新装版 虚無への供物 みんなのレビュー
- 中井英夫
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虚無への供物 新装版 下
2024/02/21 16:22
奇書ではない
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:栄本勇人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
(ややネタバレ)犯人がいることが分かってしまうが、特殊な動機は納得のいくものであった。読み終わると全体の筋の美しさに関心するが、やや冗長に感じる。簡潔にしてしまうとこの作品である必要はなくなってしまうのだろうが…。
虚無への供物 新装版 上
2024/02/21 16:12
奇書?
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:栄本勇人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み始めてミステリとしてのまっとうさに驚いた。前半部分の平坦さがきつく、内容は割とシンプルなのに読み進めるのに時間がかかった。
虚無への供物 新装版 下
2005/11/21 22:44
「殺人淫楽」という言葉が出てきますが、それがなかなかふさわしい怪異な物語です
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
1954年、洞爺丸沈没事故で両親を失った蒼司・紅司とその従弟の藍司。悲しみにくれる間もなく、さらに紅司が入浴中に死体となって発見される。浴室は完全な密室で誰かが侵入した形跡はないが、果たして彼の死は本当に自然死なのか。蒼司の友人である俊夫、その許婚の久生、そして友人亜利夫ら素人探偵は、この密室事件を殺人と断定して真相を推理していく。しかし真相にたどり着く前に第二、第三の事件が発生していく…。
上下巻で800頁超もある大作ですが、文章は平易でぐいぐいと引っ張られるように読んでしまいました。1964年に書かれたこの作品は、最近の社会派推理小説のような骨太な正統派ミステリーというよりも、一時代前の乱歩や正史といった作家が築きあげた妖美な怪異譚という趣の物語です。下巻399頁にヘッセの「デーミアン」の名が引かれていますが、まさにあの小説のように、「あやかし」と形容するが相応しいほど浮世離れした淫靡な美しさを見ます。
私はさほどミステリーには詳しくありませんが、こうした懐かしき時代に属する探偵推理物語は必ずしも多くの読者を現代に獲得することができないのではないでしょうか。熱烈なるファンを得たカルト的要素を含む小説であると同時に、最近のミステリーファンを寄せつけないところが多分にあります。
ですから「推理小説史上の大傑作」という謳い文句は誤解を与えると思います。むしろ怪奇趣味に溢れた、奇妙な浮遊感をずっと味わいながら読む作品といったほうがふさわしいのではないでしょうか。
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