福島第一原発 1号機冷却「失敗の本質」 みんなのレビュー
- NHKスペシャル『メルトダウン』取材班
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
4 件中 1 件~ 4 件を表示 |
2019/09/05 13:20
福島第一原発事故は、東電だけでなく、われわれ日本人の問題だ
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぱぴぷ - この投稿者のレビュー一覧を見る
今更だが、読んで良かった。これまで自分は「この東京電力め!」という気持ちが強かったが、この本を読んだら、そんな気持ちは失せ、東京電力でなくても、他の多くの日本企業でも、こうなっただろうなと他人事には思えなくなった。
ひとつは、日本人特有の危機管理の考え方。事前の準備を綿密にすることによって、大事故は起きないという想定で動くことによって、実際にリスクが起こったとき、リスクに対応できない。そこには、小さなリスクにも、いちいち待ったをかける日本人の国民性の問題もある。これでは、事業主は、大きなリスクに備える訓練ができない。結果、ますますリスク管理の実地訓練が遠のく。また、細かいことにいちいち待ったをかけるのは、マスコミも我々市民も科学的知識が圧倒的に不足しているからだろう。反省したい。はたまた、組織の情報共有の問題。情報は、混乱を招かないためにもある程度一本化されるべきで、そのため縦の流れが強くなるのは仕方がないが、そのために横から重要な情報が来ても共有できない。しかし、横からの情報をなんでも取り入れればいいかといえばそれは難しい。横からの情報も、玉石混交だからだ。大切なのは、縦も横も情報が共有ができて、しかも重要な情報だけを選び取れる知性。簡単なことではなかろう。さらに、圧倒的に優秀なリーダーがいても、一人のリーダーが働き続けられる限界は72時間。だから、そうしたリーダー並みの第2、第3の責任者がスタンバイできる状態にしておかなければいけないが、果たしてあなたの会社はそうなっているだろうか。これら以外にも、う〜んとうならされてことは、たくさんあったが、上記を知るだけでも、多くの日本人のサラリーマンは、福島の事故がとても他人事とは思えなくなるはずだ。
原発に興味ある方にもない方にも、一読をすすめたい。尚、事故後、東電は、これらの反省の上に、情報共有の仕方に変更を加えたらしい。何事にも完璧はないと思うが、そうした姿勢は、評価してもいいのではないか。
2018/05/06 17:07
原発事故
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:カピバラさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
当時、1号機で水素爆発・その後3号機でも同じように水素爆発。さらに4号機でも建物建屋が爆発・2号機でもメルトダウン。燃料デブリを取り出すのは、2021年から。廃炉作業には30・40年はかかる。現場作業では2人の作業員の尊い命が失われ、吉田所長もガンで死去。当時の吉田所長の判断は正しかったのかが分かる1冊。
2018/05/01 18:59
福島第一原発事故の転換点となった事実に迫る1冊
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
3基もの原子炉がメルトダウンした福島第一原発事故において、事態の悪化を一気に加速させたきっかけは最初に水素爆発を起こした1号機でした。1号機の冷却には「イソコン」と呼ばれる非常冷却装置があったのにも関わらず、事故当時その設備が稼働していなかったという致命的な誤認がありました。1号機運転開始から約40年間、「イソコン」を訓練でも実際に稼働させてこなかったことが原因でした。なぜ原子炉冷却に最重要な設備の訓練が実施されてこなかったのか、関係者への取材と資料をもとに追及していきます。
後半は膨大なテレビ会議の記録から、なぜ「イソコン」の稼働状況を誤認するに至ったのかをAIを用いて解析した結果を報告しています。
NHKスペシャル取材班による丹念な取材を新書1冊にまとめた福島第一原発事故の記録です。NHK記者による執筆だけあって、文章が非常にわかりやすく読みやすかったです。
2018/01/04 16:02
失敗の本質は大東亜戦争失敗と同じ
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nobita - この投稿者のレビュー一覧を見る
さすがNHKの分析力。現場・現実・現物で判断。コミュニケーションミス、自己防衛、思い込みなどいつの時代でも通ずるミス。今の愚かな政治家どもが読んで熟知してほしい。でも、今の知的レベルでは無理か?
吉田所長さんが生きていれば、もっと再発防止策がわかったかもしれない。
4 件中 1 件~ 4 件を表示 |