ガンディーの真実 ――非暴力思想とは何か
著者 間永次郎
★中島岳志氏推薦! 「今後、この本を抜きにしてガンディーを語ることはできないだろう」★ 贅沢な食事をしないこと、搾取によってつくられた服を着ないこと、性欲の虜にならないこ...
ガンディーの真実 ――非暴力思想とは何か
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商品説明
★中島岳志氏推薦! 「今後、この本を抜きにしてガンディーを語ることはできないだろう」★ 贅沢な食事をしないこと、搾取によってつくられた服を着ないこと、性欲の虜にならないこと、異教徒とともに生きること、そして植民地支配を倒すこと――。ガンディーの「非暴力」の思想はこのすべてを含む。西洋文明が生み出すあらゆる暴力に抗う思想・実践としての非暴力思想はいかに生まれたのか。真実を直視し、真実と信じるものに極限まで忠実であろうとしたガンディーの生涯そのものから、後の世代に大きな影響を与えた思想の全貌と限界に迫る。ガンディー研究を一新する新鋭の書!
目次
- はじめに──非暴力思想とは何か/あるジャーナリストの「困惑」/誤解されたガンディーの非暴力思想/サッティヤーグラハ=真実にしがみつくこと/人間はどこまで真実にしがみつけるか?/本書の構成/第一章 集団的不服従──日常実践の意義/1 生い立ちと政治的生涯/(1)幼少期・青少年期/(2)ロンドン滞在期/(3)南アフリカ滞在期/(4)インド滞在期/根本的な問い/2 四度の集団的不服従運動/(1)南アフリカの集団的不服従運動/(2)第一次独立運動/(3)第二次独立運動/(4)第三次独立運動/日常実践への着目/第二章 食の真実──味覚の脱植民地化/1 菜食主義への目覚め/ロンドンで見つけた「伝統」の価値/菜食主義レストランでの出会い/菜食で「強く」「男らしく」なる/2 味覚の植民地化/チョコレートの中に「死」を見る/人間本来の味覚の疎外という問題/果実食の実験/3 塩、その「非暴力的」な食材/インド塩税法への抵抗/「食の真実」にしがみついた歴史的瞬間/ミルクをめぐる葛藤/晩年のレシピ/第三章 衣服の真実──本当の美しさを求めて/1 人間本来の姿を目指して/八度の変化/衣服の最終目的/2 チャルカーで紡ぐ白い服/着心地・機能性/国産であること/伝統的革新性/限界と現代的意義/第四章 性の真実──カリスマ性の根源/1 ブラフマチャリヤ思想の形成/幼い頃の「呪い」/東西哲学の吸収/思想上の矛盾/2 サッティヤーグラハ運動の誕生/従軍体験が生んだブラフマチャリヤの誓い/沸き起こる「魂の力」/カレンバッハとの同居生活/男女の愛を超えようとした同性愛的禁欲行動/3 男性的ナショナリズムから女性原理へ/非暴力と生命エネルギー/「女性原理」の発見と塩の行進/タントラ学派からの影響/晩年の「大いなる供犠」/「新しい」ブラフマチャリヤが行われた理由/「おお、マハートマー」/第五章 宗教の真実──善意が悪になる時/1 「宗教」以前の宗教的体験/多様な宗教文化に開かれた生育環境/「ラーマのおまじない」/2 全ての宗教に通じる教え/諸宗教の経典を読む/南アフリカで起こった「宗教」への目覚め/『バガヴァッド・ギーター』と戦闘的非暴力/非暴力思想の三つのレイヤー/3 非暴力的宗教多元主義とインド独立運動/近代西洋的な「宗教」概念からの脱却/非暴力の特殊性に起因する宗教対立──モープラー暴動/知られざる「ヒンドゥトヴァ」の系譜/忘れられたジンナーの警鐘/「ヘー、ラーマ」──究極の独我論?/第六章 家族の真実──偉大なる魂と病める魂/1 「小ガンディー」の活躍/父を支えた長男/教育をめぐる緊張/重大な思想的変容期における別離/(1)絶対的平等主義──万人に対して平等である/(2)身体宇宙論──他者は自己の幻影である/2 長男の低迷と父の自己浄化/ハリラールの挫折と反抗/息子を「変革」し「勝利」しようとする父/発見されたガンディーの妻の日記/終章 真実と非暴力/「自己」の発見/自分自身になることで「普遍的存在」に至った人物/二つの大敵──恐れと文明/矛盾/批判的継承の重要性/謝辞/文献一覧
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暴力とは、他者を自らの欲望を満たす手段にすることのすべて
2023/12/15 19:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いずみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
贅沢な食事をしないこと、搾取によってつくられた服を着ないこと、性欲の虜にならないこと、異教徒とともに生きること、そして植民地支配を倒すことー。ガンディーの「非暴力」の思想はこのすべてを含む。西洋文明が生み出すあらゆる暴力に抗う思想・実践としての非暴力思想はいかにして生まれたのか。真実を直視し、真実と信じるものに極限まで忠実(サッティヤーグラハ。真実にしがみつく)であろうとしたガンディーの生涯・・・(見返しの紹介より)。贅沢な食事をしない、というのはかなり和らげた表現で、単に菜食というのではなく、砂糖スパイスコーヒー紅茶はダメ、はじめは果実食を実践していたというのに驚いた。そして、そのような実践をするに至ったのは・・・
ガンディーは社会的不正を糾弾するトルストイやソローの思想に決定的に抜け落ちていた人間の「身体」という次元の問題に目を向けた。ガンディーはトルストイやソローが説く、抑圧される側の「良心」に基づく市民的不服従論は、それだけでは楽観的な理想主義に過ぎないと考えた。なぜなら、為政者だけでなく、抑圧される者もまた、同じように欲深く、自分よりもさらに弱い人間を見つけては傷つけ、他人を押しのけて優位に立ちたいという願望を持っており、良心は曇らされているはずだからである。そして、このような願望の根源は全ての人間の身体に生まれながらに備わっている自己中心的本能である。この自己中心的本能の問題に向き合うことなしには、真の意味で「良心」に従うことなどできないはずである(80頁)
「非暴力」をはるかに超えた・・・
2023/10/02 16:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ガンディーが指揮した非暴力の反英闘争、その顕著な例が1930年の塩税法に反対して起こった所謂「塩の行進」、デモに参加した人たちは、私たちが想像する「非暴力」をはるかに超えた信念=非暴力でイギリスにやれれてもやられても立ち向かったのだ