黒と白の間は幅広い
2023/11/04 19:45
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
悪を働こうとする者と、悪を憎んで距離をとって生きようとする者と、人として邪悪な部分が意図せず出て生きていく者がいる世の中だと、気づかされる。倫理とかモラルとかを気にせず、上を向いて努力した者だけが、金銭や名誉や地位を得て勝者となると信じる人がいるのだ、世の中には。それらは、ハングレであり、黒く生きると白く生きる人の間に生きるグレイゾーンの半暮だ。そんな反社会的勢力を、権力者であり既得権益を握る層は、利用している。この物語は、すぐ傍にあるかもしれない闇を気づかせ、心を慄かせる。救いは、読書に目覚め、読書に対する切実さに引っ張られ、温かな人間らしさを得るひとりのハングレの存在か。
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
どうにかならないものかね。
法律変えなきゃダメなのかな。
実際、あの広告代理店がいないと、まわらない案件っていっぱいあるのよね。
決して良いことではないけれど。
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投稿者:あや - この投稿者のレビュー一覧を見る
もっと先まで読みたいなぁ。という思いが残りました。
あと私はデリへ・の事業部で働いてるんですが、
世間からの見方はやはりそんな感じなんだなぁーって笑
実際は実力主義で私含め女性社員もいたり部署によっては
社長が女性のところもあり、
福利厚生もしっかり付いてたり完全8時間労働週休3日だったり、
育休取れたり意外とホワイトです笑
会長クラスになると毎年フェラー・やらベン・やら買い替えたり、
直属の部下に買ってあげたりしてるから、
お金の周りは確かに凄いですがね。
内情を知ってるからこそより楽しく読ませていただきました。
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土漠の花しか知らないけど
あれおもしろかったなぁって覚えてたので
手を出してみた
とても気分の悪い話だった
どんな境遇で
それしか道を知らなかったとしても
誰かを貶めたり傷つけたりするやつ
どうしても許せなくて
でも
そういう生き方しか選べなかった
そんな世間は
自分が知らないだけであるんだろうし
それどうしたらええんやろうなぁ
頭使いながら本読めないので
的を射た感想なんか出てこないけど
話が通じない人は怖いな
それは人としてひどくないか?
って訴えても
本当にわからない人がいるんだろうな
怖いなぁ
いやな話だったけど
先が気になってじゃんじゃん読めたし
興味深い話だったので
星は4つ
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週刊大衆連載の悪漢小説。ヤクザ、半グレの抗争劇かと思ったけど、焦点がちょっと違って、主人公は向上心が強い大学生。ホストクラブの人気トップになり、女の子を借金漬けにして、風俗送りにし、のちに店が摘発されるもうまくすり抜け、業界トップの広告会社(電通がモデル)に就職する。そこでも出世のために、上にはゴマすり、下にはパワハラ、頭が切れるので半グレも利用して、若手の筆頭株に。しかし世の中そんなに甘くない。やがて転落。ヤクザにヤクザよりたちが悪いと呆れられる。結果的に法の裁きは受けないんだけど、こういう悪人、確かに増えてるわ、といたく納得するストーリー。
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やはり月村さんの小説は面白いと思う。半暮刻と半グレをかけている、、、
危ないストーリーにドキドキ。ラストで涙。
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個人的に当たりとハズレの差が大きく感じる月村作品。
今作は大当たり!でした。
主人公ふたりの過去からの歩み。暗くて重いムードがしっかりと伝わってきます。
ラストの交わらない会話にグッときました。
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筋書きや設定はベタだけど、正反対な主役二人の心の動きがそれぞれ生々しくて読み応えあった。
二人の人生の浮き沈みと心を変様を丁寧に追った後だからこそ響くラストシーンは特に良かったです。
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2023/10/18リクエスト 9
