人間臨終図巻 みんなのレビュー
- 山田風太郎
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紙の本人間臨終図巻 新装版 4
2013/09/09 20:51
悪い奴らの臨終に風刺を感じる。
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:わびすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この悪趣味な感じの企画、山田風太郎だからこそ可能だと思う。激しく憤るでもなく、諦観するでもなく、淡々と最期の様子を俯瞰するドライな筆致はさすが山田風太郎。
電子書籍人間臨終図巻 2
2021/11/01 21:54
寿命
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:象太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
五十歳から六十四歳で死を迎えた人を集めている。前巻は若くして死んだ人を扱っているから、不慮の死が多かったが、この第2巻は少しずつ寿命を迎える事例が増えてきた。身体の異常を感じてから死ぬまで時間があり、物語がある。
「死んでゆく地獄の沙汰はともかくも あとの始末が金次第なれ」
江戸時代の浮世絵画家、安藤広重はコレラで死んだとされているが、実は上記のような遺言を残し、その後もなかなか死ななくて、もう一度、遺言を書いて、それでもすぐに死ななかったという話が書かれている。
人間は、死病にかかって死を覚悟しも、ここぞというタイミングで死ねるというものでもないようだ。広重のようなさっぱりした話は稀で、大半は苦しみのため醜くのたうちまわる。
幾多の旧日本軍幹部の最期も心に残る。山本五十六の亡骸の不思議は、ほかにも読んでみたい気がした。平安時代の権力者、藤原道長が糖尿病で死んだというのも心に残った。当時の庶民じゃ、糖尿病になることすらできないだろうに。
紙の本人間臨終図巻 新装版 1
2021/09/15 00:25
難解なためではない
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:象太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
文庫本1冊を読み終えるのに思ったより時間がかかった。難解なためではない。一人一人の臨終場面にため息をついたり、本を置かざるを得なかったからだ。要するに、重かった。
この巻は、十代で死んだ八百屋お七から四十九歳で死んだ山下清までを収録している。読後、頭の中を回らして、特に印象に残ったのは、マリー・アントワネットか。
断頭台に上るとき、偶然処刑人サンソンの足を踏み、サンソンが「痛い」とさけぶ と、彼女はふりむいて、「ごめんあそばせ、ムッシュウ、わざとしたわけじゃありま せん」と、いった。(本文より)
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