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日中韓はひとつになれない みんなのレビュー

  • 著者:小倉 紀蔵
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紙の本

紙の本日中韓はひとつになれない

2009/06/08 23:43

違うのが当たり前だけど、「性善説」での説明はわかりやすかった。

8人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:りっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 なんか、当たり前すぎる題名という気もするけれど・・・著者は、お互いの価値観の違いを理解して、「東アジア共異体」が作られることを真剣に考えられて、私たちにもわかりやすいようにと書かれたようです。「性善説」を視点としている。
「性善説は徹底的に他者に干渉し、パターナリスティック(父権主義的)に他者を善に導こうとする。他者にとっては余計なお世話なのだが、相手は「善」という信念の権化となっているので、聞く耳を一切持たないのだ。」
「本当の性善説というのは、そのような(単に「人がいい」「人がわるい」という)静態的なものではない。人間の上昇志向と破壊衝動、そして社会的な革命を基礎づける、ダイナマイトのような思想なのである。そして日本人は、そのことをまったく知らないのである」。
 例えば、中国は、国民が「性善説」で、「権力者たちは恐ろしい冷酷非情な統治者としてふるまうのではなく、あくまでも性善説的な道徳的完成者としての面貌をもって国民を善導」しつつ「性悪説」でコントロールしている。「現在の中国は、鍋の中身がぐつぐつと煮えて、中から噴き上がりそうになっているのを、外から重たい蓋をかぶせて必死に押さえ込もうとしている状態である」。なるほど、わかりやすい表現ではある。
「北朝鮮は中国と似たような統治の思想を持っている。だが国土が狭く、少数民族間題を抱えていないため、すみずみまで国家権力が浸透しやすく、そのため性悪説的な統治は中国より苛烈である」。
 韓国は、「政権側も国民側も性善説を自己の世界観として明確に定着させた段階だといえる。一九九三年の「文民政権」誕生以来、韓国の政権は儒教的な性善説を自らの理念として打ち出すことになった。その後十年経って成立したノムヒョン政権は、その完成型であったといえる」。
「「先進国」という名称を得ることが悲願である韓国は、先進国として認められるために何でもする、という構えを見せつづけている。そのため、経済面以外でも、「国際スタンダード」という観点から、あるいは「より先進国らしい姿」を獲得するために、さまざまな社会改革を果敢に推し進めてきた。女性省を設置して女性の社会進出を支援し、死刑制度を事実上廃止し、農産物をはば全面開放するという痛みをこらえながら米国などとのFTAを整備し、定住外国人に地方自治体の選挙権を与えるなど、日本に先んずる政策をこれまで次々と打ち出してきた。新政権も、外国人の国家公共体への採用や、これまで以上に果敢な規制緩和を打ち出すなど、緊迫感あふれるドライブを始めようとしている。このような「先進国性」をめぐる競争を、李明博政権は矢継ぎ早にしかけてくるに違いない。
「日本は別にそのような競争に加わる義理はないのだが(「女性省?FTA?死刑廃止?外国人に選挙権? そんなもの何の意味があるの?」)」
 はぁ?この人自身、意味がわからないって?これだから今のエリートは、困ったものだ。「東アジア共異体」をつくるために互いを理解しようというのはわかるけれど、それで、どういう社会を作りたいのかを考えていないってことのようだわ。
 で、日本はどうかっていうところで、「メタ」と「ベタ」が出て来るのだけれど、これが私にはよくわかんない。「安倍政権が失敗したのは、日本国民が「ベタ」なメンタリティ(性善説的な考え)を生理的に嫌った結果である」そうだ。
「実際上、多くの日本人は単に東アジアに関心がなかった。地図上でそこにあることはおぼろげに知っていたが、それをはっきりと認識することはしなかった。東アジアは普通の日本人の目には見えなかったのである。
  2000年前後、ごく普通の日本人が、北朝鮮(その強権支配のありさま)を含めて東アジア各国に異常なまでに強い関心を示し、そして知らず知らずのうちに自国の政権のあり方をそれら東アジアの国家に似せてゆく、という動きが顕在化した。国旗国家法の制定、教育基本法の改定、憲法改正への動きなどもすべて、この動きの一部である。
 これらの社会的変化は新自由主義の進行とリンクしている。しかし、それだけではなく、伝統的な東アジア社会に存在した絶対的格差の社会の現代版ともいえるのだ。グローバリゼーションによって、つかの間の「平等幻想」がいとも簡単に崩壊し、伝統的な東アジア的格差社会がグローバルなシステムと連携する形で復元されたといってもよい」。
 いいところをどんどんまねしてくれればいいのに、悪いところばっかりまねしてどうすんじゃい? 以下の意見には大賛成。
「日本の伝統にのっとったラディカルな民主主義の実践とは何かを考えるべきなのだ。」
「日本はあくまでも、日本国憲法という中立的な「手続き的民主主義」により近い理念体系を、東アジアに「価値」として広めてゆかなくてはならないし、おそらくそれが日本独自の使命なのである。つまりメタ(日本国憲法)をべタ(実質的価値)として普遍化させなくてはならない。それが可能であるならば、この選択肢は魅力的でありうるのである」。
「戦後の日本国憲法は、何よりも日本人に「生活」を保障したのである。日本国憲法は本当は、強力に理念的な憲法なはずである。その非戦の思想、自由の擁護、人権の強調など、理念的でない部分は少しも存在しない。しかしながら戦後の日本人は、この理念的憲法を、少しも理念的だと認識していないのである。むしろ非理念的な「生活の糧」として認識しているのである。だから、理念的な政治家が憲法改正を唱えはじめると、その姿勢に恐怖を感じて(つまり自分の生活が脅かされる恐怖を感じて)、さっさと踵を返して「生活派政党」へとなびいてしまうのである。」
 はぁ?あのね、社会の構成員ひとりひとりのよりよい生活のために、目標として「理念」、具体化させるための法律、があるんじゃないの?なんだか、基本がなっていないような・・・まぁ、アメリカに追従した結果か「性善説」化のせいか、いずれにせよ、日本がおかしくなったのは確か。で、日本らしく、九条を生かして、東アジアの国を尊重しつつ、もっと理解して、よりいい関係を築いていきたいね。「東アジア共異体」できるといいね。
 生活が流行りなのか、どの党も「生活派」であると自称している。中味、ちゃんと確かめないとね。

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