施設で育った翔太と裕福な家の大学生の辻井海斗。
ふたりはカタラで知り会いトップテンになる。
そのカタラの創設者、城有が捕まる。
海斗は金銭で解決したのか、施設育ちの翔太のみが捕まる。その後も育ちや金銭によりふたりの人生は全く違うものになる。
翔太は運転手をしていた時、紗季と知り合い本を読む楽しさを知る。学びを得て、どんどん人生をやり直していく。対する海斗はどこまで行っても学習すること無く最後になっても俯瞰して見ることができない、という最低さ。
生まれ持ったものが乏しくても、その後巻き返すことはできるという夢のあるストーリー。
面白く読めた。
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現代の半グレ、ヤクザの反社と国を牛耳る広告代理店、都、国のその付き合い、金、権力をほしいままに生きているやつらは、決して消滅しない。SNSの時代は本当にそうなのか。本の結論は、至極真っ当。勧善懲悪がいいけど、そんなに上手くは、いかない。本は、いい。
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とても面白かったです!映画化されたら映えるだろうなぁと思いました。
実社会の大手広告代理店の事件がモデルなのかは分かりませんが頭をよぎりました。
「悪気の無い悪が最も悪い(胸糞悪い)」ということと、それを踏まえて自身の普段の思考(自分の普通)を省みるきっかけにもなると思いました。
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黒でもなく白でもないグレーな社会を跋扈する人物たちを色濃く描いた作品。
闇にスポットを当てた作品はやっぱり面白いとつくづく思うし、月村作品ならではのエグくてドキドキさせるリアリティ社会は飽きることなく一気に読んでしまう。
お決まりのアクションシーンはないけども、特に後半からの政官財とヤクザ・反グレ、一流企業が絡み合う展開ってある種、壮大かつ歪(いびつ)さを感じずにはいられませんね。
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月村了衛さん「半暮刻」
読み終わったあとも心がじんじんしている。
警察小説でもガンアクションでもない。
ハードボイルドでもミステリーでもない。
罪を犯した2人の男の人生を深く追体験しているような感覚で読んだ。
主人公の翔太と海斗
2人は同じ時期に軽い気持ちで半グレの世界に入る。
翔太は児童養護施設で育ち不良で学歴もお金もなく、半グレになる道しかなかったから。
反対に、裕福で恵まれた環境に育った海斗は自身の成長と勉強のため自ら選んで半グレの道に。
正反対の2人は「カタラ」というバーでタッグを組み次々と女性を騙し貢がせ利用しおわった後は風俗に送り更に搾り取る。
罪を犯した2人の対照的な人生を通して日本社会のグレーな部分に焦点をあて、本当の邪悪とは何かを書き上げている気がした。
読んでいる間ずっと苦しかった。苦しいけれど読む事をやめられない。目を背ける事ができない。最後の1ページを読んでやっと息ができた。そんな読書体験でした。
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半グレの話もそうですが、現代社会のあらゆる問題に迫った作品だと感じました。
日本の国の裏側や、人間の邪悪な部分が生々しく描かれており、胸が苦しくなりました。
気がついたら腹が立つぐらいのめり込んでいました笑
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会員制クラブ「タカラ」では、女性を言葉巧みに惚れさせ、貢がせ、借金地獄とした後、風俗に落とす(通称、F)行為が行われていた。
所謂”半グレ”が経営する店であるが、そこで2人の青年「翔太」と「海斗」は出会った。
家庭環境に恵まれず孤児院で育ち、前科もあったため半グレの道を選ばざるを得なかった翔太。
家庭環境に恵まれ裕福な家庭で育ったが、自己研鑽と信じ半グレの道に進んで踏み込んだエリート大学生の海斗。
正反対の2人は手を組み、次々と女性をF送りにし店のトップに上り詰めるも、情報が警察に漏れ「タカラ」は解散となり、翔太だけが逮捕されてしまう。
出所後、別の組織からF送りにされた女性と出会った翔太は、自分の”罪”を”理解し”向き合っていく。
一方逮捕を免れた海斗は、大手企業に入社し成功を収めるもその”罪”を”理解しなかった”代償は、後に大きな”罰”となり自分へと降りかかるのであった。
自分の言動がどういった影響を及ぼすのかを想像し、本当の意味で理解し、向き合っていきたい。そう気づかせてくれた作品でした。