みんなのレビュー：怪盗クイーン/はやみね　かおる講談社青い鳥文庫

紙の本怪盗クイーンはサーカスがお好き

2006/05/11 19:50

ま、私としては軽いタッチの冒険小説って言うのは、同じレベルの本格推理よりつまらないんですね。だから、夢水清志郎もののほうが上かな、とは思います

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「飛行船トルバドウールで世界中を飛び回る怪盗クイーンとジョーカーのコンビ。彼らが日本にある〈リンデンの薔薇〉という宝石をカイロ美術館に返そうと企む」冒険小説。
ルパンものをミステリとは、言いにくいでしょう。やはり冒険小説という分類がしっくりときます。
飛行船トルバドウール上で怪盗クイーンとジョーカーが見ているのが、26年前にカイロの美術館から盗み出されたダイヤ〈ネフェルティの微笑み〉です。今は〈リンデンの薔薇〉と名前を変えて、日本の星菱大造が所有しています。クイーンはこの宝石を奪い、カイロの美術館に返却することを思いつくのです。
そして、今から62日後に宝石を盗み出すことを宣言します。うーん、何で50日とか、60日、あるいは8週間後ではないのか？なんて思いはするんですね。そんな疑問はともかく、62日の間に、飛行船に同乗している猫の蚤を完璧に取り終え、その引き取り手まで探そうという雄大な計画なのです。
この挑戦を受けてたつのが警視庁特別捜査課の上越警部と、部下のアブナイ岩清水刑事です。
そして、この騒ぎに便乗しようとする男たちが、ダイヤが静に眠る星菱邸に厳重な警備網を潜り抜け集合します。彼らが駆使する様々な技術。宝石は誰の手に渡るのでしょうか。謎の集団の意図とは。しかし、約束の時間を過ぎた星菱邸の金庫からは、無事に〈リンデンの薔薇〉が姿を現します。ここに怪盗クイーンと謎の集団、警察の面子をかけた争いが始まります。
上越警部が出てきたので、てっきり夢水清志郎も出てくるのかと思っていたら、そうではなく、主人公はあくまで怪盗クイーン。道理で、挿絵が夢水シリーズとは切っても切れない関係にある村田四郎からK2紹介に変わっても、断りひとつないはず。別個のシリーズの幕開けです。
ただし、夢水ものの雑誌セ・シーマの編集者伊藤真里も出てくるので、両者が競い合うのは間違いありません（既に特別編で出会い、そのキャラがこの作品にも登場してはいるのですが）。シンプルで楽しい作品といえるでしょう。

このレビューは役に立ちましたか？ はいいいえ

怪盗クイーン みんなのレビュー

みんなのレビュー（58件）

ま、私としては軽いタッチの冒険小説って言うのは、同じレベルの本格推理よりつまらないんですね。だから、夢水清志郎もののほうが上かな、とは思います

いいね

"怪盗クイーン"古今東西

登場キャラが魅力的！！

とてもいい感じ！！！

たとえ忘れても

『怪盗クイーン 摩天楼は燃えているか バトルロイヤル後編』

世界征服、前夜祭

『怪盗クイーン ＮＹでお仕事を バトルロイヤル前編』

いつになっても色褪せない児童文学の魅力

最高！！

奥が深い

『怪盗クイーン 楽園の名画を追え』

えっ！あの2人がついに！？

怪盗クイーンみんなのレビュー

『怪盗クイーン摩天楼は燃えているかバトルロイヤル後編』

『怪盗クイーンＮＹでお仕事をバトルロイヤル前編』

『怪盗クイーン楽園の名画を追え』