夢見るレンタル・ドール みんなのレビュー
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夢見るレンタル・ドール 色の章
2009/09/12 20:21
正直、こんなにエロいとは思っていませんでした。いやはや、本物の18禁です。ま、面白いっちゃあ面白いんですが、娘に読ませるわけにはいきませんです、はい・・・
6人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初に断っておきますが、エロイです。いえ、ジェイムズ・エルロイじゃなくて、シンプルにエロイです。同性愛だけのつもりで手にしたんですが、濡れ場の連続です。最初は普通の男女のシーン、いえいえ、完全に被虐的なショー形式で、それが次はレズ。その後は乱交、SM、ホモとまあ毎回毎回手を変え品を変え、正直、隠れての実演以外は、小説を除けば再現不可能。とうていわが家の結婚前の娘たちに読ませられるような内容ではありません。
それを出版社がどのように宣伝しているかといえば
*
「愛里、本当に、どんな目にあわされても、いいんだね?」「ええ」「わたし、雪彦兄様を愛しているもの」「愛里、ぼくは理由まで訊いてないよ」スッと冷えた雪彦の声に、たちまち愛里は身を堅くする。「余計なことは喋るな。イエスかノーか、それだけをこたえればいい。今日からおまえは、ぼくの奴隷なんだからね」
18歳の乙女・愛里の恋人は、10歳年上、従兄の雪彦。でもその関係は、普通じゃない。愛里は雪彦の奴隷だったのだ。愛里はさまざまな性癖を持つ雪彦の知人たちに「レンタル」され、性の調教を少しずつ受けていく。そして雪彦はその代金で、愛里にひとつずつ、性愛のための道具を買い与えていくのだった……。
「特選小説」に長期連載された、性愛の夢想人・森奈津子の「妄想の集大成」
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がそうで、カバー折り返しの主な登場人物リストをコピーすると
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・愛理……本書のヒロイン。十八歳の大学生。雪彦に恋するあまり、“特別な関係”を受け入れる。
・雪彦……二十八歳。脚本家。愛理の従兄にして“恋人”。愛理を性の奴隷として扱う。
・静子……初老の婦人。バー〈ディオニュソス〉の経営者。「サチュロスの会」の世話役。
・城之内…老紳士。「サチュロスの会」会員。
・藤川……バーテンダー。「サチュロスの会」会員。愛理にとって初めての男性となる。
・美和子…フライトアテンダント。「サチュロスの会」会員。レズビアン。
・恵………愛理の親友。
・花奈子…恵と同じサークルに所属する少女。
・光………美少年。花奈子のクラスメイト。
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となりますが、これに少し補足しましょう。愛理は東京の私立大学の国文科に入学したばかりの一年生で、雪彦に性の奴隷、レンタル・ドールにされる時まで男を知りませんでした。で、彼女に最初に性的な触れ合いをするのが静子で、その次が城之内です。城之内は老人ということでもあり、男性としての機能は失っていますが、女性を喜ばせる技術と優しさでは若い人に劣りません。そういう意味で、最初に性の喜びを愛理に教えるのは、城之内です。
交わる、という意味で最初の男は藤川ですが、愛理はその男が藤川とは知りません。藤川は二十代後半のがっしりした体つきの男性ですが、職業柄か極めて人当たりがよい人間です。それと美和子ですが、レズビアンであっても、男がダメというわけではありません。年齢は二十代後半です。
恵はこの話の中で性的なことで語られることはありません。あくまで学校の友達です。でも花奈子は違います。この美少女はその美しさと無邪気な言動で愛理を戸惑わせ、魅了します。一応、ノンセクシャルとなっていて、愛理の思いには気づきません。そして愛理の前で、花奈子に手を出そうとするのが色事師てきな言動をする光です。
あとは読んでもらうしかありません。
この本のカバーのストイックさは、一見、これが奔放な女子大生の性を扱うほとんどポルノといってもいい小説のしれとは思えません。ほとんど真っ黒なところにピンクの細い文字があるだけのシンプルさで、ちょっと妖しいのは背で目立つピンクのマークです。何でしょうか、子宮のデザイン化したものでしょうか。でも、そのカバーから表紙のピンク色がチラっと見えるとこれがなんとも艶めかしい。そんな Design 岩郷重力+WONDER WORKZ。普通、装幀家は一応本の内容に目を通すそうですが、岩郷さんはこれをどう読んだのでしょうか。
最後に、もくじを写しておきます。
1――夢見るレンタル・ドール
2――銀の首輪の少女
3――顔も知らない想い人
4――女主人の愛し方
5――乙女の祈り
6――アマゾネスの罠
7――虜囚アリス
8――ソドムの男
9――もう一つの愛すべき部分
10――裏切りの饗宴
夢見るレンタル・ドール 恋の章
2009/10/08 20:20
