バカとテストと召喚獣 みんなのレビュー
- 著者:井上 堅二, イラスト:葉賀 ユイ
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紙の本バカとテストと召喚獣 9
2011/04/21 17:46
おバカ成分控えめな試召戦争の顛末とその後
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
前巻から続くCクラスとの試召戦争の後編。久し振りに思えなくもない“戦時”中心の内容となっており、図解もふんだんに盛り込む拘りとサービス精神(?)で雄二の作戦内容を示しつつ今回の顛末を最後まで描いている。これまでと比べて敵方に策謀の要素が強く、他のクラスも巻き込むような展開もあって、単にクラス同士がぶつかり合うだけでない幅広さと奥深さがあったように思う。その代わり、複雑さが増したことで状況が若干把握し辛かったり、戦術に重きをなしたことでバトルそのものは意外に少なかったりもしたが、たまにはこんな『バカテス』も悪くない。
指揮をとる雄二と、訳あって別行動となった明久とで視点を分けて今回の試召戦争、とりわけCクラスの思惑を炙り出す構成となっているが、結果的に全てが繋がるとはいえ、あちらこちらに赴く形となった明久のターンは少し冗長な気もした。まぁ、最後にきっちり盛り上げるクライマックスでアツいところを見せているので結果オーライではあるが。ただ、このような展開ではある程度致し方なしとも思うが、心情描写というか独白的な語り口を前面に出した手法では、本シリーズ最大の持ち味であるキャラ同士のおバカなやり取りが少なくなってしまい、この点において面白味に欠けると判断されてしまう部分もあるだろうなと思った。それでも次巻への引きに繋がる最後のシーンで急におバカなセリフのやり取りが出てくるところを見ると、作者のモチベーション低下やネタ切れといったことではなく、やはり今回はこういう作風ということであろう。
実は今回モーレツな頑張りを見せた姫路さんに絡む展開がこの後に続きそうであり、さらにはこれに絡んできそうな謎の少年と明久が途中で遭遇もしている。そして、もっと言えば最後の最後にFクラスもまた謎の行動をとっている。これら多くの伏線が今後どのように回収されていくのか。様々な期待を抱かせる謎を多く残した結び方である。
紙の本バカとテストと召喚獣 5
2009/03/21 06:58
みなさんちの家庭の事情
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
明久の姉、玲が来襲。生活状況のチェックと称する干渉は、明久の生活を改めさせクラスメイトの猜疑を生むことになる。
日々減点されていく明久の生活評価を向上させるため、テスト勉強と称してクラスメイトの家を渡り歩く展開になるのだが…テスト勉強というよりも、それぞれの家庭の事情に直面するはめに。
盛り上がっていく美波や瑞希の気持ちはどこに向かうのか。試験召喚システムの異常と共に、次巻では何かが起こりそうな予感。
紙の本バカとテストと召喚獣 7
2010/01/07 19:36
Get back ERO-BOOK!!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
書評タイトルは、本編終盤に出てくる合言葉である。今回は、没収品の奪還を賭けた試召戦争を、体育祭に絡めて教師との交流野球大会で果たそうという話。ところで、聖典・仲間・参考書・戦友・宝物……これらは全てある1種類の没収品に宛がわれた言葉だが、しかしまぁ、ボキャブラリー豊富というか、何とも苦笑交じりながら激しく同意する崇めっぷりである。他にも学校に持ち込むにはおよそ相応しくない没収品の数々なのだが(抱き枕とか)、これらを奪還する相手が教師なので単純に試召戦争とはいかずに野球で、しかもこれを召喚獣で行うことで本作のテイストに繋げている。野球とはいえ彼我の召喚獣のスコアが表示され、その大差で笑うという本シリーズの(忘れがちだった)基本を久しぶりに見た気がする。正直なところ、読み手にも耐性がついているので当初のような爆発的な笑いは退行しているのだが、個性豊かなキャラ達がそれぞれ闊達にやり取りして動き回る別の面白さが出てきている。二人三脚なのに何故か三人四脚になっている島田や、姫路さんの「伝説のピッチング」から昼休みの弁当にかけて(まさかの“ザクロ”オチ)、あるいは購買での久保君など、クラスの垣根を越えた体育祭らしい状況下で脇役陣が相応に見せ場をつくっている。須川君のような“さらに脇役”にも「異端審問会を率いるカリスマ」なる二つ名が与えられており、この「バカテスワールド」が順調な広がりを見せ、独り歩きを始めたキャラ達の自由な動きに委ねるような書き方が感じられる。そして、本巻では霧島さんの純情可憐で健気な一面や、鉄人の「教師の鑑」たる一言が飛び出して不覚にも胸を熱くさせる一幕もある。他にも、霧島さんの本意に応えようとするカッコ良い雄二や、意外なお茶目っぷりで魅せてくれた、本来は堅物の高橋先生といった味わい深いキャラ達が本巻を支えている。
紙の本バカとテストと召喚獣 7
2009/12/25 23:29
没収品を賭けた野球大会
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
体育祭の一種目として開催される、召喚獣を使った教師との交流野球大会。勝利の暁に返還される、持ち物検査での没収品を取り戻すため気合が入るFクラスの面々。だが、いつもならあらゆる手を尽くして勝利をもぎ取ろうとするはずの雄二が若干精彩を欠いていて…というお話。
