死刑すべからく廃すべし
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読み応え十分
2023/07/10 16:29
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治期から教誨師として多くの死刑囚(大逆事件も含め)と向き合い、「死刑すべからく廃すべし」と死刑制度に疑問を投げかけていた「田中一雄」と言う人物がいた。著者は、彼が残した手記との出会いを通し、それがどのように残され、どう託されてきたか、田中一雄とはいかなる人物だったのか、多様な資料調査を通し、明らかにしていく。
硬派なノンフィクションであり、ある意味での歴史評伝のようでもあるが、第4章で、田中一雄の正体が明らかになるあたり、ミステリーのようにも読め、面白かった。
著者の言いたかったのは
「田中一雄の手記は、死刑に向き合うことを避け、死刑制度のあることに慣らされてしまっている現在のわたしたちへの問いを含んだ、世紀をまたぎ越した「遺書」でもあろう」
というまさにそれだと思う。