K-POP現代史 ──韓国大衆音楽の誕生からBTSまで
著者 山本浄邦
いま世界を席巻するK-POPは、いかにして生まれたのか? 植民地支配下における韓国大衆音楽の誕生から、隣国日本との歴史的葛藤、「韓国といえば演歌」の時代、社会に議論を巻き...
K-POP現代史 ──韓国大衆音楽の誕生からBTSまで
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商品説明
いま世界を席巻するK-POPは、いかにして生まれたのか? 植民地支配下における韓国大衆音楽の誕生から、隣国日本との歴史的葛藤、「韓国といえば演歌」の時代、社会に議論を巻き起こしたヒップホップ、民主化、経済危機、IT化、「戦後最悪の日韓関係」の中で花開いたK-POPブーム、そして力強いメッセージ性とアイドル性を兼ね備えたBTSの世界的成功まで、激動の100年の情勢を押さえつつ、今日に至るジャンルと国境を越えたダイナミックな発展を通史的に論じる。
目次
- はじめに──K‐POPとは何か/BTSが「活動休止」!?/K‐POP快進撃の理由/本書の構成/K‐POPに出会うまでの「激動の一〇〇年」/第1章 K‐POP前史──韓国大衆音楽の誕生と発展/1 韓国大衆音楽成立への胎動【一九世紀~】/ポピュラー音楽の誕生/アメリカにおける新しい音楽の形成/開港期朝鮮における西洋音楽の受容/音楽をめぐるせめぎあい/レコードの登場/米レコード会社の発展と海外進出/蓄音機、朝鮮へ/レコード販売の始まり/2 植民地近代と韓国大衆音楽の誕生【一九二〇年代~】/朝鮮植民地化と「文化政治」/朝鮮の植民地近代/日本のレコード業界再編/レコード会社の朝鮮進出とラジオ放送開始/大衆音楽の時代へ/「親日歌謡」と「軍国歌謡」/朝鮮の解放と分断/韓国政府樹立後の大衆音楽の変化/3 スター歌手の時代──南珍と羅勲児【一九六〇年代~】/テレビの時代へ/エルヴィス・プレスリーの衝撃/「韓国版エルヴィス・プレスリー」南珍/羅勲児とのライバル対決/六〇~七〇年代の韓国政治/朴正熙政権による規制/経済発展の矛盾と韓国の若者たち/社会に抵抗するロックとフォークの勃興/「浄化対策」と若者たちの音楽/4 アイドル文化とダンス音楽──消防車の登場【一九八〇年代~】/朴正熙暗殺と全斗煥政権の誕生/「3S政策」とカラーテレビの普及/民主化運動と「民衆歌謡」/李秀満の渡米とSM企画設立/ビデオの時代と音楽/マイケル・ジャクソンとミュージックビデオブーム/ヘッドフォンステレオとCDの普及/ジャニーズ事務所の成長と少年隊の衝撃/韓国初のアイドルグループ、消防車/消防車の剽窃疑惑と「韓国のマドンナ」金緩宣/二〇世紀のトランスナショナルな文化の流れ/第2章 戦後日韓関係と「韓国ブーム」──「韓国といえば演歌」の時代/1 戦後の日韓関係/サンフランシスコ講和条約と日韓交渉の開始/交渉の難航と久保田発言(第一次~第三次会談)/政治的決着へ(第四次~第七次会談)/日韓条約と残された課題/六〇年代後半~七〇年代前半の日韓交流/在日韓国人社会と韓国大衆音楽/2 八〇年代日本の「韓国ブーム」/李成愛の日本デビュー/「韓国ブーム」の多様な展開/『平凡パンチ』の「一冊まるごと韓国特集」/買春ツアーへの批判/「韓国ブーム」と「日韓新時代」/韓国民主化の進展と「韓国ブーム」/3 「韓国といえば演歌」──趙容弼・金蓮子の紅白出場/「演歌の源流は韓国」/アジア=演歌か?/一九八九年の紅白歌合戦/韓国での趙容弼/趙容弼の日本デビュー/ほか
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前半は現代史 後半はK-POP
2025/01/11 21:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:清高 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1.内容
タイトルは「K-POP現代史」であるが、第2章までは「現代史」のウェイトが大きく、第3章以降が「K-POP」のウェイトが大きい本である。第2章までは、日本の植民地支配や朝鮮半島における東西陣営の対立などが詳しく、第3章以降はK-POPがいかに成功し、失敗があった時にどう対処したか、金融危機をきっかけにして採用した政策がK-POPの躍進の一因になったこと、などが書かれている。
2.評価
(1)第2章までで言えば、冗長で、早くK-POPの話をしてくれ、という読者もいるかもしれないが、単なる教養ではなく、K-POPができるまでの経緯の参考になっているので、よい。中華圏と違って日本進出が苦労した原因も理解できる。
(2)第3章からについては、K-POPについて詳しく書かれている。筆者の理解の限りでは、K-POPは「大衆音楽」の系統のようだが(「『闘う音楽』への変貌」ともある。p.141)、「民衆歌謡」(p.141)という対立概念があるのは知らなかった。また、アメリカの音楽シーンの影響が書かれており興味深かった。もちろん具体的なアーティストや事務所の変遷も。
(3)以上の通りであり、K-POPに興味のある人が読めば興味深い本なので、5点とする。
「大阪暮色」も忘れないでね
2023/05/01 10:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
今でこそ、韓国の音楽といえば世界に冠するK-POPだけど1980年代までの韓国音楽といえば「演歌」だった、チョー・ヨンピルの「釜山港へ帰れ」、そして私の大好きなケイ・ウンスクの「大阪暮色」