わらず権力は常にその“正統性”を主張するものです。
現に民主主義を否定する先生自身、
“君主制では権力が世襲されるのではない、人格(文化伝統と権威)が世襲されるのである”と立憲君主国家の優位性を主張し暗に”権力に依存しない“日本天皇制の”正統的“を誇られているかのようです。
先生が言われる迄もなく人間は生まれながらに不平等かも知れません。
でも複雑な歴史を一義的発展史観で括る過ちは避けなければなりませんが、
見果てぬ夢かも知れぬ平等、民主をひたすら求め国家とか民族を通しての同胞愛の為に戦ってきたのも
人間の歴史で有る事、膨大な歴史書を読破されて来られた先生にとって充分ごぞんじな筈ですが。

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紙の本

ユニークな見方でなかなか面白いけれど、「普遍的」って難しいねぇ

2008/03/12 13:42

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:りっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 著者によると、「直進する時間の観念」「時間を管理する技術」「文字で記録をつくる技術」「ものごとの因果関係の思想」の4つがそろうことが、歴史が成立するための前提条件だそうな。
で、インド文明には、輪廻転生の思想があるから、時間がくり返されてしまい、歴史のない文明と断定。イスラム文明も「イン・シャー・アッラー」で、因果よりも神の意思尊重だから、基本的に歴史はない。ただ、地中海文明の国々に対抗するために、文字で書かれた記録があるとする。アメリカは歴史を否定して憲法で作られた国。中国には歴史はあるが、司馬遷が創った「史記」で、「武帝こそ正統の天子」という観念がその後の歴史書にも継続され、停滞する歴史となったと言う。
 マルクス主義の歴史観、経済の仕組みによって政治制度が変わるというのは、わかりやすいようだが、非現的だ、とか、世界の変化は偶然の事件の積み重なりによって変化しだのだというのはどうかなぁ。それって、歴史から学んで、未来をよりよくするための人間の叡智とか努力というものまで否定することにならないかなぁ?
 時代区分は、「むかし」と「いま」という2分法で、13世紀のモンゴル帝国から世界史がはじまるとする。現物交換または金本位から、不換紙幣にかわり、信用取引が行なわれたから。現代は、二つの革命が起こり、政治形態が劇的に変化した19世紀から。
 世界史なんて、すっかり忘れている私としては、単純で判りやすいねぇ。「国民」とか「国家」なんて概念も「国民国家」ができてから、とかいうのも「なーるほど」だし、何で国民国家が流行ったかと言うと、徴兵制導入で強い軍隊が持てたからとか、最初の歴史書なんて、自分の国の君主皇帝を正当化するために書かれたものであって、それが本当のことでも、歴史でもないと断定している所がすっきりしてていいや。
 でも、歴史へのロマンを期待する一般人には一寸淋しいやね。「草原の香り」がするから、『元朝秘史』に書かれているのは全部本当のことだと信じちゃうモンゴル人の学者には親しみが湧くよ。
 どうもね、著者は自分を『よい歴史』を書ける「普遍的個人」と思っているようだよ。「国民国家」というのが観念上のものとすれば、「普遍的個人」もそうで、下手すれば、「独断」や「偏見」になりかねない。難しいやね。
 朝貢について、あれは中国皇帝に対しての個人的プレゼント。宗主国との隷属関係ではなく国内向けにそうであるかのように宣伝したものと説く。でも、まず、個人的プレゼントってことはない、権力があるからプレゼントが有効なのだから・・・後者についてはどうもそうらしい。だって、韓国・朝鮮の人たちが、秀吉の朝鮮出兵や第二次大戦の日本の侵略には「恨」を抱くのに、中国に対してはないもの。
 だから、「朝貢」をしていたからと言って、朝鮮や韓国が日本にコンプレックスを抱いていると言う説も矛盾している。相手がコンプレックスを抱いていると言う場合、たいてい自分の方が気にしていると言うことなんだけどなぁ。で、この方の場合、神話を歴史でないと断定しているにもかかわらず、「天皇陛下が姿をあらわせば、それは日本の歴史そのもの」なんて言うんだよねぇ。生き延びたから偉いって、みんなそうなんだけれど?私が生きているってことは、天皇の神話時代にも私のご先祖も生きていたって訳で。ただ、私たちにはそこまでの記録が残っていないのと、他の国の君主は、政治的経済的権力も握っていたから、殺されることが多かったけれど、天皇家は、それほど権力なかったからねぇ。・・・まぁ。珍しい存在ではあるけれど・・・日本を素直に誇れない人ほど天皇制にしがみつくのはなぜなんだろう?
 もう一つ、矛盾しているのが、隣国との歴史のつき合せについて。「国民国家の垣根を越えた共通の歴史認識を持つということが、いかにむずかしく、危険なことであるか」って。でも、結語では、「長い目で見れば・・・文化の違いや個人の好みを超えて、また書かれた時代を離れても、多数の人を背得できる力が強いということだ」とも書いているんだよね。長い先を見越して、まずつき合わせてみればいいじゃん、と思うね。今、無理に一致させる必要はない。いつかは、国民国家の枠が外れるだろう。
 著者も言っているけれど、国民国家はそろそろ限界。戦争がたくさんの一般人の犠牲を伴うものになってしまったからね。戦争をするための国民国家はもういらないというふうになるだろう。EUができたのもその証左と言っている。
 アメリカ合衆国憲法の民主主義についても、「神の前に平等に作られている」という前提が大うそだって。フランスの「平等」も偽善だって。
 「われわれ一人一人が経験で知っているとおり、人間というものは、生まれながらにして不平等なものだ。生まれついての能力にしても、育った環境にしても、みんなそれぞれ違う。それなのに、民主主義の制度は人間はみなそれぞれ、自由な意思で決断し、自立的にふるまう能力を持っている、ということを前提にして、作られている。現実には、大多数の人間は、自分がしていることも自分でわかるだけの頭もなく、自分の生き方を自分で決めるだけの強さもない。つまり民主主義には向かない。」
 オホッ、説得力ある発言。でもね、動物の中で見たら、何の特別な能力も持たないという特殊な動物なんだよね。そのかわりに、考える、努力する、工夫する、成長するという能力を持っている。他の動物と比べたら、人間同士の差なんてたいしたことないよ。確かに生まれながら不平等だよ。だからこそ、民主主義の理想、憲法上の理念、国民とのお約束を大事にしていかないといけないんじゃないかな?
 学者として、途中までは、柳田国男とおなじように語源を丹念に拾っている。だけど、結論が飛びすぎで乱暴。柳田さんの謙虚さがないねぇ。「と思います」じゃなくて断定しちゃうから・・・「普遍的学者」とは言いがたいけど、個人的考えを遠慮なく言っているあたりが、一面的だけど鋭いとも、面白いとも言えるかな。

