久生十蘭短篇選 みんなのレビュー
- 久生十蘭 (著), 川崎賢子 (編)
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紙の本久生十蘭短篇選
2019/01/28 12:17
全く古臭くなっていない
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
恥ずかしながら久生十蘭という人の名前は全く存じ上げなかった。何かの雑誌に、短篇の名手と書かれてあったことを記憶していて岩波文庫から短篇集が刊行されていることを知り購入した。この短編集は昭和20年以降のもの、すなわち戦後まもなくの時代に書き上げた作品なのであるが全く古臭くなっていない。戦後という時代の惨めさ、辛さが全面にでている短篇の私小説をいろんな作家を通じて何度も読んでいるのだが(私はその空気感が気に入っているし、読んでおかなければならないとさえ思っている)、その作品群には、戦後の惨めさには程遠くただただ妖しいのだ。とくに「蝶の絵」に登場する花世の妖しさは比肩できない凄みがある。オラウータンの件は秀逸だ
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