サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

エントリーで100名様に1000ポイントプレゼントキャンペーン ~6/30

パイロットフィッシュ みんなのレビュー

  • 大崎善生
予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー6件

みんなの評価4.0

評価内訳

  • 星 5 (2件)
  • 星 4 (1件)
  • 星 3 (3件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
5 件中 1 件~ 5 件を表示

紙の本パイロットフィッシュ

2014/11/20 21:46

心地よい余韻の残る一作でした。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る

この作家の書くような女の人のそれとは違う

男性の繊細さのような弱さのような曖昧なものを、

毎日一生懸命に生きている女の人は読んでどう思うのだろうか?

本作は大崎善生氏の初めての小説だけれど、

こんな話を何話も一人の作家は書き続けられるものなのだろうか?

感性と簡単に一言で言いあらわせられない何かを

削り取るかのように、磨り潰すかのようにして

言葉を紡いで書いた小説だと思う。

この本の後も何冊も書かれていて人気もあるようだけれど、

それを読むのが怖いようでも楽しみなようでもあります。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本パイロットフィッシュ

2005/08/23 09:26

人生は水槽の中だけで終わるものではないから。

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:はなこちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

作者の大崎善生さんは、かつて将棋専門誌の編集長をされていたかたで、そんな作者自身を投影しているかのような主人公が出てくる作品をたくさん書いている。その多くは、主人公の青春をたくさんの人々との出会いを通じて描いたもので、はかなく美しい世界を作り上げている。
この作品は、そんな作者の代表作であり、第23回吉川英治文学新人賞を受賞した作品である。

パイロットフィッシュとは、飼うのが難しい熱帯魚を飼う水槽を作るときに、その水槽の中の生態系を整えるため、あらかじめ入れられる魚のことだ。その魚は、生態系が完成し目的の熱帯魚が入れられると、そのまま捨てられたり、大きな魚の餌食になったりする。おそらくこの作品で作者は、人生を水槽に、過去に出会って別れた人々をパイロットフィッシュに重ねているのだと思う。人生という大きな水槽を作り上げるために、そこを通り過ぎてゆく魚たち。全ての出会いと別れが、一つの無駄もなく、人生を造り上げていくのだ。

けれども、人生は水槽の中だけでは終わるものではない、というのが、この作品のミソであろう。そこには予想外の作用が働く。人生には、理屈だけでは説明のしようもない、そんな要素が、しばしば加わってくる。そんなメッセージも、この小説には描き出されている気もする。

とりあえず、難しい小理屈はおいておいて、この小説のはかなく美しい世界を、先に堪能してみることをお勧めする。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本パイロットフィッシュ

2009/01/07 23:00

わたしの性格にはあわない

7人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る

パイロットフィッシュ 大崎善生 角川文庫

 パイロットフィッシュというのは魚です。理想的な環境の水槽をつくるため最初に入れられるお魚で、環境が整うと処分されてしまう。たとえば、捨てられる、主役となる魚の餌にされる。パイロットフィッシュを人間に置き換えた物語が本作品の内容です。
 カメラメーカーの営業マン森本さん41歳がまず登場します。どうもアル中らしい。同い年の山崎さんがこの物語を引っ張っていきます。山崎さんは、エロマンガ出版社勤務で、妻と小3の健太君と5歳の綾子さんの父親でもある。そこへ、山崎さんが19年前に同棲していた由希子の思い出が挿入されていきます。
 パイロットフィッシュにちなんで、誰かが誰かという主役のために犠牲になっていく。虚無感が広がります。登場人物については、根っこがありません。読み手として、それぞれ各人をしっかりしろ!と叱りたくなります。自分に都合のいい理屈をつくって自分をかばう行為は、やがてその自分を転落させていくことになります。
 この物語には人間関係がありません。家族とも友人とも同僚とも距離を置いて孤独な世界に身を置く人が増えています。精神世界の記述を好む人たちにとっては関心を強くもてる物語なのでしょう。
 ぼくと彼女とワンちゃんと、アル中と精神病とセックスと、夢も希望もない生活と、使い捨ての魚くん。さらに虐待もあります。行為を持った相手の名前も住所も連絡先も知らなかった。いいかげんにしてもらいたい。社会秩序を守って、耐えながら生活している者が読むと、腹が立ってきます。妄想の物語でした。されど、この本も12刷とよく売れています。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本パイロットフィッシュ

2004/04/27 12:46

指を伸ばせば。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:川内イオ - この投稿者のレビュー一覧を見る

忘れられない人がいる。

彼女と過ごした日々は、彼女と別れた後も
僕にとって決して「過去」にはならなかった。
「過去」ではなく、「思い出」でもなく、ただあの日から
変わらず彼女が、消えることなく私の中に在り続けた。

『パイロットフィッシュ』を読みながら、
私は彼女のことを思い浮かべていた。


この物語には、一人の中年男の人生がたんたんと、
しかし静謐に、繊細に描写されている。

主人公山崎は、エロ本の編集者として日々仕事に追われる中年男だ。
彼は、大学を中退するほど没頭した零細出版社でのエロ本作りに
変わらぬプライドを持ち続け、それなりに充実した生活を送っている。
そんなある日の晩、19年前に別れたはずの由希子から
電話がかかってきた。

二人は19年前、若者同士の不器用さで、
深く愛し合い、傷つけあった。
そして19年後の今。
由希子は結婚して子どもがいた。
山崎は独身で、年下の彼女がいた。

そして、由希子との出会いに始まる山崎の大学時代の回想と、
二人の過去から途切れることなく繋がる現在が、リンクする。


この物語は、ちょうど山崎が熱帯魚を飼育する
水槽の水のように清涼で透明感に溢れている。
私が、読み進めながら何度も「彼女」を思ったのは、
透明な物語の先に私の過去が透けていたからなのかもしれない。

しかし、山崎がそうであるように、私も知っている。

透き通る水と色鮮やかに映える熱帯魚に惹かれ、手を伸ばし
直に触れようとしても、水槽の壁がそれを阻むように、
僕の指が彼女の頬に触れることは、もう、ない。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本パイロットフィッシュ

2015/10/25 21:22

難しいですが

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:とちうし - この投稿者のレビュー一覧を見る

重みがある文章です。
それぞれの章が伏線として連なっていきます。
どちらかというと恋愛作品というよりも主人公が成長していくお話なのでしょうか。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

5 件中 1 件~ 5 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。