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紙の本

恐らく口述筆記と思われる

2021/05/31 21:53

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る

口語的な文末表現と比喩が
多用されているので、
書いたと言うよりは、
話した内容をまとめた本なのでしょう。

一般向けなので細かな論証を
省いた分だけ、著者の主張の
大胆さが目立つ結果になっています。

これを読むよりは、
著者の「世界史の誕生」を繙くことを、
個人的にはおすすめしたいです。

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紙の本

最初からやり直し

2001/12/20 08:21

5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:小田中直樹 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ずいぶん昔、まだ高校生だったころ、「これは名作だから読んどけ」っていわれて、僕はイギリスの歴史家エドワード・カーの『歴史とは何か』(岩波新書)を手に取った。タイトルは大雑把だし、これは楽勝だろうって思って読みはじめたんだけど、これが大間違い。あとで知ったけど、これは世界を代表する現代史家が歴史学について深く鋭く考察した、まさに玄人向けの一冊で、高校生の素人の手におえるような代物じゃなかった。そして、その出版から四〇年たって、同じタイトルの本が出た。この野心的な本のなかで、著者の岡田さんは、世界の文明ごとに歴史認識のあり方を比較し、日本史を例にとって歴史と神話の関係を論じ、現代史の特徴を解説した。

 この本のメリットは、歴史の問題は時間をどう認識するかにあり、その認識のし方がまさに文化なのだと指摘したうえで、インド、イスラム、アメリカ合衆国、中国、地中海、日本という世界中の文明について、歴史認識の特徴を抽出して比較するという、野心的で膨大な作業に取り組んだ点にある。その際、岡田さんは、直進する時間の観念、時間を管理したり文字を記録したりする技術、そして因果関係の思想が揃わなければ歴史は成立しないと考え、インドとイスラムと合衆国は「歴史のない文明」であり、中国と地中海は「歴史のある文明」だと主張する。たしかにインド文明で重要なのは輪廻の思想であり、イスラム文明では因果関係は神の領域にあり、合衆国文明は過去を顧みないっていわれると、もっともな気がする。また、同じ「歴史のある文明」でも、中国文明の歴史観では「変化があってはならない」(四一ページ)のに対して、地中海文明の歴史観では「世界は変化する」(五九ページ)っていわれると、これまた「うーむ」と唸るしかない。分明と文明が理解しあうのは、こんなに歴史意識が違うとすると、なかなか大変なことだろう。

 この本のデメリットは、おもに日本史と現代史を論じる部分に関わって、次の二点にある。第一、立場が揺れてわかりづらいこと。たとえば、「歴史」って言葉を、実際に存在した過去の事実って意味で使ったり、それを叙述したものって意味で使ったりする。世界の変化には法則(筋道)はないって理由で「発展段階論」を否定しながら、筋道のない世界に筋道を与えるのが歴史だって主張する。歴史は科学ではなくて物語や文学だっていいながら、「よい歴史とは、結局、資料のあらゆる情報を、一貫した論理で解釈できる説明のことだ」(二二〇ページ)っていう。国境を超えた歴史である世界を描かなきゃいけないっていいながら、「国民国家の垣根を越えた共通の歴史認識を持つということが、いかにむずかしく、危険なことであるか」(一二六ページ)って断言する。歴史の使命は権力の正当化にあるっていいながら、歴史から価値判断を排除することを説く。

 第二、根拠なく断定すること。たとえば、集団的なアイデンティティは誕生したときの事情に最後まで影響されるとか、現代史では細部が問題だとか、歴史の主流は政治史だとか、現代史を見分ける基準は国民国家だとか、世界史は良くて一国史は悪いとか、どれ一つとっても、真面目に論じるためには本が一冊必要になるような断定がてんこもり状態なのだ。一九世紀以後に出来た概念を使って一八世紀以前の歴史を叙述しちゃいけないっていう不可思議な主張もみつかるし、この本を読んでも「歴史とはなにか」はわからない。

 もしも「看板に偽りあり」になりたくなかったら、「歴史」って言葉を定義し、歴史の書き方を解説し、歴史の客観性について説明し、国民国家のこえ方を提唱し、歴史と価値判断の関係を検討し、ものごとを整理するために使う概念の働きを考えなきゃならないだろう。おっと、つまり「全部最初からやり直し」ってことじゃないか。[小田中直樹]

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