いやあ、知らないのは私だけかもしれませんけれど、女性が書いたエロ本としてはトップレベルじゃないかなあ、って思います。ま、純粋エロスというには、妄想の入り具合がビミョーで、笑うまではいかないんですけど、なんだかなあ、なんて思ったり・・・
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
あまりの嫌らしさに、これを読みつづけていると娘に相手にされなくなる、と思った『夢見るレンタル・ドール 色の章』。装幀について書いておけば、色使いはともかく、殆ど無地でストイックなので、傍から見ていればデザイン関係の本を読んでいるようにしか見えません、それをいいことについつい、また手を出してしまったんです、あたし・・・
で、本当であればその女性のあたしですら思わず顔を赤らめてしまうような、ネトネトベチョベチョした内容に触れるのが礼儀ナンですが、あ、いけない、そんなこと、だってまだ心の準備が、あ、だめ、こんなに濡れているだろ、なんていわないで、あ、だめ、そこだけは・・・
っていう方向に行くべきなんです。でも、それじゃあ本能の赴くまま、獣と同じじゃあありませんか。というわけで、冷静に紹介しようと思うんですが、ま、その一歩として装幀から入っていきましょう。Designは、当然のことながら『色の章』と同じく、岩郷重力+WONDER WORKZ。が担当しています。
帯をとってしまった風情はやはり黒が全体を締めている『色の章』のほうが上です。が、帯とセットにすると二つの本に遜色は殆どありません。双子の姉妹、といった風情でしょうか。同じ色を使いながら、使い方を逆転させる、それでもバランスがうまく取れているというのは帯の大きさ、ロゴの選択、いろいろあるのですがお見事です。ただし、帯をとられたあられもない姿では、『色の章』の勝ちではあります。
出版社のHPの言葉を写せば
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「愛里、本当に、どんな目にあわされても、いいんだね?」「ええ」「わたし、雪彦兄様を愛しているもの」「愛里、ぼくは理由まで訊いてないよ」スッと冷えた雪彦の声に、たちまち愛里は身を堅くする。「余計なことは喋るな。イエスかノーか、それだけをこたえればいい。今日からおまえは、ぼくの奴隷なんだからね」
18歳の乙女・愛里の恋人は、10歳年上、従兄の雪彦。でもその関係は、普通じゃない。愛里は雪彦の奴隷だったのだ。愛里はさまざまな性癖を持つ雪彦の知人たちに「レンタル」され、性の調教を少しずつ受けていく。そして雪彦はその代金で、愛里にひとつずつ、性愛のための道具を買い与えていくのだった……。
性愛の夢想人・森奈津子の「妄想の集大成」
★『夢見るレンタル・ドール』あらすじ
十八歳の乙女・愛里の恋人は、十歳年上、従兄の雪彦。でもその関係は、普通じゃない。愛里は雪彦の奴隷だったのだ。恋人同士でありながら、二人は肉体の交わりをもたない。愛里はさまざまな性的嗜好を持つ雪彦の知人たちに「レンタル」され、調教を受けていく。
雪彦に恋するあまり、この特殊な関係を受け入れ、快楽に目覚めた愛里であったが、やがてキャンパスで、一人の少女と出会う。中性的な雰囲気と優美な笑顔を持つその少女の名は、花奈子。愛里はいつしか、花奈子にも恋情を抱いている自分に気づいたのだった……。
女流官能の旗手が贈る、性愛妄想の集大成1000枚、二分冊にて刊行!!
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となります。大雑把にいえば、前節 色の章 が愛里と雪彦、静子、城之内、美和子、藤川たちとの総花的な性愛関係だったのに対して、今回は愛里と花奈子との関係が中心になります。むしろ、二人の関係だけが主題になった、といっても過言ではなく、さすがレズビアンであることを公言している森奈津子ならではの展開といっていいでしょう。
しかしねえ、森 奈津子、「女流官能の旗手」っていう謳い文句に納得しているんでしょうか。なんだか手垢のついた言葉だよなあ、っていう印象が拭えないんですが。やっぱり、これって徳間書店の社風なんでしょうか。保守的、っていうか大時代的っていうか、古臭いんですけど・・・
あとは、もくじをあげておきますから、それで内容を想像してみてください。少なくとも「妄想の集大成」、っていうのは正しいと思います、はい。
11――彼女の指遣い (「特選小説」(総合図書)2004年12月号)
12――甘い悪夢 (「特選小説」(総合図書)2005年 2月号)
13――少女と三人の男たち (「特選小説」(総合図書)2005年 4月号)
14――被虐の果てに (「特選小説」(総合図書)2005年 6月号)
15――愛なき試練 (「特選小説」(総合図書)2005年 8月号)
16――囚われの妖精 (「特選小説」(総合図書)2005年10月号)
17――悦びの泉 (「特選小説」(総合図書)2005年12月号)
18――サテュロスたちの誘惑(「特選小説」(総合図書)2006年 2月号)
19――別れの儀式 (「特選小説」(総合図書)2006年 4月号)
20――銀の首輪の花嫁 (「特選小説」(総合図書)2006年 6月号)
あとがき
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