凜一シリーズ みんなのレビュー
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紙の本白昼堂々
2020/08/16 08:13
乱反射みたいな物語
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やじやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
硬質な文章で硝子ような人物が描かれている作品。
ところどころに出てくる花の表現(他自然の表現)が好きです。
最初の出だしがちょっと衝撃的。
え、それって出来るの?って思いながら長野作品の少年ならできるかなって思ったりする。
これまた氷川くんとの出会い頭の事故みたいな出会い
そこを超えると長野ワールドになっていく。
(っていうかそれ自体が長野ワールドかも)
私のざわざわは
凜一くんがすでにその年で自分の性癖を理解受任していること。
しかも凜一くんの周囲の人々も。
わたし的にはお父さんがそういうのってどう思っているのだろうかって感じですけど
だからこその自分性癖の理解受容してしまっているのかもしれないと思ったりもしますが、
まあ、ここら辺は特に違和感なく受け入れる素養がこちら側にもあるので特にざわざわするけど気にはならない。
家元の剛毅さにちょっと感心したり、
省子さんの気持ちの揺れ具合とか凜一対する思いとかは
硝子の破片みたいに乱反射している感じがする。
章立ての年代にちょっとざわざわしたりして。
(色々思うところあり)
これが発表された時当時問題になった作品だったなぁってことを思い出す。
余談ですが、長野まゆみ作品再月間で、この本がないことに気がつく。
整理時にうっかりさよならしてしまったかと思ったが、
そんなミスをするはずはないので・・・考えてみたら
長野まゆみ作品をむさぼり読んでいた時は図書館も気軽に利用していて
図書館で借りた分だと思い出す
シリーズ2以降が手元にあるのに、1だけないのは気持ちが悪いということで
この機会に購入して再読しレビューさせていただきました。
気持ち3.5位の評価なのですが、切り上げて評価します。
電子書籍白昼堂々(凜一シリーズ)
2020/12/07 18:05
美しい物語
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
青年と少年…いや、青年と青年になっていく。
硝子のように綺麗で脆く、時に強かな青春物語。
長野まゆみさんの美しい文章、世界観がぎゅっと込められています。
紙の本若葉のころ
2020/08/16 11:12
若葉のころ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やじやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
少年から青年の時期の危うい陽炎のよな季節を
いつものように硬質な文章で硝子ような人物が描かれている作品。
(でも人物の内面はかなりくせものばかりですけどね)
花や自然の表現綺麗で心象風景も表しているようで好きです。
有沢さんの再登場。
多分、出てくると思ってましたよ。
凛一を巡る人々の色々(初登場の江島医師までそんな葛藤を持っていたとは!)
最後まで出てくる出てくる感でいっぱいになるのですが。
メギの木の話とセーターの話で
母の存在が彩りをもって(存在感を持って)描かれている気がします。
祖母(家元)の心持ちも。
家族写真が出てくることもこの時期の必然なのでしょう。
(それにしても長野作品の女性のなんとしなやかで強いことよ)
結局凛一の選択は氷川なんですけど、
「境界を見失うはずがない異質なもの」と認識し
「たやすく惹きこまれてしまう」という語るのが
すべてかなぁって思います。
凛一が氷川と切れなかったのもその異質さだと思うし、
氷川が凛一と切れるつもりがなかったのも氷川の中の欠落しているものを埋めてくれるのが凛一だったのだろうなぁって思う。
実は直裁的な表現はないのですが、
これ全編通してかなり肉欲的な部分が描かれてますよね。
(もちろんそれだけではないですけど)
今(2020年)に改めて読み直してもその硝子の破片のような淫靡さがキラキラ輝いている作品だと思います。
こういう作品に触れると文章って偉大だと思うのです。
色々な意味で。
文章で描くという意味を認識させてくれるような感じ。
シリーズがここで終わるのは、凛一が「大人」になったからだろうなぁ
(葛藤やぐだぐだがすべて片付いたわけでもないけど)
若葉のころというタイトルが表しているわけか、と改めて自分勝手に納得した終わり方でした。
紙の本彼等
2020/08/16 10:52
シリーズの3
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やじやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつものように硬質な文章で硝子ような人物が描かれている作品。
(でも人物の内面はかなりくせ者ですけどね)
花や自然の表現綺麗で心象風景も表しているようで好きです。
凛一への千尋思いや、色々な思いが交差している。
正午の受けた仕打ちの酷さを含めて、いろんな人がいろんな形で凛一に係わって行く。
凛一という人物の欠落感はやはり両親の不存在であるということに端を発しているのが良くわかる。
だから周りもそういう関わり方をしてしまう。
微妙に歪んだ硝子が反射するような感じです。
でもやはりわたし的には
墓前に刺した花を巡ってのやりとりはこの物語の肝であり秀逸かと。
(2度誤解が交錯しているあたりが)
最初っから見えていたけれど、氷川の有り様も実は歪んでいるのですよね。
その根っこがわかって少し納得した巻です。
ちょっと話はずれますが、
初読の時よりもファンタジー感を強く感じるのは
携帯電話の存在がないからだって思いいたりました。
でも、そういう時代も知っているので違和感はないのですけどね。
今ならきっとない電話が通じない、葉書が行き交う物語でもすとんと心の中に落ちてくる。
携帯あったらちょっと話が変わっていただろうなぁって場面が多々あるのにも
気づいたので記しておきます。
3.5評価ですが0.5評価ないので4とします。
紙の本碧空
2020/08/16 09:04
シリーズ2作目
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やじやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつものように硬質な文章で硝子ような人物が描かれている作品。
花や自然の表現綺麗で心象風景も表しているようで好きです。
有沢の登場で凛一の心の水面が乱れていく様が乱反射みたいでまぶしい。
凛一の心の有り様が浮き彫りにされるけれど、寄り添えるかというと若干微妙。
有沢の表現は嫌いではないが、有沢の有り様(屈折具合)はあまりわたし的にはしっくり来ない
ちょっと立ち位置を決めかねている雰囲気がもどかしい感じにさせられるけど
氷川は凛一を拒否はしないところに有沢より屈折している気がする。
そして、それが表面上出てこないところ、多分そこが凛一の執着点なのかもしれないと思う。
とはいえ、凛一くんの一族たちの有り様(性癖)があんななのは
遺伝子か環境のなせる業かと思ってしまいますよ。
それぞれ良いキャラなんですけど、あまりに多過ぎ
長野ワールドらしいし。
後、省子さんの物言いはとても好きで、私の好きなキャラです。
3.5採点なんですが、切り上げて☆4ということで
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