今回は野球というルールの枠組みの中で行う勝負なので、たまに野球を全く知らない人のボケが入る以外には、いつもに比べて自由度が低いため、意外な展開は少ないかもしれない。野球大会がメインなので体育祭の競技もほとんど描かれず、本来ならそこで暗躍するはずのムッツリーニも、いつもよりはおとなしい感じがする。
次は短編集らしいので、また色々な展開が見られるでしょう。あと今回は、試験問題の元ネタが結構本格的だった気がする。
紙の本バカとテストと召喚獣 2
2009/03/16 20:57
お笑い、お色気、ちょっとピンチ
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
学園祭。姫路瑞希の転校阻止と坂本雄二の人生の選択権を守るため、試験召喚大会での優勝を目指す吉井明久。人の心を利用しインチキすれすれの手段でトーナメントを勝ち上がって行きつつも、努力も忘れない。
模擬店のチャイナドレスあり、学園内外から迫る魔の手あり、いろんな意味で少しずつ世界が広がってきた。
2015/09/29 16:00
過去と未来と現在と
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
後輩ツッコミ役が登場したり、入れ替わりがあったり、成人したFクラスメンバーが見れたり、小学生時代の思い出が語られたりする短編集。幕間ではオカマが選ぶ好みのタイプランキングの発表が行われる。
「僕と兄さんと謎の抱き枕」
久保利光の弟である久保良光は、最近、兄の部屋で見かけた抱き枕の真相を探るため、文月学園の学校見学会に参加することにした。土屋康太の妹である土屋陽向も一緒にFクラスへと向かうと、そこには異端審問会の面々が待ち構えていた。
出会う人ごとにくだんの人物、吉井明久についてインタビューする久保良光は、徐々に、文月学園的な思考に毒されていくことになる。
「僕と雄二と危ない黒魔術」
霧島翔子が持っていた怪しい本を没収した坂本雄二は、偶然、そこに書かれていた黒魔術の儀式を実行してしまった結果、吉井明久と入れ替わってしまった。嫌な予感を覚えた雄二in明久は、吉井玲のセクハラ目覚ましをかわして自宅に駆け戻る。そこには、霧島翔子にプロポーズしようとしている、明久in雄二の姿があった!
元の姿に戻ろうとする二人だったが、そこに明久に女装させようとする玉野美紀や、工藤愛子とムッツリーニ、島田美波と清水美春らが介入してきて、現場は混乱の渦に落とし込まれる。
「僕と未来と召還獣」
進路希望調査に迷う雄二や明久の前に学園長の藤堂カヲルが現れ、またもや思いつきで調整した試験召還獣のテスターを依頼してきた。今回は、召還者の20代前半の姿をシミュレーションするというものだ。
これまでの痛い経験が彼らに二の足を踏ませるが、やはり興味本位で結局召還してしまうFクラスとAクラスのいつもの面々は、シミュレーションした自分達の姿に何を見るのか?特に木下秀吉の未来は必見かも。
「私とウサギと仄かな初恋」
小学四年生の姫路瑞希は、地味好きとあだ名される、引っ込み思案で病弱で、自分を太っていると思い込んでいる女の子だった。やりたくない飼育委員を押しつけられてしまったとき、彼女を庇って声をあげたクラスメイトの吉井明久と知り合うことになる。
当時はクラスの女子の人気者だった明久と仲良くする瑞希に向けられるのは、女子のやっかみと嫉妬の視線だ。落ち込み、追い込まれ、自爆発言をしてしまった瑞希は、体調を崩して入院してしまう。そのときに、悲劇と、現在に至るまで彼女を支えた出来事が起きるのだった。
次巻が本編最終エピソードとのこと。短編集は続くのかな?
2015/08/17 13:35
あなたと子供を作りたい
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
「僕と子供と召喚獣」
藤堂カヲル学園長の思いつきで変更された試験召喚システムのテストに付き合わされることになった吉井明久と坂本雄二、そしてFクラスの面々たち。その変更とは、二人で一体の召喚獣を召喚できるようにすること。つまり、二人の子供ができる!
当然、島田美波と姫路瑞希は明久に、霧島翔子は雄二に迫るわけだが、そこに色々な思惑が絡んで来て…。学年主任の高橋先生の意外な反応が見られます。
「僕と姫路さんとある日の昼下がり」
ショッピングモールにお買い物に行くことになった明久と瑞希。デートの様な状況にドキドキする瑞希に対して、明久はいつも通り。そんなとき、明久は彼を見つめる視線に気づく。これは異端審問会の誰かか?デートの合間に、命を守る戦いが始まる!
「僕と土屋家と揺れない心」
一言でいうと、ツッコんではいけない土屋家。明久と雄二、どちらが動揺しない冷静な心を持っているかで言い争いになったため、ムッツリーニの家を舞台として、彼らの冷静さを確かめる企画が立ちあがった。
審判役の木下秀吉、ゲスト出演の島田美波の自虐的ボケっぷりを見て欲しい。でもこの企画は映像じゃないと表現が難しいかも。
「俺と喧嘩と不思議なバカども」
7.5巻の帰国直後の美波と明久の物語の裏で繰り広げられていた、明久と雄二、ムッツリーニや秀吉との出会いの物語。やさぐれている雄二の印象がいまと違いすぎる。
今回はラブコメというよりもコメディあるいは青春ものの要素がちょっと多め。短編という形式のせいもあるのかもしれない。
2012/12/03 20:34
娯楽小説としては上位!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:りゅーね - この投稿者のレビュー一覧を見る
単純に面白いだけでなく、伏線やストーリー展開もすごく良いと思います。
今までの本編を読んでいない人にはすごく分かりづらいと思いますが、それでもやっぱり面白い。
とりあえずこれを買って、よく分からなかったら1巻に戻って買ってみては?
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