ナゾの終着駅

投稿元：

レビューを見る

＜目次＞
第１章　　首都圏の｢ナゾの終着駅」
第２章　　関西圏の｢ナゾの終着駅」
第３章　　あったかいところの「ナゾの終着駅」
第４章　　さむいところの「ナゾの終着駅」

＜内容＞
まあ、ナゾでも何でもないのだが、秘境駅とは廃駅とか観光の拠点駅とかではなく、都会の片隅にある、さまざまな鉄道の列車の終着駅（線路は続いているが、いわゆる｢終点」駅）で降りて、その辺をぶらつくレポート。なのでそんな出会いも｢映えスポット」もない。駅そのものが廃れているので、駅前もシャッター商店街や空き地（駐車場）などが目立つ。まあ、こういう企画は無かったと思うので、読むことは読んだが、「それで？」という感じ…。

投稿元：

レビューを見る

【そこにはいったい、何がある――？】見覚えはあれど行ったことはない通勤列車の終着駅。各地のそんな「ナゾ駅」を大探訪！　鉄道150年の歩みでわかるこの国のかたち。

投稿元：

レビューを見る

終着駅というと、行き止まりを想像してしまうが、本書は一味違っている。中でも、印象的だったのは、拝島駅、何をかくそう私が物心ついた時から小学６年生の1学期迄過ごした地で、拝島駅の西武拝島線のホームがある辺りに住んでいた。当時の思い出が一気によみがえってきた。

投稿元：

レビューを見る

通勤・通学と終着駅の落とし穴:
中央線の大月駅を例に、通勤客がグリーン車で寝過ごし、意図せず終着駅に連れて行かれるという「恐怖体験」を紹介。「仕事帰り、グリーン車の座席に腰を沈め、缶ビールなどを開ければ疲れた体に染み渡り、気がついたときには夢の中。（中略）そして結局、目が覚めたときには降りるべき駅などとっくに通り過ぎてしまい、窓は闇に包まれた甲州路の山の中。」（p. 12）と、快適な移動が思わぬ事態を招く可能性を示唆しています。
新幹線の通過駅と地域開発:
東海道新幹線の三河安城駅を取り上げ、「天下の『のぞみ』が停まらない、東海道新幹線の駅。」（p. 152）と紹介しつつ、駅周辺が「日本のデンマーク」を目指した地域開発の歴史を持つことを解説。駅の洗練されたデザインや、デンパークという公園の存在が、その名残を伝えているとしています。
鉄道と街の盛衰:
木場の歴史から新木場の成立、そして夢の島の変遷を通して、都市開発と鉄道の役割の変化を描写。かつて木材の集積地であった木場が、埋立地の造成によって新木場へと移り変わり、その跡地がゴミ処理場である「夢の島」となった経緯を説明しています。
複数の路線が乗り入れる郊外のターミナル:
拝島駅を例に、JR青梅線、五日市線、八高線、そして西武拝島線という複数の路線が乗り入れるにもかかわらず、都心から少し離れた郊外に位置する不思議さを指摘。「少く都心を外れると、なぜこんなところにいくつもの路線がやってきているのかがよくわからない、不思議な駅があるのだ。（中略）そのひとつが、拝島駅である。」（p. 37）とし、横田基地との関連や、日光街道の脇往還としての歴史など、多様な背景を紹介しています。
リゾート地の終着駅:
外房線の上総一ノ宮駅を「九十九里浜にほど近い場所」（p. 56）と紹介し、サーフィンの聖地としての側面や、2020年にリニューアルされた駅舎のデザインが太平洋の水平線をイメージしていることなどを解説。駅周辺には玉前神社という由緒ある神社が存在することも触れられています。
暑さで有名な街の終着駅:
高崎線の籠原駅を取り上げ、「地元の人でもない限り、いったい何があるのかさっぱりわからない駅」（p. 63）としつつ、隣の熊谷駅が「日本でいちばん暑い町」として知られていることに言及。暑さ対策としての駅の取り組みや、過去の最高気温記録などを紹介しています。
団地と駅の関係:
東葉高速鉄道の勝田台駅を例に、団地開発と駅の開業が同時期であったこと、駅名が団地の名称に合わせて改称されたことなどを解説。昭和の面影を残す団地の商店街の様子なども描写されています。
廃線跡と地域の記憶:
淡路島の鉄道廃線跡を取り上げ、かつて存在した淡路交通鉄道線の痕跡を辿りながら、自動車社会の到来とともに鉄道が廃止された経緯を説明。「淡路島、半世紀以上前には鉄道があった。（中略）淡路交通の鉄道路線は1966年に全線廃止されている。」（p. 218）とし、現在ではバス輸送が中心となっている状況を伝えています。
テーマパークと終着駅の変貌:
JRゆめ咲線の桜島駅を、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン（USJ）の対岸に位置する「ナゾの終着���」（p. 124）として紹介。かつては工場への通勤や貨物輸送が中心であった駅が、USJの開業によってその役割を大きく変えた経緯を解説。「USJのゲストを運ぶ浮かれ気分のど派手な跨線橋へと役目を変えていったのである。」（p. 131）と、劇的な変化を強調しています。
駅名に残る歴史:
日根野駅の駅名が、古代に存在した日根神社に由来することを紹介。天武天皇の時代から存在したとされる古社の歴史と、駅周辺の摂関家の荘園としての歴史を結びつけています。
意外な場所にあるプロ野球チーム関連施設:
JR琵琶湖線の野洲駅前に西武ライオンズのチームカラーのバスが走っているという意外な光景を紹介。近江鉄道が西武グループに属していることが理由であると解説しつつ、地元出身の歌手が他球団のファンであるというエピソードも紹介しています。
災害と鉄道の復旧:
大船渡線BRTと気仙沼線BRTを取り上げ、東日本大震災によって被災した鉄道路線の代替としてBRT（バス高速輸送システム）が導入された経緯を説明。「バスと鉄道の良いとこ取りをしているのが、大船渡線と気仙沼線BRTなのだ。」（p. 204）と、専用道路を走行するBRTの特性を紹介しています。

投稿元：

レビューを見る

普段何気なく名前を聞く終着駅にも、色々歴史はある。

電車を利用していると名前は聞くけど、実際は行ったことの無い駅。本書はそんな駅が実際どうなっているかや、歴史を伝えてくれる。 関東、関西から稚内など北側から鹿屋といった南側まで取り上げており、自分の知らない西側の駅も知ることができた。 また行ったことのあるところも時代と共に変わっていたりで、こうしたところから、特に地方はどうなっていくのかを垣間見ることもでき満足感ある一冊だった。

投稿元：

レビューを見る

電車に乗り通すのが好きだ。電車で座れたら、本を読んだり、スマホで記録をつけたり、ある程度は何でもできる。逆に堂々とご飯を食べたり、話したりはできないという制限はあって、この絶妙な加減によって家より作業が捗るんじゃないかと思う時もある。なので本書『ナゾの終着駅』で取り上げられている駅名にはなじみがあった。でも実際に行ったことがある駅は半分もなく、今後も行くかは分からない。この本を読むことで、自分もその駅に行って、楽しんだ気分になれる。いい読書時間だった。