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福田恆存の言葉 処世術から宗教まで
著者 福田恆存
戦後日本を代表する知識人“最後の講演”初の書籍化!ゴマはうまくすれ近代化に呑まれるなエゴイズムを肯定しろ世界一流だった陸軍、海軍がどうして戦争に負けたのか人生はエゴとエゴ...
福田恆存の言葉 処世術から宗教まで
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福田恆存の言葉 処世術から宗教まで (文春新書)
商品説明
戦後日本を代表する知識人“最後の講演”初の書籍化!
ゴマはうまくすれ
近代化に呑まれるな
エゴイズムを肯定しろ
世界一流だった陸軍、海軍がどうして戦争に負けたのか
人生はエゴとエゴとの賃借関係
理想家は現実世界に適応できない
日本では民主主義が運営できない
状況を読む深さで勝負は決まる
国家意識がない日本人
家族にも想像力、演出力が必要
アメリカの目的は敵の排除だけ
「愛」と「理解」は全く別問題
神様との付き合い方
戦後を代表する知識人である福田恆存は、近代化の弊害を問い続けた。
その思想のエッセンスが詰まった「伝説の名講演」を初の活字化!
保守派の知識人が問う「君たちはどう生きるか」――。
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紙の本
「処世術から宗教まで」が、確かにつながってまとまっている。
2024/04/14 00:07
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投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
現代日本社会ないし日本人一般について改めて考えるうえでの補助線が詰まった一書。「処世術がうまくなくちゃいけない」(24頁)、「国際政治だって処世術だ」(78頁)、「適応神経」(79頁)といったネタからはじまったので、「え~」と思いつつ読み進んだのだが、個人主義の重要性(100頁)や抽象的ネオ漢語の問題性(132~5頁)、孟子の言葉(反りて諸を己に求めよ、155頁)、ルソーやマルクスにおける制度還元論の課題性(156~8頁、Weberの議論がないのは?だったが)などに言及しつつ、以下の文章を経て宗教ないし神(原始キリスト教的意味での)の存在意義へと至るその射程の拡がりが脳裏に刻まれました。
「私はもし宗教的な意味で神というもの、つまり自分を支配するもの、あるいは自分個人だけじゃなくて人間を超えるもの、人間を超える絶対者、そういうものが存在するとすれば、そしてそれを感じ取ることができるとすれば、それは強者だけではないかというふうに思うんです。つまり、弱者の場合にはその必要がないですね。弱い人は誰か人間の助けを求めればいいわけで、強い人間の助けを求めるとか、あるいは集団の助けを求めるとか、そうすれば自分の欲望は達せられる。日本人の我というのは弱いですから、その弱い我欲というものはたいてい現実的なもので達せられてしまうし、それは誰かの力を借りれば達せられる程度で、それで満足してしまう。」(176~7頁)
「やはり神というものは強者のみが知る。・・・ 強者の論理に生きなければ、神を感じ取ることはできないということは確かなんです。」(180頁)
日本社会論、日本人論、文学論、教育論、人生論、社会思想論、宗教論などなど、切っ先鋭いさまざまな切り口から思考を刺激してくれる好著かと。