女ことばと日本語 みんなのレビュー
- 中村桃子 (著)
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紙の本女ことばと日本語
2016/11/28 09:56
流石、学者の著作だけあって面白さに加えて参考になる情報がてんこ盛りでした。
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
流石、学者の著作だけあって面白さに加えて参考になる情報がてんこ盛りでした。古代の宮廷の詞や女房詞、遊里などで使われた遊女語など言語学的な流れは当然であるが、「女ことば」が本当に定着・意識されるようになるのは江戸時代からであり、その後の流れ、特に戦中・戦後の時代背景の中で「女ことば」に対して、政治戦略的な観点から新しい意味づけがなされていく過程の分析は実に興味深いものであった。たかが「言葉」と思っていたが、その深い意味に実に驚かされた。「女ことば」があるという世界にも珍しい言語である日本語の素晴らしさとして、小説においても会話者が男であるか女であるかが明確に判るという指摘には目から鱗でした。末尾の方でそうした観点から小説論にも触れているのも面白かった。
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