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【期間限定価格】真田太平記(七)関ヶ原
著者 池波正太郎
会津出陣中の徳川軍団から離れ上田に帰った真田昌幸・幸村は、ただちに城の守りを固める。家康は息子秀忠に中山道をゆく第二軍を率いさせ、真田信幸に先陣を命ずる。秀忠軍四万を上田...
【期間限定価格】真田太平記(七)関ヶ原
真田太平記(七)関ヶ原
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真田太平記 改版 第7巻 関ケ原 (新潮文庫)
商品説明
会津出陣中の徳川軍団から離れ上田に帰った真田昌幸・幸村は、ただちに城の守りを固める。家康は息子秀忠に中山道をゆく第二軍を率いさせ、真田信幸に先陣を命ずる。秀忠軍四万を上田城に迎えうった真田父子は、様々な謀略を使ってこれを釘づけとし、ついに関ヶ原の決戦に間に合わせなかった。真田父子が徳川軍の約半分を削いだにもかかわらず、結束のはかれぬ西軍は家康に敗れる。
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紙の本
草の者の家康暗殺に白熱し、日和見大名が大戦を揺るがし、清廉の武士が敗者を敬う
2009/12/28 19:12
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る
西へとって返す東軍の先発隊が岐阜城を落とした報を聞き、家康が江戸を発して西上を決意するところから、関ヶ原の合戦の決着がつき敗戦の将たちの処分を行われるあたりまでを描いている。
また甲賀忍び・猫田与助が、真田の草の者・お江に異常なまでの怨念を感じている理由が明らかにされている。
関ヶ原の戦いを目前にして、真田の草の者が家康の命のみ集中して狙うシーンは、大群がぶつかり合い、勝敗のみに目がいきがちな合戦の中にあって、命を狙い狙われる緊張感がひしひしと伝わってくる。
真田昌幸・幸村父子が徳川秀忠率いる第二軍を上田で足止めする有名な場面もあり、こちらも白熱が伝わる。
中心的に書かれている関ヶ原の合戦では、東西勝つ方に味方しようと、戦いが始まった後も日和見している大名達など自分の保身に走る『卑怯な』武士達が醜く描かれている一方、清廉の武士たちが対照的に気持ちよく描かれている。
特に、戦後、福島正則の家来と八丈島に流された宇喜多秀家との話や、真田信幸の岳父・本田忠勝が真田昌幸・幸村の助命を願うシーンは、敵味方、勝敗を越えて相手を敬う好意が気持ちよい。
少々残念だったのが、西上する徳川を追撃しなかった上杉の様子が描かれていないこと。
藤沢周平著「密謀」のように上杉内の様子が描かれていると面白かったのだが。
しかし状況説明はされている。関ヶ原の決戦が終わったあとも、結城秀康、伊達政宗、最上義光らと戦闘していたため、家康が西上をはじめた時機に追撃をはじめれば、背後から最上、伊達が上杉領に侵入してくる心配があったこと。そしてこの頃から上杉景勝は直江兼続との呼吸が合わなくなったと書かれている。
結局、西上する徳川を追撃するには『最上、伊達の侵入を許してでも』という一か八かだったのだろう。
ところで作中で池波氏は、直江兼続について世間で評されているほど兼続を買っていないと語っている。
その理由は書かれていないが、その前に述べられている『直江兼続も石田三成も「一か八か……」の激烈な闘志に揺り動かされてい、大局を看ることができなかった』という部分から、その言わんとしていることが窺える気がする。
紙の本
関ヶ原の合戦と言っても、スペクタルな戦いとは言えなかったようです
2017/05/15 23:02
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
『真田太平記』中盤のクライマックスは関ヶ原の合戦です。
とはいえ、学校の教科書で教えられるような天下分け目の大合戦というのとは印象が異なります。単に世の中を二分して覇権を争ったというのではなく、それぞれがそれぞれの思惑を持って家康についたりつかなかったり、つかないと見せかけてついていたり。そのあたりが一見脇役と思われる人たちにまで触れられています。この巻を読んでいると、それぞれの大名たちやその家来たちが、あるいは豊臣家のためと言い、あるいは家康のためと言い、あるいは単に自己の保身のためと考えて行動していたところが描かれており、ついついみなもと太郎の『風雲児たち』の始まりを思い出してしまいました。
そんな中ここでも真田一族については、むしろサラッと描かれているようにも思われます。もちろん秀忠軍が上田城を攻めあぐねて家康軍に合流し損なうところはきちんと描かれており、その時の真田本家特に昌幸の言動には胸のすく感があります。
そして、そんな史実よりも面白く、ついつい読み続けてしまったのが、真田の草の者たちが家康の首を狙って暗躍するあたりです。これがもう面白いんだなあ。