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【期間限定価格】武士(おとこ)の紋章
著者 池波正太郎
関ガ原の後、石田三成の義弟の妻だった真田幸村の実妹の於妙(おたえ)を娶り、睦まじく添いとげた滝川三九郎。その、運命に逆らわずしかも自己を捨てることのなかった悠然たる生涯を...
【期間限定価格】武士(おとこ)の紋章
武士(おとこ)の紋章
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武士の紋章 改版 (新潮文庫)
商品説明
関ガ原の後、石田三成の義弟の妻だった真田幸村の実妹の於妙(おたえ)を娶り、睦まじく添いとげた滝川三九郎。その、運命に逆らわずしかも自己を捨てることのなかった悠然たる生涯を描いた表題作。父弟と袂を分かって家康に仕え、信州松代藩十万石の名君として93歳の長寿を全うした真田信之ほか、黒田如水、堀部安兵衛、永倉新八など、己れの信じた生き方を見事に貫いた武士(おとこ)たちの物語8編。
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紙の本
己の信念を貫く8人の武士(おとこ)達の物語
2010/01/06 19:18
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る
収録されている8人の人物は、黒田如水、滝川三九郎、真田信之、真田幸村、堀部安兵衛、永倉新八、三根山、牧野富太郎。
それぞれの人物に共通しているのは、自分の信念を貫いている人物だということ。
それが武士(おとこ)の紋章という書籍のタイトルになっており、池波氏がその人物に対して、好感を持って描いているのが伝わってくる。
すべて戦国時代など武士の時代のものではなく、元関取『三根山』や植物学者『牧野富太郎』の人物伝も収載されている。
『三根山』では、三根山こと島根島一の人柄と、弟子に対する厳しさと愛情がうかがえ、このような人物が時津風部屋にいたなら、部屋で起こった事件もなかったのではないかと思えてくる。
『牧野富太郎』は、日本の植物について数多く命名し、日本の植物学に多大に貢献した人物。
裕福な家庭に育ち、自分の大好きな植物の世界に没頭することができたが、研究費のために浪費する氏はついに実家を破産させてしまう。
しかし本人は、貧しくなってしまってからの勉強や研究の方が進歩を示したと言っているから、貧乏によって勉強や研究に向かう集中力が増したということか。
『三代の風雪 -真田信之-』は、「錯乱(真田騒動-恩田木工-に収録)」「獅子の眠り(黒幕に収録)」「獅子」の真田信之伝について、補足を含んだ内容となっており、信之の全体像が見えてくる。
そして他の作品には描かれていない、信之の没後の家臣・鈴木右近の殉死も描かれている。
池波氏の小説を読むと、登場する人物像がどれもはっきりと浮かび上がり、その人物を見ているかのように感じられる。
きっと池波氏が好んで書いている人間達だからだろう。
一度、池波氏が書いた嫌いな人物の小説を読んでみたかった。
紙の本
魅力にあふれる伝記風傑作短編集
2009/06/28 21:30
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
池波正太郎の短編小説集である。この短編集は時代物だけではなく、大相撲の三根山と植物学者の牧野富太郎が加わっているのが特徴であろう。池波がまだ若い頃の作品群である。三根山に関しては、初めて世に問うた作品だという。
その2編を加えて合計8編の短編集である。短編集とはいっても、無名の人物を主人公にしたものではなく、名のある人物が主役となっている。いずれも実在の人物なので、小説というよりは、伝記のようなものであろう。
中でもタイトルにもなっている「武士の紋章」が白眉である。武士は「おとこ」と読ませるようで、主人公滝川三九郎の物語である。その他は黒田如水、真田幸村、真田信之、中山安兵衛、永倉新八といずれも骨のある人物が選ばれている。
「武士の紋章」における滝川三九郎もさることながら、「智謀の人」の黒田如水は短い中にもその人となりが凝縮されて描かれている。如水は家康に仕えた黒田長政の父親である。当初は信長、秀吉の参謀であったが、さっさと長政に家督を譲ったが、関ヶ原の合戦では家康側の東軍について、勝利をもたらした。タイトルの智謀の人を戦乱の時代の中に描いている。
滝川三九郎は、信長の重臣であった滝川一益の孫である。一益は秀吉と闘った後に敗れて失脚した。その孫の三九郎は伯耆の中村家に仕えることになったが、事件が勃発して真田家と縁続きになる。それ以来、対幕府の逆境の中を悠々と生きていく姿を描いている。真田親子・兄弟については、詳しく真田太平記に書かれているようなので、本編での話は言わば予告編であろう。
三根山は戦後、大関になった力士である。はっきりした記憶はないが、私が子供の頃に活躍していた人気力士であった。最近、外国人力士の登場で何かと波風の立つ角界である。とくに、奇しくも本編では三根山の若い弟子たちとの接し方が書かれている。愛情をもって弟子を育てるとはこういうことかと合点がいく。
時代を感じさせるのは、牧野富太郎である。私が中学生時代には偉人といえば牧野富太郎の名前があった。今はおそらく名前を知っている人はいないであろ。自学で日本の植物学の大家になった反骨精神旺盛な学者の一生を、池波は淡々と描いている。
紙の本
真田もの
2019/08/11 06:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
真田太平記番外編というべき短編、滝川三九郎を題材にした小説を収録している。武士の物語の短編8編が楽しめる。